2014年6月21日土曜日

「被ばく牛の異変調査を」浪江町の牛飼いが霞ヶ関で抗議 // 「原発と人間 そして牛の涙」 講演 吉沢正巳 希望の牧場・ふくしま 代表


「被ばく牛の異変調査を」浪江町の牛飼いが霞ヶ関で抗議  



2014/06/20 に公開
福島第一原発から14キロ地点の浪江町にある「希望の牧場」の吉沢正巳さんらが20日­、白い斑点が出ている牛を引き連れて、東京・霞ヶ関で抗議行動を行った。白斑症状の原­因調査や旧警戒区域内での家畜の殺処分中止などを求め、農林水産大臣宛に要望書を提出­。「棄蓄政策は棄民政策へつながる」と抗議の声を上げた。

抗議をした吉沢さんは、国の殺処分命令を拒否し、「希望の牧場」で約330頭の牛を飼­い続けている。2012年の夏頃から、牛の体に白い斑点が出るようになり、体全体に広­がっているのが10頭、体の一部に白い斑点が出ている牛が約40頭ほどいるという。

今回農林水産大臣へ要望したのは、被ばくによる影響の可能性を排除せずに、白斑症状の­原因調査をすることや、旧警戒区域内に生き残った牛の殺処分の中止、餌の支援など3点­。

吉沢さんは、この日の午後、農林水産省へ牛1頭を乗せたトラックとともに訪れた。報道­陣や支援者らが集まる中、トラックから牛を下ろそうとしたところ、警察官と押し合いに­なり、一時騒然となった。吉沢さんは、農水省前で、「国がこういう牛を殺処分しろと言­ったのは棄畜政策です。棄畜政策はやがて、棄民政策へつながる」と訴えた。

関連サイト
希望の牧場
http://fukushima-farmsanctuary.blogzi...

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20111218a福島第一原発20km圏内の光景『特命報道記者X 2011』  



2011/12/18 にアップロード
フジテレビ報道取材班が捕らえた、福島第一原発20km圏内の光景
『特命報道記者X 2011』
12月18日(日)午後4時~5時25分放送
http://www.fujitv.co.jp/tokumeiX/

■福島の25年後はどうなるのか?福島20キロ圏内および
チェルノブイリの現状を徹底取材し、「食と健康」、そして未来を考える
■ネットを通じて瞬く間に広がった情報が独裁国家を次々に崩壊させた2011年、
隣国・中国の「情報統制」の現状を取材、独裁国家中国の未来は?

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フジテレビは、2011年3月11日に発生した「東日本大震災」による
福島第一原発の事故で苦しんでいる福島の復活への課題や、
これから原子力とどう向き合っていくべきかを検証する特別番組
『特命報道記者X 2011』を、12月18日(日)午後4時

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◇取材概要
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◆福島20km圏内の現実
災害対策法により、報道記者も福島20km圏内(警戒区域)の取材は
制限される。ごくたまに見る福島 20km圏内の映像は、場所や時間が
限定されたものがほとんどで、これまで汚染地域のありのままの現実を
肌で感じることはできなかった。
そこで取材班は、あらゆる人脈を駆使して、20km圏内の取材を繰り返した。
信じがたい数値を記録する空間線量のなか、そこには、餓死した牛たちが
骨と皮だけになって朽ち果てている牛舎など、衝撃的な光景が広がる。
そんな福島の未来は、どうなっていくのか。番組は、その答えを、
過去の原子力事故に求める。

◆ウクライナ・ベラルーシ/チェルノブイリ「食と健康」
原発への道すがら、「赤い森」と呼ばれる高レベル汚染地域に立ち寄ると、
事故から25年経ても空間線量で100μSを超えている。
原発内には、未だ3500人が働き、使用済み燃料の管理などに勤しんでいる。
ベラルーシの汚染地域の畜産農家は、未だに汚染された牛乳の対応に
追われていた。また、この一家の大好物である乾燥キノコも、
取材班が検査場に持ち込むと、基準を9倍上回る汚染が判明。
こうした汚染による内部被曝の影響を調べるため、ベラルーシ政府が
手配する病院に向かうが、全員が徹底して「今はもう健康に影響しない」と
答える。そこで監視の目を盗んで市内の病院を取材すると、健康被害に
関して隠されてきた実態を知ることに・・・。国家ぐるみの、原子力に
まつわる情報統制を目の当たりにする。
ウクライナでは、汚染地出身の孤児が受ける、困難な心臓の手術に密着する。

◆福島20km圏内に帰る日
福島原発のある大熊町は、すっぽりと警戒区域の中にあり、すべての
住民が集団で避難生活を強いられている。先日行われた町長選挙では、
「いつの日か必ず帰る」という公約を掲げた現職が勝利した。
町長と共に大熊町に入り、除染の実際を視察すると、簡単には戻れない
実態に直面する。肩を落とす町長だが、町の端に比較的線量が
少ない場所があり、その「希望の場所」への集団移転を目指す。

◆中国情報統制の実態
中東・アフリカを中心に、「F a c e b o o k 」などの情報ツールの発達が
民意を増幅して、長年に渡る独裁体制を崩壊へと導くケースが相次いだ今年、
取材班は、隣国・中国で進む、独裁体制維持のための情報統制を取材した。
高速鉄道衝突事故で、噴出した鉄道省や国家への反発に対し、
遺族たちやメディアへの圧力の実態が明らかに。当局を批判して、
その発言がネット上から削除された「消えたキャスター」の行方を追う。
また、中国で多発する「子供の誘拐」を巡り、被害にあった親たちの活動を
妨害する地元警察...。その一方で、誘拐グループの摘発を声高に叫ぶ当局、
その意図とは? 
そして取材班は、情報統制の最前線である中国ネット警察に潜入取材し、
中国の民意と情報統制の行方はどうなるのか、徹底検証する。




浪江町の牧場関係者が被ばくした牛を連れて農水省に 調査要望(福島14/06/20)



2014/06/20 に公開
福島・浪江町で、牛の飼育を続けている牧場の関係者が、体に白い斑点が現れた牛の調査­を農水省に要望した。
東京・霞が関の農林水産省前にできた人だかり。
近づいてみると、トラックの荷台に牛が乗せられていた。
原発事故後も、浪江町で牛を飼い続けてきた牧場の関係者が、農水省に要望を行った。
希望の牧場・ふくしまの吉沢正巳代表は「被ばくの影響・可能性を排除せずに、染色体や­遺伝子への影響調査を含めて、やってもらいたい」と話した。
牧場の関係者は、被ばくした牛の体に表れた白い斑点に関する調査などを求めた。



「原発と人間 そして牛の涙」 講演 吉沢正巳 希望の牧場・ふくしま 代表  



2014/05/14 に公開

講演「原発と人間 そして牛の涙」
講演者 吉沢正巳(希望の牧場・ふくしま代表)
2014/4/12 in 会津若松

霞が関に牛が現れたとあって、周辺は一時騒然となった。



「希望の牧場」吉沢正巳さんが訴え〜6.20金曜行動



2014/06/21 に公開
金曜日の官邸抗議の日、6月20日午後、福島県の浪江町から「希望の牧場」の吉沢正巳­さんが、一頭の被ばく牛を軽トラックに乗せてやってきた。牛には白い斑点がみられ、被­ばくが原因と思われた。吉沢さんと支援者たちは農水省と環境省をまわって抗議行動を行­った。その後、吉沢さんたちは牛の模型を台車に乗せて、官邸前や国会前をねり歩き、抗­議の声を上げた。撮影=木下昌明。


福島のみなさん 浪江町(東京会見) 2011.10.09



2011/10/10 にアップロード
『福島のみなさん ~収束の日まで~』福島在住の方々の"今"を伝えていきます。エ­ム牧場浪江農場農場長の吉沢正己さんが、高邑勉衆議院議員と東京で「希望の牧場」プロ­ジェクト経過報告記者会見を行いました。(自由報道協会主催)現場の状況を映像で紹介­し、自身の震災からの行動、今後の計画をお話されています。希望の牧場オフィシャルブ­ログ→http://fukushima-farmsanctuary.blogzi...



