: WHO 飲料水水質ガイドライン
Guidlines for drinking-water quarity
第3版 (第1巻)
社団法人 日本水道協会
122p/572p
http://whqlibdoc.who.int/publications/2004/9241546387_jpn.pdf
5.5.1 コミュニティーおよび消費者との相互関係
コミュニティー参加は、特にコミュニティーおよび自家給水のサーベイランスにおいて望ましい
要素である。改良された飲料水供給システムの主要な受益者として、コミュニティー構成員は意思
決定に参加する権利を有する。コミュニティーは、地域における知見と経験を引き出すための資
源である。彼らは、飲料水供給に関する問題に最初に気づく人たちであり、それゆえ、どのような
時に早急な是正措置が必要であるかを指摘することができる。情報伝達戦略は、以下のことを含
まなければならない。
日本の政治・行政は、主権者国民の基本的な人権を棄損し、生命や生活の安全を破壊している。
悪魔のような政治・行政がなされている。
主権者国民は、これらの不正義、不全性を断罪すべきである。
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世界の水道水放射線基準値(菜食文化研究会)+アメリカの基準からは約2700倍(@39chiro)
http://www.asyura2.com/11/genpatu8/msg/423.html
http://carrotjuice.sblo.jp/article/43968256.html 2011年03月23日
世界の水道水放射線基準値
世界の水道水の放射線基準値は下記のとおりです。●世界の基準値
WHO基準 1ベクレル(Bq/L)
ドイツガス水道協会 0.5ベクレル(Bq/L)
アメリカの法令基準 0.111ベクレル(Bq/L) ●3/17までの日本の基準値
ヨウ素 I-131 10ベクレル(Bq/L)
セシウムCs-137 10ベクレル(Bq/L )
出典は下記です。203-204ページ、表9-3参照
http://whqlibdoc.who.int/publications/2004/9241546387_jpn.pdf
日本には放射能に関する飲料水基準は無く
世界保健機関(WHO)基準相当を守っていました。
飲料水中の放射性核種のガイダンスレベル(WHO) です。しかもセシウム-134とセシウム-137の合計値が370Bq/kg。
基準値を超える物は輸入させないというものでした。 愛知県衛生研究所 2006/04/28
http://www.pref.aichi.jp/eiseiken/4f/chernobyl.html
食品中の放射能濃度の暫定限度は、日本の国民一人一日当たりの
輸入食品の摂取量を考慮した上で、放射線防護の国際専門機関である
国際放射線防護委員会(ICRP)の1990年勧告
「公衆の被ばく線量限度は1年間に1ミリシーベルト」
も十分に下回る量として設定されています。
●3/17以降・現在の日本の暫定基準値
・ヨウ素(I-131)131 300ベクレル(Bq/L)
飲料水 300 Bq/kg
牛乳・乳製品 300 Bq/kg
野菜類 (根菜、芋類を除く。 ) 2,000 Bq/kg
・セシウム(Cs-137)137 200ベクレル(Bq/L)
飲料水 200 Bq/kg
牛乳・乳製品 200 Bq/kg
野菜類 500 Bq/kg
穀類 500 Bq/kg
肉・卵・魚・その他 500 Bq/kg
※100 Bq/kg を超えるものは、乳児用調製粉乳及び
直接飲用に供する乳に使用しないよう指導すること。 厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知
平成23年3月17日付「食安発0317第3号」によって
放射能汚染された食品の取り扱いについて下記のとおり
飲食物摂取制限に関する指標が明示されました。緊急時における食品の放射能測定マニュアルの送付について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r9852000001559v.pdf
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http://green.ap.teacup.com/pekepon/370.html
世界の基準値
WHO基準 1ベクレル(Bq/L)
ドイツガス水道協会 0.5ベクレル(Bq/L)
アメリカの法令基準 0.111ベクレル(Bq/L)
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WHO 飲料水水質ガイドライン
http://whqlibdoc.who.int/publications/2004/9241546387_jpn.pdf
Guidlines for drinking-water quarity
第3版 (第1巻)
社団法人 日本水道協会
Published by the World Health Organization in 2004
under the title Guidelines for Drinking Water Quality, Volume 1, 3rd edition
©World Health Organization 2004
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http://infosecurity.jp/archives/8779
WHO飲料水品質基準=10ベクレル(Bq/L)、日本の飲料水品質基準=300ベクレル(Bq/L)
[WHO飲料水品質ガイドライン]
-以下、WHO飲料水品質ガイドラインの第9章 放射線学的観点より抜粋-
単一試料についてこの合計が1を超えており、これらと同じ測定濃度の被ばくが丸1年間続いていた場合に限って、RDL 0.1mSvを超過していたと見なされる。したがって、このような試料は、それ自体で、その水が飲用不適であることを意味するわけではないが、追加して試料採取を行うなど、さらに調査する必要があることを示すものと見なすべきである。全βおよび全α放射能のスクリーニングを最初に繰り返して行うべきであり、続けて測定したこれらの値が、ここで勧告する実務上のスクリーニング値(それぞれ、1Bq/Lおよび0.5Bq/L)を超える場合に限って、個々の放射性核種についての分析を行うべきである。防除手段
総計としてRDL 0.1mSv/年を超える場合には、線量を低減させるために担当官署に与えられた選択肢が試されるべきである。防除手段につき考慮する場合、それがどのような方法であっても、まずその正当性を確認(それが正味の便益をもたらすことという意味において)してから、ICRP勧告(1989, 1991)にしたがって正味の便益を最大にするための最適化を図るべきである。
[WHO飲料水品質ガイドライン-スクリーニングレベル]
WHO飲料水品質ガイドラインでは、全放射能を繰測定して、全α放射能では0.5Bq/L 、全β放射能では1 Bq/L を超える場合、個々の放射性各種濃度の測定およびガイダンスレベルとの比較を行うべきであるとされている。
飲料水の核種ごとの摂取基準
飲料水の核種ごとの摂取基準は、
ヨウ素-131 10Bq/L
セシウム-137 10Bq/L
pdfファイルwhqlibdoc.who(230ページ、表9-3)
ガイドラインは、平常時の運転条件に適用するものとされており、現在の緊急事態時との違いの考慮も必要だが、日本では放射性ヨウ素-131(131I)が300Bq/kg以上、放射性セシウム(Cs)が200Bq/kg以上となっている。(2010年4月4日時点)。
[pdfファイル-厚生労働省:飲食物摂取制限に関する指標-平成23年3月17日]
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r9852000001559v.pdf
ベクレル(Bq)
ベクレルは、放射性物質が放射線を出す能力を表す単位。放射線は、不安定な放射性物質が壊れることによって放出されるが、「ベクレル」は、1秒間に放射性物質が壊れる数(崩壊数)を表す。
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http://whqlibdoc.who.int/publications/2004/9241546387_jpn.pdf
WHO 飲料水水質ガイドライン
http://whqlibdoc.who.int/publications/2004/9241546387_jpn.pdf
Guidlines for drinking-water quarity
第3版 (第1巻)
社団法人 日本水道協会
Published by the World Health Organization in 2004
under the title Guidelines for Drinking Water Quality, Volume 1, 3rd edition
©World Health Organization 2004
以下抜粋:
PDF 572p : p 224 ~ p236
第9 章 放射線学的観点