20130806《索引付》希望の牧場@広島 第1部 吉沢正巳 講演



2013/08/20 に公開
【索引の使い方 時間の部分をクリックすれば動画のその位置にジャンプします】
《索引》===
0:00 司会(アオキ)今日のスケジュール 福島の甲状腺がんについて
3:50 【第1部】森瀧春子 吉沢正巳氏の紹介

7:25 吉沢正巳 講演 3.11の日の状況
12:00   3.12の状況 国の情報隠蔽 浪江町全町避難
16:05   ~3.15 1~4号機の爆発
17:25   3.15 馬場町長 二本松へ一斉避難
18:58   3.16
19:28   3.17 東電が撤退 決意 東京電力に乗り込む
23:50   3.18 東京電力との交渉 農水省 経産省保安院 首相官邸 枝野 1週間東京滞在
28:30   3.22~ 福島 牧場の状況
30:25   4.22~ 警戒区域設定 餌の運搬
31:20   5.12~ 枝野 殺処分の指示
34:40   7月8月 被爆牛の学術的意味 南相馬の解剖結果
38:10   国の方針 証拠の隠滅 週刊プレイボーイの記事 当時の石破幹事長 農水書と文科省
40:55   福島県民健康管理調査の隠蔽→再稼働を画策 国の方針 報道
44:44   国、東電の圧力 餌の枯渇 国の妨害 棄畜政策 棄民政策
48:36   避難民の状況 絶望的状況 無意味な除染 汚染水
56:32   敦賀、新潟、静岡での活動 原発一揆の本
58:02 司会 カンパ、本の販売 休憩
59:43
===

希望の牧場・ふくしま
http://fukushima-farmsanctuary.blogzi... より

8月6日(火)14:00-
「8・6ヒロシマ国際対話集会-反核の夕べ2013」
原爆、原発、劣化ウラン放射能被害の原点から ―核サイクルを断ち切るために―

【日 時】8月6日(火)14:0017:00
【場 所】広島市民ふれあい交流プラザ 6F マルチメディア・スタジオ
【共 催】核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)  NO DUヒロシマ・プロジェクト
【参加費】700円

当日の講演&シンポジウムの模様は下のUstream番組「希望の牧場 News-Live」2で
生放送いたします!ぜひご覧ください!

[ チャンネル名 ]  「希望の牧場」News-Live
[ 放送アドレス ]  http://ustre.am/GeFO
[ 放送時間 ]14:0017:00


【第1部】~講演~(14:0514:55
「福島核被災の現状と原発をなくすたたかい」
吉沢正巳 希望の牧場・ふくしま代表

【第2部】~シンポジウム~(15:0017:00
オリバー・ストーン(米映画監督)
ピーター・カズニック(アメリカン大教授)
吉沢正巳(「希望の牧場・ふくしま」代表)
川崎哲(ピースボート、ICAN、核兵器廃絶日本NGO連絡会共同代表)
田中利幸(HANWA共同代表)
コーディネーター・森瀧春子(HANWA共同代表)

original「希望の牧場」News-Live
http://www.ustream.tv/recorded/36923789



福島県浪江町『希望の牧場 ~ふくしま~』代表吉沢正巳さん講演会  



2012/11/17 に公開
2012年11月17日(土)、長野市生涯学習センターで「フクシマを忘れない!
福島県浪江町『希望の牧場 ~ふくしま~』代表吉沢正巳さん講演会」
が行われた。


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http://www.asyura2.com/14/genpatu37/msg/407.html

安倍晋三が「全電源崩壊は起こりえない」という答弁を削除、改ざん。
http://blog.goo.ne.jp/nrn54484/e/89f42f2cab6dbbd5e37a5dbb49175caf
2014年04月10日 07時25分34秒 のんきに介護

安倍晋三が原発事故に関する自己責任をうやむやにするため信じられないような情報隠しを行っていた。 次の金子勝@masaru_kaneko さんのツイートを ご覧ください。――【情報隠し1】そもそも安倍晋三に福島の復興を語る資格はない。2006年12月に安倍首相は国会で「全電源崩壊は起こりえない」と答弁した福島事故最大の責任者と指摘してきたが、答弁書が衆議院議事録から削除されていた。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b165256.htm …〔11:19 - 2014年4月9日 〕――
https://twitter.com/masaru_kaneko/status/453718852380028928この男、 何年かしてから、 衆議院で そんな答弁をしたというなら、 「答弁書に記載があるはずだ。見せてみろ」と言うに違いないです。 国会で「全電源崩壊は起こりえない」と答弁した福島事故最大の責任者である事実、 隠そうとしていることが よく理解できました。この戯けた大嘘つき野郎、このまま放っておけば、 国は間違いなく崩壊するでしょう。 金子氏によると、 安倍晋三は次のようなリンク切断法を使い、 答弁書が拡散しないように工夫していたといいます。
――【情報隠し2】安倍首相の不都合な答弁書が拡散しないように、典型的なリンク切断手法が使われていた。INTERNETというフォルダーを作り、そこに移し、従来のリンク先には「場所を移しました」とだけ記載する。秘密保護法の予行訓練でしょうか。
http://goo.gl/1Vw5wI 〔11:20 - 2014年4月9日 〕――
https://twitter.com/masaru_kaneko/status/453719141136887809改めて、 安倍の答弁を金子勝さんの証言を通して、 再現しておきましょう。――昨年9月19日、22日、11月20日にツイート。福島視察した安倍晋三首相は、平成18年12月の国会質問に、我が国の原子炉は「外部電力がなくても冷却可能」「鉄塔が倒れても外部電源が供給受けられた例」があり全電源喪失したフォルスマルクと「同様な事態が発生することは考えられない」と答弁〔11:25 - 2014年4月9日〕――。
https://twitter.com/masaru_kaneko/status/453720384013991936
〔資料-1〕 「リンク切断」☆ 記事URL:http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b165256.htm ×衆議院 申し訳ございません。
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〔資料ー2〕 「答弁本文情報」☆ 記事URL:http://www.shugiin.go.jp/Internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b165256.htm平成十八年十二月二十二日受領
答弁第二五六号   内閣衆質一六五第二五六号
平成十八年十二月二十二日 内閣総理大臣 安倍晋三        衆議院議長 河野洋平 殿 衆議院議員吉井英勝君提出巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。--------------------------------------------------------------------------------
衆議院議員吉井英勝君提出巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問に対する答弁書 一の1について 我が国の実用発電用原子炉に係る原子炉施設(以下「原子炉施設」という。)の外部電源系は、二回線以上の送電線により電力系統に接続された設計となっている。また、重要度の特に高い安全機能を有する構築物、系統及び機器がその機能を達成するために電源を必要とする場合においては、外部電源又は非常用所内電源のいずれからも電力の供給を受けられる設計となっているため、外部電源から電力の供給を受けられなくなった場合でも、非常用所内電源からの電力により、停止した原子炉の冷却が可能である。
また、送電鉄塔が一基倒壊した場合においても外部電源から電力の供給を受けられる原子炉施設の例としては、北海道電力株式会社泊発電所一号炉等が挙げられる。
お尋ねの「高圧送電鉄塔が倒壊した事故が原発で発生した例」の意味するところが必ずしも明らかではないが、原子炉施設に接続している送電鉄塔が倒壊した事故としては、平成十七年四月一日に石川県羽咋市において、北陸電力株式会社志賀原子力発電所等に接続している能登幹線の送電鉄塔の一基が、地滑りにより倒壊した例がある。 一の2について 落雷による送電線の事故により原子炉が緊急停止した実例のうち最近のものを挙げれば、平成十五年十二月十九日に、日本原子力発電株式会社敦賀発電所一号炉の原子炉が自動停止した事例がある。 一の3について 我が国において、非常用ディーゼル発電機のトラブルにより原子炉が停止した事例はなく、また、必要な電源が確保できずに冷却機能が失われた事例はない。 一の4について スウェーデンのフォルスマルク発電所一号炉においては、平成十八年七月二十五日十三時十九分(現地時間)ころに、保守作業中の誤操作により発電機が送電線から切り離され、電力を供給できなくなった後、他の外部電源に切り替えられなかった上、バッテリーの保護装置が誤設定により作動したことから、当該保護装置に接続する四台の非常用ディーゼル発電機のうち二台が自動起動しなかったものと承知している。 一の5について 我が国において運転中の五十五の原子炉施設のうち、非常用ディーゼル発電機を二台有するものは三十三であるが、我が国の原子炉施設においては、外部電源に接続される回線、非常用ディーゼル発電機及び蓄電池がそれぞれ複数設けられている。
また、我が国の原子炉施設は、フォルスマルク発電所一号炉とは異なる設計となっていることなどから、同発電所一号炉の事案と同様の事態が発生するとは考えられない。 一の6について 地震、津波等の自然災害への対策を含めた原子炉の安全性については、原子炉の設置又は変更の許可の申請ごとに、「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」(平成二年八月三十日原子力安全委員会決定)等に基づき経済産業省が審査し、その審査の妥当性について原子力安全委員会が確認しているものであり、御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。 一の7について 経済産業省としては、お尋ねの評価は行っておらず、原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。 一の8について 原子炉施設の安全を図る上で重要な設備については、法令に基づく審査、検査等を厳正に行っているところであり、こうした取組を通じ、今後とも原子力の安全確保に万全を期してまいりたい。 二の1について 経済産業省としては、お尋ねの評価は行っておらず、原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。 二の2について 原子炉内の燃料の沸騰遷移の安全性に係る評価については、平成十八年五月十九日に原子力安全委員会原子力安全基準・指針専門部会が、各種の実験結果等を踏まえ、「沸騰遷移後燃料健全性評価分科会報告書」(以下「報告書」という。)を取りまとめ、原子力安全委員会が同年六月二十九日にこれを了承している。
また、一時的な沸騰遷移の発生を許容する原子炉の設置許可の申請については、報告書を含む原子力安全委員会の各種指針類等に基づき審査し、安全性を確認することとしている。 二の3について 政府として、諸外国における原子炉内の燃料の沸騰遷移に係る取扱いについて必ずしも詳細には把握していないが、報告書においては、米国原子力規制委員会(NRC)による改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)の安全評価書の中で一定の条件下の沸騰遷移においては燃料棒の健全性が保たれるとされている旨が記載されており、また、ドイツでは電力会社等により沸騰遷移を許容するための判断基準についての技術提案が行われている旨が記載されている。 二の4について 東京電力株式会社東通原子力発電所に係る原子炉の設置許可の申請書においては、報告書に記載された沸騰遷移後の燃料健全性の判断基準に照らし、一時的な沸騰遷移の発生を許容する設計となっていると承知している。 二の5について 東京電力株式会社東通原子力発電所に係る原子炉施設の安全性については、報告書を含む各種指針類等に基づき審査しているところである。 三の1及び2について お尋ねについては、調査、整理等の作業が膨大なものになることから、お答えすることは困難である。なお、経済産業省においては、現在、一般電気事業者、日本原子力発電株式会社及び電源開発株式会社に対し、水力発電設備、火力発電設備及び原子力発電設備についてデータ改ざん、必要な手続の不備等がないかどうかについて点検を行うことを求めている。 三の3について 事業者は、保安規定の遵守状況について国が定期に行う検査を受けなければならないとされているところ、平成十五年に、事業者が保安規定において定めるべき事項として、品質保証を法令上明確に位置付けたところである。
御指摘の「データ測定」の内容は様々なものがあり、一概にお答えすることは困難であるが、例えば、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第五十四条に基づく定期検査にあっては、定期検査を受ける者が行う定期事業者検査に電気工作物検査官が立ち会い、又はその定期事業者検査の記録を確認することとされている。
御指摘の「長期にわたって見逃してきた」の意味するところが必ずしも明らかではないことから、お答えすることは困難であるが、原子炉施設の安全を図る上で重要な設備については、法令に基づく審査、検査等を厳正に行っているところであり、こうした取組を通じ、今後とも原子力の安全確保に万全を期してまいりたい。


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http://www.shugiin.go.jp/Internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b165256.htm

衆議院議員吉井英勝君提出巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問に対する答弁書

答弁本文情報

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平成十八年十二月二十二日受領
答弁第二五六号

内閣衆質一六五第二五六号
平成十八年十二月二十二日
内閣総理大臣 安倍晋三

衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員吉井英勝君提出巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員吉井英勝君提出巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問に対する答弁書


一の1について
我が国の実用発電用原子炉に係る原子炉施設(以下「原子炉施設」という。)の外部電源系は、二回線以上の送電線により電力系統に接続された設計となっている。また、重要度の特に高い安全機能を有する構築物、系統及び機器がその機能を達成するために電源を必要とする場合においては、外部電源又は非常用所内電源のいずれからも電力の供給を受けられる設計となっているため、外部電源から電力の供給を受けられなくなった場合でも、非常用所内電源からの電力により、停止した原子炉の冷却が可能である。
また、送電鉄塔が一基倒壊した場合においても外部電源から電力の供給を受けられる原子炉施設の例としては、北海道電力株式会社泊発電所一号炉等が挙げられる。
お尋ねの「高圧送電鉄塔が倒壊した事故が原発で発生した例」の意味するところが必ずしも明らかではないが、原子炉施設に接続している送電鉄塔が倒壊した事故としては、平成十七年四月一日に石川県羽咋市において、北陸電力株式会社志賀原子力発電所等に接続している能登幹線の送電鉄塔の一基が、地滑りにより倒壊した例がある。
一の2について
落雷による送電線の事故により原子炉が緊急停止した実例のうち最近のものを挙げれば、平成十五年十二月十九日に、日本原子力発電株式会社敦賀発電所一号炉の原子炉が自動停止した事例がある。
一の3について
我が国において、非常用ディーゼル発電機のトラブルにより原子炉が停止した事例はなく、また、必要な電源が確保できずに冷却機能が失われた事例はない。
一の4について
スウェーデンのフォルスマルク発電所一号炉においては、平成十八年七月二十五日十三時十九分(現地時間)ころに、保守作業中の誤操作により発電機が送電線から切り離され、電力を供給できなくなった後、他の外部電源に切り替えられなかった上、バッテリーの保護装置が誤設定により作動したことから、当該保護装置に接続する四台の非常用ディーゼル発電機のうち二台が自動起動しなかったものと承知している。
一の5について
我が国において運転中の五十五の原子炉施設のうち、非常用ディーゼル発電機を二台有するものは三十三であるが、我が国の原子炉施設においては、外部電源に接続される回線、非常用ディーゼル発電機及び蓄電池がそれぞれ複数設けられている。
また、我が国の原子炉施設は、フォルスマルク発電所一号炉とは異なる設計となっていることなどから、同発電所一号炉の事案と同様の事態が発生するとは考えられない。
一の6について
地震、津波等の自然災害への対策を含めた原子炉の安全性については、原子炉の設置又は変更の許可の申請ごとに、「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」(平成二年八月三十日原子力安全委員会決定)等に基づき経済産業省が審査し、その審査の妥当性について原子力安全委員会が確認しているものであり、御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。
一の7について
経済産業省としては、お尋ねの評価は行っておらず、原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。
一の8について
原子炉施設の安全を図る上で重要な設備については、法令に基づく審査、検査等を厳正に行っているところであり、こうした取組を通じ、今後とも原子力の安全確保に万全を期してまいりたい。
二の1について
経済産業省としては、お尋ねの評価は行っておらず、原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。
二の2について
原子炉内の燃料の沸騰遷移の安全性に係る評価については、平成十八年五月十九日に原子力安全委員会原子力安全基準・指針専門部会が、各種の実験結果等を踏まえ、「沸騰遷移後燃料健全性評価分科会報告書」(以下「報告書」という。)を取りまとめ、原子力安全委員会が同年六月二十九日にこれを了承している。
また、一時的な沸騰遷移の発生を許容する原子炉の設置許可の申請については、報告書を含む原子力安全委員会の各種指針類等に基づき審査し、安全性を確認することとしている。
二の3について
政府として、諸外国における原子炉内の燃料の沸騰遷移に係る取扱いについて必ずしも詳細には把握していないが、報告書においては、米国原子力規制委員会(NRC)による改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)の安全評価書の中で一定の条件下の沸騰遷移においては燃料棒の健全性が保たれるとされている旨が記載されており、また、ドイツでは電力会社等により沸騰遷移を許容するための判断基準についての技術提案が行われている旨が記載されている。
二の4について
東京電力株式会社東通原子力発電所に係る原子炉の設置許可の申請書においては、報告書に記載された沸騰遷移後の燃料健全性の判断基準に照らし、一時的な沸騰遷移の発生を許容する設計となっていると承知している。
二の5について
東京電力株式会社東通原子力発電所に係る原子炉施設の安全性については、報告書を含む各種指針類等に基づき審査しているところである。
三の1及び2について
お尋ねについては、調査、整理等の作業が膨大なものになることから、お答えすることは困難である。なお、経済産業省においては、現在、一般電気事業者、日本原子力発電株式会社及び電源開発株式会社に対し、水力発電設備、火力発電設備及び原子力発電設備についてデータ改ざん、必要な手続の不備等がないかどうかについて点検を行うことを求めている。
三の3について
事業者は、保安規定の遵守状況について国が定期に行う検査を受けなければならないとされているところ、平成十五年に、事業者が保安規定において定めるべき事項として、品質保証を法令上明確に位置付けたところである。
御指摘の「データ測定」の内容は様々なものがあり、一概にお答えすることは困難であるが、例えば、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第五十四条に基づく定期検査にあっては、定期検査を受ける者が行う定期事業者検査に電気工作物検査官が立ち会い、又はその定期事業者検査の記録を確認することとされている。
御指摘の「長期にわたって見逃してきた」の意味するところが必ずしも明らかではないことから、お答えすることは困難であるが、原子炉施設の安全を図る上で重要な設備については、法令に基づく審査、検査等を厳正に行っているところであり、こうした取組を通じ、今後とも原子力の安全確保に万全を期してまいりたい。