本章の目的は、放射性核種に関する飲料水の安全性を評価するための基準を設定することで
ある。本ガイドラインでは、自然由来の放射性核種と人工的な放射性核種を区別していない。
本ガイドラインの初版で勧告された飲料水中の放射能のガイドライン値は、放射線の線源から
の被ばくリスクおよび放射線に被ばくした場合の健康影響に基づいている。本ガイドラインの第2
版では、1990年の国際放射線防護委員会勧告( International Commission on Radiological
Protection:ICRP)(ICRP, 1991)を取り入れている。この第3版では、長期被ばくおよび線量換算
係数に関するICRPの報告を含めた最近の進展を取り入れている。
放射線による危害は、飲料水中の放射性物質(化学物質)から放出される電離放射線によりも
たらされる。飲料水によるこのような危害が公衆衛生上重大となることはまれであるが、飲料水による放射線被ばくは、他の線源による被ばくと並行して評価されなければならない。
放射線による危害を制御するための本ガイドラインで取り上げられるアプローチは、以下の2段
階である。
- 放射能濃度(Bq/Lの単位による)が、さらに対策を取る必要があるレベル以下であるかどう
かを判断するための、全αおよび全β放射能の初期スクリーニング
- これらのスクリーニングレベルを超過しているなら、個々の放射性核種の濃度の調査、およ
び、各種放射性核種濃度のガイダンスレベルとの比較
地下水に由来する飲料水中のラドンによるリスクは、全吸入ラドンによるリスクに比べて一般に
低いが、溶存ガスの摂取と、放出されたラドンおよびその娘核種の吸入の双方により被ばくするの
で、そのリスクは明白である。最大の被ばくは、一般的な環境からの吸入と地殻に由来する線源
からの吸入であり、ガスは特に地下室などの住居内にも侵入する。地下水に由来するラドンの全
体に占める割合は通常小さいが、地下室へラドンを放射するその地域の堆積物の指標となるであ
ろう。
スクリーニングレベルおよびガイダンスレベルは、既存のまたは新規の飲料水供給における日
常の(「正常な」)運転条件に適用される。これらは、環境中に放射性核種が放出されているような、緊急時で汚染を受けている水供給に適用されるものではない。緊急時のガイダンスレベルと一般的な対策レベルについては、他の資料(IAEA, 1996, 1997, 1999, 2002)に示されている。
本ガイドラインは、以下のことに基づいている。
- 1年間の飲料水摂取による(1年間の飲料水摂取を通してあり得る全放射能汚染による)預
託実効線量の勧告参照線量レベル(RDL)0.1mSv。これは、長期被ばく、すなわち、一般大衆が飲料水を長期にわたり摂取するような状況(ICRP, 2000)に関して、主要商品(例えば、食品および飲料水など)に対してICRPが勧告している介入免除レベルの10%に相当する。RDL 0.1mSvは、ICRP(1991)並びに国際基礎安全基準(International Basic Safety Standards: BSS)(IAEA, 1996)が勧告する一般住民の線量限界値の10%にも相当する。これらは、ほとんどのWHO加盟国、ヨーロッパ委員会、FAOおよびWHOにより受け入れられている。
- ICRPにより示されている成人の線量換算係数
飲料水からの放射性核種の摂取に関する年間線量0.1mSvの被ばくによる付加的健康リスクは、
以下の理由により低いと考えられる。
• 全集団に対する致命的ながん、非致命的ながんおよび重度の遺伝的影響を含めた、放射
線によるものとして推計される健康影響の正規確率係数は、7.3×10-2/Sv(ICRP, 1991)で
ある。これに、飲料水による年間被ばく量0.1mSvのRDLを掛けることにより、推計学的健康
影響の推定生涯リスク10-5が得られ、この値は他の健康リスクに比べると低いと考えられる。
このリスクレベルは、本ガイドラインの他の箇所で用いられている参照リスクレベルと同程度
である。
• バックグラウンド放射線被ばくは地球上の地域によって大きく変化するが、その平均は約
2.4mSv/年で、明らかな健康影響はないものの最高地域レベルはこの10倍にも達する。し
たがって、0.1mSvは、バックグラウンドレベルに比べてごくわずかの増加にしか過ぎない。
• 低レベルの放射線被ばくによるリスクの判定には不確実性があるが、放射線によるリスク
は、飲料水中の微生物やある種の化学物質によるものに比べておそらく十分に低い。
9.1 放射線被ばくの線源と健康影響
環境中の放射線は、多くの自然由来および人工の線源によるものである。放射性物質(例えば、