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http://www.cnic.jp/modules/news/article.php?storyid=409

事故 : スウェーデンのフォルスマルク1号電源喪失事故(7月25日)について(簡報)

投稿者: 原子力資料情報室 投稿日時: 2006/8/5 17:23:24


スウェーデンのフォルスマルク1号電源喪失事故(7月25日)について(簡報)

http://www.ski.se/extra/news/?module_instance=2&id=481
http://www.ski.se/extra/news/?module_instance=3&id=482

http://www.ski.se/extra/news/?module_instance=2&id=479
http://www.ski.se/extra/news/?module_instance=3&id=480


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報告書へリンクSKIのサイトに掲載されたレポート
http://www.ski.se/extra/news/?module_instance=1&id=471 (図版つきPDF)
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NRC Information Notice “Significant Loss of Safety-Related Electrical Power at Forsmark, Unit 1, in Sweden”
http://www.nrc.gov/reading-rm/doc-collections/gen-comm/info-notices/2006/in200618.pdf
より(一部分の仮訳)オリジナルをご覧下さい

フォルスマルク原発1号炉は1020メガワットの沸騰水型炉でアセア・アトム製であり1980年に商業運転を開始した。2006年7月25日、深刻な事故がフォルスマルク1号で起きた。複雑な事象の連鎖が起き、開閉所でのショートから、安全系の交流・直流電源4トレインのうち2トレインを共通要因故障で喪失した。この事故が深刻なのは、4トレイン全ての共通モード故障が起こりえたからであり、従って安全系の交流・直流電源4トレイン全ての喪失を帰結しえたからである。
事故の発端として、アークと2フェーズのショートが発生し、サポートメンテナンスの400キロボルト開閉所でブレーカーが開いた。電気的過渡事象のため電圧が公称電圧の約30%にまで落ち、ユニットはグリッドから切断された。さらに、電気的過渡事象のためメイン発電機で電圧が少し増加した。急な過大電圧のためインバータ4台中2台が故障し、従って2台の非常用ディーゼル発電機(EDG)がダウンして対応する母線に設計通り給電できなくなった。残りの非常用ディーゼル発電機2台は自動起動でき、バッテリーに電力を供給できた。
原子炉は無事スクラムして全制御棒が挿入された。制御室の運転員は喪失した電力供給2トレインに接続された制御室の表示機器類が生きていないという困難に直面した。更に状況を複雑にしたのは格納容器スプレイとECCSの起動であった。電力が復旧してから、運転員は格納容器スプレイとECCSを締めることができた。
開閉所での電気的過渡事象とその結果としてのプラントでの複雑な影響に関して、フォルスマルク1号の事業者による調査が進行中である。スウェーデン原子力施設検査局はこの事故をINESのレベル2に分類した。

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http://www.ski.se/extra/news/?module_instance=3&id=472
より


(仮訳)オリジナルをご覧下さい

400キロボルトの電源喪失およびその結果としてのA系統・B系統ディーゼル発電機の給電失敗について

2006年7月25日、フォルスマルク1号炉はフル出力運転中であったが、所外の400キロボルトの開閉所で擾乱が発生し、その結果原子炉がスクラムした。そのため原子炉への電源供給に関して2種類の過渡事象が生じた。1つは過大電圧で、A系統・B系統の220ボルト交流グリッドを支える2台のUPSの故障を招いた(共通要因故障である。ただしC系統・D系統は影響を免れた)。220ボルト交流電源は非常用ディーゼル発電機(EDG)の運転に必要なものである。もう1つは低周波数で、所外電源と安全系の母線が切断された。
過渡事象の結果、原子炉の部分スクラムを通じて原子炉出力が自動的に低下し、再循環ポンプの回転も低下した。ユニットはまもなく所内負荷運転に移行、その後、原子炉スクラム・格納容器隔離・原子炉安全系起動の信号を受信した。
4台の非常用ディーゼル発電機(EDG)は全て自動起動したが、EDG-AとEDG-Bは対応する母線に接続できなかった。バッテリーにバックアップされた220ボルト交流グリッドの同じ系統がダウンしていたからである。
この状況のなか、作動しているのは個々の安全システム4トレインのうち2トレインであった(補助給水システム、炉心注水システム、格納容器スプレイシステム)。しかし220ボルト交流母線2本の喪失は、隔離信号と、制御室での情報不足を招いた。22分後、運転員がA系統・B系統に所外電源を接続、原子炉の電源は回復した。のべ45分後、運転員は原子炉が安全・安定したシャットダウンモードにあることを確認できた。
原子炉の安全解析報告書(SAR)では、「外部電源喪失」と、安全システム一系統の同時喪失が仮定され解析されている。実際に起きた今回の事故シーケンスはSARで解析されている以上に深刻であった。
事業者は原子炉スクラムのあと速やかにスウェーデン原子力施設検査局(SKI)に報告を行なった。事業者はイベントチェインの或る部分の背後にある要因は一般性のあるものと早期に評価し、適切な時間内にスウェーデンおよびフィンランドの他の事業者に情報を提供した。
SKIは事故3日後の書簡で複数の事業者に対し、運転する原子炉が今回のような事故に耐えられるかどうか情報を報告するよう求めた。この要求の結果、オスカーシャム1号炉・2号炉は分析およびそれに伴う改善対策のため事故後1週間に停止した。フォルスマルク2号炉・リングハルス4号炉は毎年の燃料交換のためすでに停止中であった。
フォルスマルク1号炉の運転再開の前にはSKIの承諾が必要である。

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http://blog.livedoor.jp/aoyama211111/archives/2006-08.html#20060805