ウラン、トリウム、カリウム-40など)は環境中のどこにでも自然に存在する。放射線によるヒトの被ばくうち最も大きな部分は、自然線源からのもの-宇宙線および地殻放射を含めた外部線源によるもの、並びに、放射性物質の吸入または摂取によるもの-である(図9.1)。原子放射線の影響に
関する国連科学委員会(United Nations Scientific Committee on the Effects of Atomic Radiation:
UNSCEAR)(UNSCEAR, 2000)では、自然線源からのヒトの年間被ばく量の世界平均は2.4mSv/
年であると推定している(表9.1)。一部の線源(例えば、ウランなど)は、鉱業およびその他の産業
活動による抽出の過程で濃縮されることがある。
ヒトの放射線による被ばくは、海抜高度、土壌中の放射性核種の量と種類(地殻被ばく)、大気、
食品および飲料水中の放射性核種の組成、並びに、吸入または摂取による体内への取り込み量
など、多くの要因により地域ごとに大きく変化する。世界には、インドのケララ州やブラジルの
Pocos del Caldas平原の一部など、バックグラウンド放射線レベルが比較的高い地域がある。これ
らの地域における一般集団の被ばくレベルは、表9.1に示した平均バックグラウンドレベル2.4mSv
の10倍にも達することがある。この高い放射線被ばくによる健康への悪影響は検知されていな
い。
図 9-1 世界の人々への平均的な放射線被ばくの線源と分布
表 9-1 自然線源からの平均的な放射線量
注記:資料引用:下記の表は 上記の表 9-1 と等価
a 地殻による被ばくは、土壌および建材中の放射性核種による。
b ラドンの吸入線量が10 mSv/年を超える居住地域がある。
出典:UNSCEAR(2000)
いくつかの放射性化合物が、人の活動に伴って人工的な線源から(例えば、放射線源の医療
または産業用の利用などから)、環境中、ひいては飲料水供給に放出されることがある。2000年の
世界の健康診断における1人当たり実効線量は、0.4mSv/年であった(ヘルスケアレベルにより異
なるが、通常の範囲は0.04~1.0mSv/年である)。原子力発電や核兵器実験による世界的な寄与
は極めてわずかである。2000年の世界の核兵器実験による一人当たり年間実効線量は
0.005mSv、これに対して、チェルノブイリ事故によるものは0.002mSv、原子力発電によるものは
0.0002mSvと推定されている(UNSCEAR, 2000)。
9.1.1 飲料水を通しての放射線被ばく
飲料水中の放射性成分は以下に由来する。
- 自然由来の放射性核種(例えば、トリウムおよびウランの放射性核種は、飲料水源におい
てそれぞれの系列にしたがって崩壊する)。特に、ラジウム-226/228およびその他いくつか
のもの。
- 自然由来の放射性物質に関わる技術上のプロセス(例えば、鉱砂の採掘および加工、また
は、リン肥料の製造など)
- 核燃料サイクル施設から排出された放射性核種
- 製造された放射性核種(非密封型で製造されて使用されるもの)。特に、放射性物質の不
適切な医療または産業用利用および廃棄処分の場合など、定期的な排出の結果として飲
料水供給に混入するもの。これらは、本ガイドラインで視野に入れていない緊急時とは異な
る。
- 放射性核種の飲料水源を含めた環境中への過去の放出
全被ばく量に対する飲料水の寄与は、一般に非常に小さく、ウランおよびトリウム系列の自然起
因放射性核種に大きく依存する。しかし、核燃料サイクル、並びに、医療およびその他の用途に
おける放射性物質の利用からの放射性核種が、飲料水供給に混入することがある。これらの線源
による寄与は、通常、線源または業務の規制により制限されており、これらの線源が飲料水の汚
染による懸念の原因となるような事態に際して防除措置が取られるのは、まさにこのような規制の
仕組みを通してである。
9.1.2 飲料水を通しての放射線被ばくによる健康影響
低ないしは中線量の放射線被ばくが長期化するとがんの増加をもたらすことは、ヒトおよび動物
による研究の証拠がある。特に動物実験では、放射線被ばくによる先天奇形発生率の増加が示
唆されている。
放射性核種の濃度がガイダンスレベル以下(すなわち、預託実効線量0.1mSv/年以下)であれ
ば、飲料水の摂取による放射線学的な健康への悪影響はあり得ないと考えられる。
血球数の減少や、非常に重篤な場合には死に至ることもあるような放射線の急性健康影響は、
全身または身体の大部分が非常に高線量の被ばくを受けたときにもたらされる(IAEA, 1998)。飲
料水供給で通常検出される放射性核種は低レベルであるため、飲料水供給において放射線によ
る急性の健康影響が重要な問題となることはない。
9.2 放射能と放射線量の単位
放射能のSI単位はベクレル(Bq)で、1Bq=1崩壊/秒である。飲料水についてのガイダンスレベ
ルは、1L中の放射性核種による放射能、すなわち放射能濃度(Bq/L)と呼ばれる、として与えられ
ている。放射性核種の摂取によりもたらされる被ばく線量は、多くの化学的および生物学的要因
により左右される。これらは、摂取された放射性核種のうち消化管、器官または組織まで運ばれて
それから吸収される部分の割合および放射性核種が排泄されるまで器官または組織内にとどま
っている時間などである。崩壊に伴い放射される放射線の特性および放射線に対する器官また
は組織の感受性も考慮されなければならない。
吸収線量は、どれだけ多くのエネルギーが放射線により物質に投与されたかを表す。吸収線
量のSI単位はグレイ(Gy)で、1Gy=1J/kg(ジュール/キログラム)である。
等価線量は、吸収線量と特別な種類の放射線に関係する係数(電離能および密度に依存す
る)との積である。
ヒトが受ける放射線の実効線量は、簡単に言えば、「組織荷重係数」による荷重を掛けた、すべ
ての組織または器官が受ける等価線量の和である。これらは、人体の異なる器官および組織の放
射線に対する感受性の違いを反映している。等価線量および実効線量のSI単位はシーベルト
(Sv)で、1Sv=1J/kgである。
一旦体内に取り込まれた放射性核種の残留性を反映させるため、ある放射性核種の摂取(内
部被ばく)に伴い一生涯(70年)にわたって受ける全実効線量の尺度として、預託実効線量が用
いられる。
「線量」という用語は、状況により、吸収線量(Gy)または実効線量(Sv)を意味する一般的な用
語として使われる。監視の目的のため、与えられた物質の放射性核種の放射能濃度から線量が
測定される。水の場合には、放射能濃度がBq/Lの単位で表される。この値は、線量換算係数
(mSv/Bq)および水の年平均摂取量(L/年)を用いることにより、一年当たりの実効線量(mSv/年)
と関連付けることができる。
特定の化学形態の放射性同位体の摂取による実効線量は、線量換算係数を用いて推定する
ことができる。放射性核種の摂取に関する年齢と関連付けた線量換算係数のデータが、ICRPお
よび国際原子力機関(International Atomic Energy Agency: IAEA)により公表されている。表9.2
に、飲料水供給で検出される自然由来の放射性核種、または、人為活動に起因する放射性核種
についての線量換算係数を示す(IAEA, 1996; ICRP, 1996)。
表 9-2 一般成人による放射性核種の摂取に関する線量換算係数 (pdf添付不可)
分類 放射性核種線量換算係数(mSv/Bq)
天然ウラン系列ウラン-238 4.5×10-5
ウラン-234 4.9×10-5
トリウム-230 2.1×10-4
ラジウム-226 2.8×10-4
鉛-210 6.9×10-4
ポロニウム-210 1.2×10-3
天然トリウム系列トリウム-232 2.3×10-4
ラジウム-228 6.9×10-4
トリウム-228 7.2×10-5
核分裂生成物セシウムー134 1.9×10-5
セシウムー137 1.3×10-5
ストロンチウム-90 2.8×10-5
ヨウ素-131 2.2×10-5
他の放射性核種トリチウム1.8×10-8
炭素-14 5.8×10-7
プルトニウム-239 2.5×10-4
アメリシウム-241 2.0×10-4
9.3飲料水中の放射性核種のガイダンスレベル
天然線源に由来する放射性核種、または、現在もしくは過去における活動の結果として環境中
に排出された放射性核種につき、飲料水中の放射性核種のガイダンスレベルを表9.3に示す。こ
れらのレベルは、一年以上前の核事故で放出された放射性核種にも適用できる。表9.3の放射能
濃度の値は、その年に摂取された飲料水中の濃度がこの値を超えなければ、各放射性核種につ
きRDL 0.1mSv/年に相当する。これによるリスクの推定値は本章の初めに記した。しかし、事故直
後の1年間は、BSS(IAEA, 1996)並びにその他のWHOおよびIAEAの関連刊行物(WHO, 1988;
IAEA, 1997, 1999)に記載されているように、食材に関しての一般的アクションレベルが適用され
る。
飲料水中の放射性核種のガイダンスレベルは、次式により計算された。
GL=1DC/(hing・q)
ここに、
GL: 飲料水中の放射性核種のガイダンスレベル(Bq/L)
IDC: 個別線量基準、この計算では0.1mSv/年