2006年7月25日、スウェーデンのフォルスマルク原発( http://www.forsmark.com )1号(BWR=沸騰水型炉/100.8万kW/1980年12月運転開始)で運転中に電源喪失事故が起きた(1986年、チェルノブイリ原発事故による放射能の放出拡散を検知したのがフォルスマルク原発である)。原発では運転に必要な電力を外部交流電源から得ており、外部交流電源が絶たれた場合には内部の非常用ディーゼル発電機などによって補うことになっているが、電源喪失は炉心冷却や計測制御に問題をもたらす。特に運転中に発生した場合はスクラムを成功させ、崩壊熱の除去を維持し、事態を収束させることが重要な課題となる。
情報は依然充分でないが、この日13時19分頃、フォルスマルク1号ではショートによる外部電源喪失が起き、電圧変化によるUPS(無停電電源)系統インバータの故障を通じて非常用ディーゼル発電機4台中2台も機能せず、内部電源も不足した(約23分後に手動で回復させた)。問題はもうひとつあり、タービンの回転数低下によってブレーカーが開かねばならなかったが開かなかったため、メイン電源ネットが切断されている。制御棒や再循環ポンプ、記録装置の系統にも影響が及び、制御室では計器表示による状況把握も困難になった(スリーマイルで起きたことと類似している)。重要な事故と受け止められており、他の複数の原子炉(オスカーシャム)も確認のため停止している。
最初の一撃に伴って外部電源と内部電源の一部(非常用ディーゼル-しかも複数-)が喪失してしまっている。高い信頼性・独立性をもつべき非常用電源が共通要因故障を起こしている点、制御室での状況把握にも困難をきたしている点に深刻さがある。制御室は大変な状況になったのではないか。回顧的に見れば事態は収束したが、必然的でなく不確実性があり、運転員には充分な時間と情報が与えられない。複数段階の防護が短時間に突破されており、残りのディーゼルも全て失敗するなどさらに危険な潜在性をもったシナリオへの分岐は紙一重である(同様の設計であるはずのディーゼル4台のうち2台がダウンし残り2台がそうならなかった理由は特定されておらず、事業者FKAは僅かな負荷の違いではないかとしている)。
欠陥部品は潜在していて事故が起きて始めて問題が明るみに出ることがある。かつてドイツの原発で同様のことが起きたといい(フィリップスブルク1号での1992年の事故……Nulceonics Week 2006/8/10……ただしFKAは性質が異なると主張)、あるメーカー(AEG)による機器に問題があることが既知であって、一部の炉では対策も施されていたとすれば、なぜ一部の炉では対策されていなかったのか、他の炉は大丈夫なのかが問題となる(問題の部品は運転開始当初からあったものではなく1993年頃に設置されたものであり、ミスマッチが生じた可能性がある……Nulceonics Week2006/8/17)。
発端となったショートのあと、複雑な連鎖が電気系統で起きており、運転中に行なわれたグリッドメンテナンスの妥当性やスクラム前後の原子炉自体の挙動とあわせて解明が必要であるが、電源喪失のため事故時の記録自体が充分に機能していない。初期段階で再循環ポンプの機能が落ち、部分的スクラムから全スクラムに移行(ただし制御棒位置を制御室で明瞭に把握できていない)、原子炉内の水位が下がり、圧力容器と格納容器への注水が行なわれたとドキュメントに記されている(水位は炉心の1.9メートル上で安定したとのことだが、事故時は水位の正確な把握自体が困難になっている)。
FKAやSKI(原子力施設検査局)も暫定的なドキュメントは公開しているが、未解明を自ら認めている点も多く、電気系統の設計のどこに問題があったのか、原子炉、制御室で何が起きたか、データを公表すべきである。
電気系統のトラブルは波及が速く、意図せざる結果をふくめ広範な影響をもたらしうる(2006年8月14日の東京停電でも、多重化されているはずの送電線が共倒れした)。システム的な将棋倒しは単一の原子炉に留まらず、他の原発の停止にも波及して、「安定供給」への疑問符をつきつけた(日本でも今夏、少なくない原発が停止している)。原発検査制度「合理化」の動きもあるが、日本でもこの事故を受けて非常用電源系統など電源喪失対策の再チェックをすべきである。

http://www.ski.se (スウェーデン語オリジナルの報告書)
http://www.ski.se/se/index_english.html
http://www.ski.se/extra/news/?module_instance=3&id=468 (このページの下部に英語によるドキュメントがある)
http://www.forsmark.com/templates/FKA_NewsPage.aspx?id=194
http://www.greenpeace.org/sweden/nyheter/forsmark-och-oskarshamn
http://www.bellona.no/nyheter/forsmark_uhell_svart_alvorlig
http://www.greenpeace.de/themen/atomkraft/nachrichten/

http://www-news.iaea.org/news/topics/topic/default.asp?topicID=817

http://www.neimagazine.com/story.asp?sectioncode=132&storyCode=2038313

http://www.duh.de/aktion.html?&no_cache=1&tx_ttnews[tt_news]=679&tx_ttnews[backPid]=6&cHash=0b3b91b4a3

http://www.nrc.gov/reading-rm/doc-collections/gen-comm/info-notices/2006/in200618.pdf

ドイツ環境省(連邦環境・自然保護・原子炉安全省)
http://www.bmu.de/pressemitteilungen/pressemitteilungen_ab_22112005/pm/37540.php
http://www.bmu.de/pressemitteilungen/pressemitteilungen_ab_22112005/pm/37542.php
http://www.bmu.de/pressemitteilungen/pressemitteilungen_ab_22112005/pm/37551.php


「原子力発電施設に対する検査制度の改善について(案)」に対する意見募集
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=620206011&OBJCD=&GROUP=

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English summary incident Forsmark 1
FORSMARK BWR/NPP UNIT 1 - Safety analysis report
(reference F1-2006 - 0699)

http://www.forsmark.com/templates/FKA_NewsPage.aspx?id=198

Loss of external power and loss of power supply from 2 of 4 diesel generators

(仮訳)オリジナルをご覧下さい

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外部電源喪失およびディーゼル発電機4台中2台からの電源供給失敗
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【サマリー】
7月25日、二段階のショートが発生した。そのとき400キロボルトのグリッドの開閉所で作業が行なわれていた。
フル負荷の状態で切断器が開き、アークとショートを起こした。
ブレーカーが原発の発電機の接続を切り、制御棒の一部分が自動挿入された。
再循環ポンプがrun-backしはじめ、所内負荷タービン電源供給へと移行した。
起因事象からまもなく原発はスクラムし、格納容器が隔離された。
内部グリッド(500ボルト)の4系統中2系統が約22分間、電源供給を絶たれた。
500ボルトのディーゼル母線が手動で6キロボルトのシステムに接続され、メイン内部グリッドはすべての系統で電源供給を回復、安全な状態に安全に移行した。
起因事象からまもなく、スクラムの前、タービン1つがトリップした。制御バルブシステムの水圧低下のためであった。
タービンの回転速度は2820rpm(回転/分)に低下したが、それによって低周波数(47.5ヘルツ)のため発電機のブレーカーが開かねばならなかった。
しかし発電機のブレーカーは開かず、ディーゼル発電機に保護されたメイン電源ネットが切断された。
電気系統の過渡状態の間、UPS(無停電電源)2基が駄目になった。
UPSは色々な系統を保護しているがとりわけディーゼルエンジンへのスピード速度測定制御ロジックを保護しており、ディーゼルエンジンは起動失敗した。
電源喪失により、2台の補助給水ポンプが駄目になった。
2台のUPSのダウンにより、220ボルトの内部グリッド2系統がダウンした。
電源喪失のため、220ボルトのグリッド(4系統中2系統)に支えられた以下のコンポーネントがフェイルした。
・センサ、トランスミッタ、コントローラ、イベント記録(Sensors, transmitters, controllers and event registrations)
・コントロールルームにおける表示メータ類および運転管理能力(Indicators and supervision possibilities in the control room)
・制御棒微少駆動装置(水圧スクラムシステムによって全ての制御棒が挿入された)(Fine motion control rod drives (all rods were inserted by the hydraulic scram system))
・電動の仕切り弁と圧力逃し弁の操作時間が延びた。(Motorized isolation and pressure relief valves had extended operation times)
・4台の再循環ポンプのモータードライブがトリップした。(The motor drives of four recirculation pumps tripped)

【分析】
400キロボルト開閉所の保護システムが設計仕様通りに動作しなかった。
そのため電力変動の規模が想定よりも過大になった。
もしブレーカーが設計通りもっと早く開いていれば、ショートは100ミリ秒以内に隔離されて、挙動は「正常」だっただろう。
そうすれば変動はUPS2台に影響しなかったであろう。
電力変動の規模が想定よりも高かったため、標準UPSの整流器とインバータ両方で、コンポーネント保護の設定値が突破されてしまった。
発電機周波数保護ブレーカー(<47.5Hz)が設計エラー2005のためフェイルした。
まずいことに事態は次の段階に移行した。
周波数保護システムの挙動がフェーズによって異なることの重大性が、設計においても設置においてもコンポーネントテストにおいても認識されていなかった。
通常(すなわち他のコンポーネントにおいて)はフェーズ・テストは当然実施される。
もし周波数保護システムが適切に動作していれば、外部70キロボルトグリッドからの電源供給は自動的に、内部電源供給システムへと早めに接続されていただろう。
電源喪失は分単位でなく秒単位で収まったことだろう。
起因事象の間、再循環ポンプ4台がトリップした。
しかし過渡事象は苛酷でなかった。
過渡事象のあいだドライアウトは起きなかった。
ポンプのモータードライブの挙動の理由は分かっていて、200ボルトグリッドの喪失のためである。
過渡事象の間、原子炉圧力容器内部の圧力は約30分間、6気圧に低下した。
圧力容器の水位は炉心燃料の1.9メートル上で安定した。
圧力の関係で飽和温度が低下。圧力容器と内部コンポーネントの温度遷移budgetに影響した。
この温度遷移は原子炉圧力容器のライフタイムの間に25回以上は起きないと計算された。

【1号炉の運転再開および2号炉の定期検査からの運転再開に先立って行なわれるべき対策と評価】
・UPSの整流器の内部外部の保護装置の設計変更。
・発電機ブレーカーの周波数保護装置の設置を改善。フォルスマルク2号炉にも同じ問題が存在すれば、同様に改善。
・電気システムの保護装置の選択性の問題を広い視野で評価する。
・2系統のディーゼル発電機のスピード測定装置にパラレルな電源供給を設置する。


【長期的対策】
・2系統のディーゼル発電機のスピード測定装置にパラレルな電源供給を設置する。
・400キロボルトグリッド開閉所のショート(?)保護の検証。
・事故中の制御室の状況の精査とそれにもとづいた勧告。
・安全解析書および指示訓練の不適切さの改善。
・制御室のディスプレイやシグナル、イベント記録に関するエンハンスメントの検証。
・ディーゼルで保護されたグリッドに接続されたブレーカーが電源喪失時に自動的に復活するかの検証。
・フェーズ生起順序依存性に関するテスト手順の訂正。
・400キロボルトグリッドでの作業に関する手順と設備の検証(SVKスウェーデン配電ボード)
・タービントリップ後の発電機ブレーカーの最適挙動に関する検証。
・過負荷に対する防護を拡張することが必要かの検証。


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【スウェーデンの原発】

※運転・停止状況は http://www.ski.se にある。

フォルスマルク1/BWR/100.8万kW/1980.12.10運転開始……事故で停止
フォルスマルク2/BWR/100.8/1981.7.7……定検で停止中
フォルスマルク3/BWR/119.0/1985.9.1……運転中

オスカーシャム1/BWR/46.5/1972.2.6……確認のため停止
オスカーシャム2/BWR/63.0/1974.11.……確認のため停止
オスカーシャム3/BWR/120.5/1985.8.15……運転中

リングハルス1/BWR/86.5/1976.1.……運転中
リングハルス2/PWR/91.0/1975.5.……運転中
リングハルス3/PWR/96.5/1981.9.9……運転中
リングハルス4/PWR/96.5/1983.11.21……定検で停止中


【電源喪失事故の例】

1975年3月22日・アメリカ・ブラウンズフェリー1号(BWR)
1975年12月7日・東ドイツ・グライフスヴァルト1号(VVER)
1976年8月10日・アメリカ・ミルストーン2号(PWR)
1977年9月1日・アメリカ・ドナルド・C・クック(PWR)
1978年3月・アメリカ・TMI2号(PWR)
1978年7月28日・アメリカ・ビーヴァーヴァレー(PWR)
1980年1月・ソ連・クルスク(RBMK)
1981年1月2日・アメリカ・ミルストーン2号(PWR)
1983年5月17日・アメリカ・フォート・セイント・ヴレイン(HGTR)
1984年4月14日・フランス・ビュジェイ5号(PWR)
1985年11月21日・アメリカ・サンオノフレ1号
1985年12月26日・アメリカ・ランチョセコ(PWR)
1986年7月7日・日本・大飯1号(PWR)
1988年2月1日・日本・浜岡1号(BWR)UPS故障による再循環ポンプ停止
(1989年4月15日・フランス・ラ・アーグ再処理工場)
1989年8月13日・アメリカ・ナインマイルポイント2号(BWR)
(1991年2月13日・日本・東海再処理工場)
1990年3月20日・アメリカ・ヴォグトル1号(PWR)
1991年4月23日・アメリカ・バーモントヤンキー(BWR)
1991年8月13日・アメリカ・ナインマイルポイント2号(BWR)
1992年4月2日・アメリカ・クォドシティーズ1号(BWR)
1992年10月19日・アメリカ・オコニー(PWR)
1992年11月17日・ロシア・コラ1号(VVER)
1993年2月2日・ロシア・コラ(VVER)
1993年3月31日・インド・ナローラ1号(PHWR)
1996年6月29日・アメリカ・プレーリーアイランド2号(PWR)
(1998年1月25日・日本・高レベル放射性物質研究施設)
2001年2月3日・アメリカ・サンオノフレ3号(PWR)
2001年3月18日・台湾・馬鞍山1号(PWR)
→報告書(写真つき)あり
http://www.aec.gov.tw/upload/1032313932318.pdf
http://www.aec.gov.tw/upload/1032313985318Eng.pdf
2002年5月5日・フランス・フラマンヴィル(PWR)
2003年8月14日・カナダ・ピカリング(CANDU)
2004年5月5日・アメリカ・ドレスデン3号(BWR)
2004年6月14日・アメリカ・パロヴェルデ(PWR)
2004年8月13日・アメリカ・ブランズウィック1号(BWR)
2004年9月25日・アメリカ・セイントルーシー(PWR)
2006年5月20日・アメリカ・カトーバ1・2号(PWR)
2006年7月29日・アメリカ・エンリコフェルミ(BWR)

【日本の原発での非常用ディーゼル発電機の問題の例】

(1981年7月6日)福島第一6号炉でディーゼル発電機海水冷却配管から海水漏れ。原子炉安全保護系の電源が喪失。
(1988年8月12日)敦賀2号炉で非常用ディーゼル発電機冷却器細管から冷却水漏れ。運転続行しながら修理。
(1996年9月7日)浜岡3号炉の非常用ディーゼル発電機電源室でケーブル火災。
(1997年7月10日)東海第二で、非常用ディーゼル発電機補給用軽油貯蔵タンクから油漏れ。12日に原子炉手動停止。
(1998年11月10日)敦賀2号炉で非常用ディーゼル発電器1台が自動停止。
(1999年2月1日)敦賀2号炉で、非常用ディーゼル発電機配管に海水の漏れ込みを発見。
(1999年6月14日)志賀1号炉で、非常用ディーゼル発電機のクランク軸にひび割れを発見。
(1999年11月26日)伊方3号炉で、非常用ディーゼル発電機に異常があり手動停止。点検時に使用したスポンジが配管内に残留。
(2002年12月6日)敦賀原発で非常用ディーゼル発電機の油漏れがあり、一時「待機除外」に。
(2003年10月16日)高浜2号炉の非常用ディーゼル発電機に異物が混入、機能検査で不起動。
(2004年1月14日)福島第一1号炉で、非常用ディーゼル発電機ノズル部にひびが貫通。冷却水飛散。
(2004年9月7日)福島第一1号でディーゼル発電機の定例試験中で所内電源に接続できず。
(2005年1月19日)伊方3号で非常用ディーゼル発電機の海水流量計の検出配管から海水漏れ。
(2005年8月6日)福島第一3号で定例試験中のディーゼル発電機から燃料油漏れ。