hing: 成人による摂取の線量換算係数(mSv/Bq)
q: 飲料水の年摂取量、730L/年と仮定
小児について計算された年齢依存線量換算係数がより高い(より高い摂取量もしくは代謝速度
を意味する)が、幼児または小児により摂取される飲料水量が平均的により少いために、線量が
顕著により高くなるということはない。この結果、一年間の飲料水摂取による預託実効線量0.1mSv/年の勧告RDLは、年齢に関係なく適用される。
表 9-3 飲料水中の放射性核種のガイダンスレベル (1/2) (pdf添付不可)
表 9-3 飲料水中の放射性核種のガイダンスレベル (2/2) (pdf添付不可)
a ガイダンスレベルは、対数の値の平均を丸めたものである(算定値が3×10n以下および3×10n-1以上であれば10nに)。
b 天然放射性核種
c 飲料水中のウランの暫定ガイドライン値は、腎臓に対する化学的な毒性に基づき15 μg/L である。(8.5参照)。
9.4 溶存放射性核種の監視と評価
9.4.1 飲料水供給のスクリーニング
個々の放射性核種を同定し、その濃度を測定するプロセスでは、高度で高価な分析が求めら
れるが、このような分析は、ほとんどの状況においては放射性核種の濃度が非常に低いので、通
常は正当化されるものではない。より実際的なアプローチは、特定の放射性核種を同定すること
は考えないで、アルファ(α)およびベータ(β)放射線の形で存在する全放射能をまず測定する、
スクリーニング手順を用いることである。
それ以下であればさらに対策を取る必要がない飲料水のスクリーニングレベルは、全α放射能
0.5Bq/Lおよび全β放射能1Bq/Lである。全β放射能のスクリーニングレベルは、本ガイドラインの
第2版で公表されたもので、最悪(ラジウム-222)の場合にはガイダンスRDL 0.1mSv/年に近い線
量となる。全α放射能のスクリーニングレベルは0.5Bq/L(以前の0.1Bq/Lに代えて)で、これは、こ
の放射能濃度が、放射性核種ごとのガイダンスRDLにより近い値を反映しているからである。
9.4.2 飲料水の評価方法
もし前記いずれかのスクリーニングレベルを超えるようなことがあれば、この放射能を発生させ
ている放射性核種を同定して、それらの個々の放射能濃度を測定するべきである。これらのデー
タから、個々の放射性核種の預託実効線量を推定して、これらの線量の合計値を決定するべき
である。次式が満たされれば、さらに対策を取る必要はない。
式:(pdf添付不可)
Ci
GLi
Σ ≦1
i
ここに、
Ci: 放射性核種iについて測定された放射能濃度
GLi: 1 年間毎日2Lずつ摂取した場合の預託実効線量が0.1mSv/年となる放射性核種iのガイ
ダンスレベル値(表9.3参照)
単一試料についてこの合計が1を超えており、これらと同じ測定濃度の被ばくが丸1年間続いて
いた場合に限って、RDL 0.1mSvを超過していたと見なされる。したがって、このような試料は、そ
れ自体で、その水が飲用不適であることを意味するわけではないが、追加して試料採取を行うな
ど、さらに調査する必要があることを示すものと見なすべきである。全βおよび全α放射能のスク
リーニングを最初に繰り返して行うべきであり、続けて測定したこれらの値が、ここで勧告する実務
上のスクリーニング値(それぞれ、1Bq/Lおよび0.5Bq/L)を超える場合に限って、個々の放射性核
種についての分析を行うべきである。
このような勧告法の適用について図9.2に示す。
図9.2(pdf添付不可)
図 9-2 飲料水中の放射性核種へのスクリーニングレベルおよびガイダンスレベルの適用
全βの測定は、カリウムの安定同位体に対して一定比率で自然界に存在してβ線を放射する、
カリウム-40による寄与を含む。カリウムはヒトの必須元素であり、主に食品として摂取して吸収される。カリウム-40は体内に蓄積されないが、摂取量とは関係なく一定のレベルが維持されている。
したがって、カリウム-40のβ放射能に対する寄与は、全カリウムを別途測定したあとに差し引かれるべきである。カリウム-40の比放射能は30.7Bq/gカリウムである。しかし、カリウム-40からの放射能のすべてがβ放射能とは考えられない。カリウム-40のβ放射能は27.6Bq/g安定同位体カリウムであり、カリウム-40によるβ放射能の計算には、この係数を用いるべきである。
9.4.3 防除手段
総計としてRDL 0.1mSv/年を超える場合には、線量を低減させるために担当官署に与えられた
選択肢が試されるべきである。防除手段につき考慮する場合、それがどのような方法であっても、