原子力市民年鑑などをもとに編集)

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(粗訳)
フォルスマルク原発1号に関するSKI緊急調査
(速報としての仮訳で不正確がありえますので必ずオリジナルをご覧下さい)

http://www.ski.se/extra/news/?module_instance=3&id=468
に掲載のImmediate SKI review at the Forsmark 1 unit(PDF)
より

【サマリー】

開閉所でのショートとそれによるフォルスマルク原発1号炉での厄介な事故のあと、何が起きたか、その帰結と対策について独自の見地を得るためSKIはレビューを行なった。
当面の情報に部分的にもとづきつつSKIが判断したところでは事業者FKAはきわどい緊急事態に対して適切に対処したようである。
現時点の情報によればさらに、FKAは事故の原因を解明し、指導された対応策を実現するため積極的に行動しているといえる。
この事故では、安全にとって死活を制する機器が共通要因故障によって共倒れした。
この事故の深刻さに関するFKAの評価は適切であるとSKIは考える。
このSKI文書は、安全状態の評価、運転再開に関する決定の評価、プラントの冗長性の評価など幅広い視野からの評価のためどのような分析がFKAの報告書に必要最低限ふくまれねばならないかの評価を提供する。

【背景】

7月25日、フォルスマルク原発1号炉の所外の400キロボルトの開閉所でショートが起きた。
そのため原発は緊急停止したが複雑多様な事故の展開を伴っていた。
SKIには直後にスクラムに関する報告がなされた。
翌日、追加的情報がSKIに報告された。
この事故の評価は容易でないと考えられるためSKIはいわゆるRASKレビューを実施することを7月26日に決定した(短期的で短いレビューでSKIによってただちに開始され同原発を訪問したSKIスタッフによる)。


【目的】

目的は以下の点を明らかにすることである。
・何が起きたか。
・この事故の帰結と安全面での重大性。
・根本的原因。
・事故再発防止のため改善すべき範囲(作業方法の改善を含む)。事業者による事故対応。そして対応は運転継続のために充分なものであったか。


【方法】

このRASKレビューはSKIのスタッフによって実施された。
原発訪問は7月27日に行なわれた。
SKIはまずFQ部(事業者内部の安全部署)から、どのように事故を評価したのか報告を受けた。
次にSKIはフォルスマルク原発1号でのミーティングに参加した。
またSKIは事故時に運転に当たっていた当番のシフトのトップ技術者から聞き取りを行なった。
さらにSKIはフォルスマルク原発2号と3号の責任者と個別にミーティングを行なった。
事故後の調査作業はFKAにおいて行なわれている途上であり情報は暫定的で不完全であることに注意されたい。


【事故の時系列】

暫定的な時系列がSKIに提出された。
しかし原子炉で事態がどう推移したかの情報は得られなかった。
訪問中に得られた情報から時系列を描くと以下のとおりである。
ショートによって原子炉をグリッドから切断したあと、部分的なスクラムが起こり、2つのタービンが短時間で所内負荷運転に移行した。
タービンがトリップしたあと原子炉がスクラムした。
安全回路(原子炉保護システムであるシステム516)における数多くの部分がトリップした。I-isolationとN-chainなど複数である。
原子炉スクラムはWRNMによって観察することができた。しかし制御棒位置の表示は、電力供給が部分的に喪失していたため不明瞭であった。
システム327(補助給水系2×22.5kg毎秒)のラインのうち2ラインを使って水が注入された。
再循環ポンプ8台のうち4台が作動していた。
システム314にある2つの圧力逃し弁を使って、原子炉の蒸気圧が凝結プールに解放された。N-chainを通じて解放された自動減圧システム(約2×50kg毎秒)である。
原子炉内部の圧力と水位が低下した。
炉水レベルの表示が不明瞭になった。電源喪失でアクチュエータが動かなくなったためである。
事故発生20分後、水位は2メートル下がり、圧力は12バールに下がった。
圧力が減少した短時間、緊急冷却システム(隔離信号とともに起動していた)が原子炉圧力容器に水を注入した。
格納容器の撒水装置も起動した。
当直チームは事故時手順書(EOP)に従って、水位が1.1メートルに下がったら自動減圧システムを作動させるようにするため原子炉圧力容器水位をチェックした。
23分後に当直チームは、動かない2基のディーゼルを手動で起動させられるかもしれないと気づいた。このあと、事態は目に見えて安定した。
6キロボルトの母線はすでに運用可能であった。
隔離信号をクリアし、格納容器の撒水を止めるという判断をすることができた。
原子炉は温態停止となった。
事故時のチームが次のチームに引継ぎをしたあと、事故時のチームの班長はチームと報告会を行なった。
SKIの結論としては、冗長性のある重要なコンポーネントが事故によって悪影響を受けた。すなわちUPS(無停電電源)からのバッテリーで保護された500キロボルトの母線に電源を供給する直流交流インバータである。
これは共通要因故障を意味する。
失敗した2系統のみならず残りの2系統もダウンしていたなら、バッテリーで保護された回路をふくめて全電源喪失となっていただろう。
これは安全解析書で想定されているよりさらに深刻な事態である。
SKIの訪問中、2系統がダウンして残り2系統がそうならなかった明白直接な原因は不明であった。
SKIはさらに以下のとおり報告する。
・事故時系列を評価する作業は情報入手の困難にもかかわらずよく記述されているようである。
・しかし原子炉自体での現象に関する記述は不十分である。
・きわめてわかりにくいディスプレイ表示やダウンしたコンピュータ画面、混乱したスピーカーの雑音などにもかかわらず、コントロールルームの運転員は指示訓練に従って行なうべき仕事を行なったようである。
・1号のコントロールルームは2号・3号のコントロールルームから有益な支援を得た。
・当直チームの班長技術者は予定より1時間早く、次の当番チームを招集した。
・そうした理由は、前もって次のチームが事故について情報を確実に得られるようにしておくためと、当直チームが任務を完了できるか不確実であると班長技術者が判断したためである。


【事故原因と寄与条件の可能性】

起因事象は、SVK(国内送配電網を管理運営している会社)のメンテナンス作業に関連して発生した。このときフォルスマルク2号炉は燃料交換のため運転停止中であった。
SVKは作業手順を文書化してFKAに伝達した。
このときFKAはメンテナンスがその時点で行なわれるということに対して何らかの反応をすることができたしそれまで別のケースではそうしていた。しかし今回は反応してメンテナンス作業を延期するよう申し入れる必要はなかった。
開閉所でのショートの原因はまだ特定されていない。SVKはこの擾乱に関して報告書を出さねばならないが出していない状態である。
不安定だったのはおそらく70キロボルト回路である。
この点はSVKの確認をまつことになる。
70キロボルト回路での電圧不安定は6キロボルト回路の不安定をも招いた。
自動スイッチが500ボルト回路を接続しようとしたとき6キロボルト回線は余りに不安定な状態であり、次に自動スイッチはディーゼルから500ボルト回路に給電しようとした。
事故時の事態の展開の完全なイメージを束ねあわせ確認することが決定的に重要である。
バッテリーで保護された母線のうち2つがダウンした理由は、暫定的な分析によれば、過渡的な電圧変化が整流器とインバータをトリップしてしまった。それは、事業者FKAによれば、設計ミスのためである。
インバータは正常に作動してバッテリーから500キロボルト回路に電気を供給できるようにせねばならなかった。
防護装置の設定はこれらを選択的に片方だけトリップさせるようになっていなければならなかった。バッテリー電圧から500キロボルト回路への直流交流コンバータが防護されているようにするためである。
UPS(AEG製)は1993~94年頃に設置された。それ以前の回転変圧機に対する改善としてである。
AEGから事業者FKAへの情報(未確認)によると、ドイツのある原発で似たような現象が起きたことがある。AEGはこの問題を認識しており、再発防止策をとった。
このことからわかるのは、経験フィードバックとの関連で手順や実践の在り方がチェックされねばならないことである。
問題のひとつはイベントリストが完全にはほど遠いことである。
多くのイベントについて、記録されてはいるが時刻の記録がなく、いくつかのイベントについてはまったく記録されていない。
従って、時系列を調査するためには洗い直す作業が必要になる。


【事業者による安全面での重要度の判断、そして即座の行動と計画された行動】

事業者FKAはこの事故がSKIの規制においてカテゴリー1にあたると判断した。従って運転再開にはSKIの判断が必要となる。
上述のとおり、電圧変化に関する設計がインバータと整流器のダウンを招いたが、FKAの判断によればそれは設計ミスによるものであった。
FKAはそれを改善するとしている。
同じ機器が2号炉にも設置されているため、事業者FKAは2号炉に関しても同様に改善を行なわねばならないだろうとしている。
3号炉については同様の問題が存在するかどうかの調査中である。
ディーゼルの同時起動に関して、3号炉関係者によると3号炉は別のソリューションを採用しているので、同様の状況のもとでもすべてのディーゼルが同時起動できたであろうという。
事業者FKAの判断では、この問題は一般的なものであり、この事故に関連して、スウェーデン国内の他の事業者に通知が行なわれるべきはもちろん、フィンランドの事業者TVO(F1・F2として同じ種類のBWRを所有)に対しても通知されねばならない。


【事業者の行動が短期的に充分であるかに関するSKIの判断】

FKAの作業の目的は、可能な限り完全な事故時系列の記述を提出し、外部送電網の喪失のもとでも電源供給が絶たれないことを確実にするためプラントを改善する作業を準備および実行することである。
事業者FKAは報告書において、すべての決定的な側面に関する包括的な時系列のみならず、タービンシステムや原子炉システムなど各種の部分がどのような影響を受けているかをも明らかにすることが不可欠である。
報告書においては、原子炉保護システム(516システム)に対する複雑な影響に関しても記述されねばならない。
スクラムに必要な条件が駄目になっていたらどうなったか? 防護システムは役割通りに機能したか? あるシステムが役割通りに機能したとしてもそれで良かったか?
バッテリーで保護された回路がダウンすることを防ぐ対策について上述したが、現時点ではそれが決定的に重要であろう。
この事故は非日常的なものでありフォルスマルクの労働者に巨大なプレッシャーをもたらした。
今回の事故に関係ある人々が十分な報告徴収を受けたかどうかはSKIの見るところ自明ではない。


【今後の行動に関するSKIの判断と勧告】

SKIの判断では、事業者FKAは少なくとも以下の範囲について分析を提出し、運転再開に先立つ安全性の評価および広い視野でみた原子炉の冗長性の評価に関して材料を提供するべきである。
・事故時系列。プロセスシステムと制御系に対する電力供給の詳細。
・電圧変化。原子炉再起動の準備や、電力水準への依存の可能性との関係。記録された過渡変化に関する検証。
・電圧変動にさらされうる施設機器の寸法決定必要水準の記録。
・現在のUPS設計は電源供給を保護するため充分な冗長性を備えているか?
・広い視点からみた、電力システムの防護機器の選択性の問題。
・運転者の観察と経験は短期的・長期的にどのように考慮されているのか?



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(粗訳)
暫定的時系列……2006年7月26日18時45分
(速報としての仮訳で不正確がありえますので必ずオリジナルをご覧下さい)

http://www.ski.se/extra/news/?module_instance=3&id=468
に掲載のPreliminary course of events(PDF)
より


・7月25日13時19分頃、400キロボルトの開閉所の切断スイッチが開いた。続いてフレーム・アークが発生しショートと接地が生じた。フレーム・アークの原因は不明である。"left behind, and forgotten"の接地とは関係がない。

・電圧低下によりブレーカーが切れた。発電機の電圧は300ミリ秒のあいだ公称電圧の30%にまで低下した。発電機での励磁が電圧低下を補う挙動をし、ブレーカーが切れたとき発電機の母線では電圧が120%の過大電圧になった。過大電圧は1000ミリ秒後に通常レベルに復した。このため主再循環ポンプの回転速度が自動的に低下し、部分的スクラムがかかった。

・過大電圧が意味しているのは、システム655のA系統・B系統のUPS(無停電電源)インバータの内部ブレーカーが落ち、続いて埋め込みの電気スイッチを通じて変動が起きたということである。C系統とD系統のインバータは切れなかった。このように別々のことが起きたのはおそらく母線にかかった負荷の違いによるのだろう。インバータが切れたということは、正常な電力供給母線(この場合ディーゼル発電機母線)が働かなくなった状況のもとではバッテリーからの給電ができないということであった。

・起因事象発生約4秒後、タービンひとつがトリップした。原因は石油ポンプが停止したことで、それは恐らく電圧低下のためである。タービントリップ後、70キロボルト回路に変動が起きた。この変動は明示的でなく発生したが、恐らく電圧が不安定になっていた。

・27~28秒後、もうひとつのタービンがトリップした。原因はよくわかっていない。

・バッテリーで保護された500ボルトの直流システム656の2本の母線(UPSコンバータシステム655から電力供給されていた)が機能しなくなったとき、I-isolationが有効になった。原子炉水位計へのトランスミッタへの電力供給が喪失した。このことから原子炉がスクラムした。

・6キロボルトの通常回路からディーゼル母線へのブレーカーは事故発生後35秒間、全系統でトリップした。恐らく6キロボルト母線の電圧が85%未満に低下したためである。こちらの原因は恐らく、70キロボルトの電力供給のふらつきのためである。このあとC系統とD系統はそれぞれのディーゼル発電機から電力を供給された。

・A系統とB系統では、システム655のUPSコンバータがトリップし、ディーゼル母線が落ちていたので、ディーゼルはフル出力に達することができなかった。タコメーター発電機が電力供給されなくなったためである。制御装置はディーゼルが起動したことを検知せず、ディーゼルはディーゼル母線に給電しなかった。そして起動に時間がかかりすぎたのでトリップした。

・事故発生約20分後、A系統とB系統のディーゼルは手動で起動された。6キロボルトの母線は稼働状態となり安定した。

・400キロボルトの開閉所はSVK(スウェーデン国内の送配電網を管理運営する会社)によって稼働可能と認定され、400キロボルト回線は再起動された。開閉所は、壊れてしまった切断スイッチなしでも機能した。現時点では切断スイッチがいつ修復されるのかは不明である。

・事故後、フォルスマルク1号炉は7月27日午前まで温態停止であった。7月27日午前、冷態停止となった。

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The Forsmark incident 25th July 2006
 
 
An incident occurred at 13.20 on Tuesday 25th July 2006 at Forsmark 1, which was then in operation at full power, 990 MW.
The origin of the incident lay in a short circuit in the 400 kV switchyard outside the plant. It resulted in severe voltage fluctuations which, in a complicated manner, spread into several of the electrical
systems in the plant.

At the time, Forsmark 2 was shut down for refuelling and maintenance. Forsmark 3 was operating at full output, but was not affected by the fault, as it is connected to another switchyard.


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SIGNIFICANT LOSS OF SAFETY-RELATED
ELECTRICAL POWER AT FORSMARK, UNIT 1, IN SWEDEN

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