まずその正当性を確認(それが正味の便益をもたらすことという意味において)してから、ICRP勧
告(1989, 1991)にしたがって正味の便益を最大にするための最適化を図るべきである。
9.5 ラドン
9.5.1 空気中および水中のラドン
自然放射線被ばくのうち最大のものは、ラドン、すなわち、ウラン系列放射性核種の一部として
岩石や土壌に含まれる、ラジウムの崩壊による放射性ガス(表9.1および図9.1参照)によるもので
ある。一般のラドンという用語は、多くの場合、ラドン-222を意味する。ラドンは、文字どおり地球上
のどこにでも存在しているが、特に陸上の空気や建築物内の空気に存在する。
天然ウランを含む地中の岩石は、それと接触する地下水中に絶えずラドンを放出し続けている。
ラドンは表流水からは容易に放出されるので、通常、地下水中のラドンの濃度は表流水中のそれ
よりもずっと高い。ラドンの平均濃度は、通常、表流水を原水とする飲料水供給では0.4Bq/L以下、
地下水を原水とするものでは約20Bq/Lである。しかし、井戸によっては、平均値の400倍もの高濃
度が測定されており、まれに10kBq/Lを超えるものもある。
ラドンの摂取による線量を評価するためには、摂取に先立つ浄水技術を考慮に入れることが重
要である。さらに、地下水を一般の家事用途に使用する際には、空気中のラドンレベルが上昇し、
その結果、吸入線量も増加する。この線量は、水の利用形態と住居の構造に顕著に左右される
(NCRP, 1989)。水の摂取量とその形態、家庭でのその他の水利用および家屋構造は世界中で
大いに異なる。
UNSCEAR(2000)では、US NAS報告(1999)を参照し、空気中のラドンおよびその崩壊生成
物からの吸入線量1.1mSv/年に対して、「飲料水中のラドンからの平均線量は、吸入によるものが
0.025mSv/年、摂取によるものが0.002mSv/年といずれも低い値」であると算定している。
9.5.2 リスク
ある報告書では、アメリカ合衆国における肺がん死亡の12%は、室内空気中のラドン(ラドン
-222およびその短寿命崩壊生成物)によるものであると推定している(US NAS, 1999)。これに従
えば、主として喫煙による年間の全肺がん死亡者数約160,000人のうち約19,000人(15,000~
22,000人の範囲)は、ラドンに起因している。
US NAS(1999)では、飲料水中のラドンによる被ばくのリスクは、上記の約100分の1(すなわち、
年間死亡者数183人)であると報告している。室内空気中のラドンに起因する肺がん死亡者数
19,000人に加えて、さらに160人が、家屋内で用いる水から放射されるラドンの吸入によるものと推
定された。比較までに、年間肺がん死亡者数のうち約700人は、野外で自然レベルのラドンによる
被ばくによるものとされている。
また、US NAS(1999)は、溶解性ラドンを含む飲料水に起因する胃がんのリスクは、アメリカ合
衆国のその他の原因での胃がんによる年間死亡者数13,000人に比べて、推計値約20人と極めて
小さく評価している。
9.5.3 飲料水供給におけるラドンについてのガイダンス
飲料水供給のラドン濃度が100Bq/Lを超える場合には制御するべきである。どのような新規の
飲料水供給でも、供用開始前に試験を行うべきである。もしラドン濃度が100Bq/Lを超えていれば、ラドンレベルが100Bq/Lよりも十分に低くなるように浄水処理を行うべきである。水源の周辺にラドンを発生させる鉱物が大量に存在している場合には、例えば5年ごとなど、大規模飲料水供給であれば定期的にラドン濃度を検査することが適切であろう。
9.6 試料採取、分析および報告
9.6.1 全α、全β放射能濃度の測定
飲料水の全αおよび全β放射能(ラドンを除く)を分析するための最も一般的なアプローチは、
既知量の試料水を蒸発乾固させ、残渣の放射能を測定する方法である。α放射線は薄層の固
体に吸収されやすいので、TDS含有量の高い試料では、この全α測定法の信頼性と感度が低下
するおそれがある。
全αおよび全β放射能濃度の測定には、可能な限り標準化された方法を用いるべきである。3
つの分析法の手順を表9.4に示す。
蒸発法による全β放射能の測定では、カリウム-40の寄与が含まれる。したがって、全βスクリー
ニング値が超過する場合には、全カリウムにつき追加分析することが必要である。
きない。しかし、通常の状況のもとでは、飲料水供給における核分裂生成物の濃度は極めて低
い。
共沈法(APHA, 1998)ではカリウム-40の寄与は排除されるので、全カリウムの測定は不要であ
る。この方法は、セシウム-137など、特定の核分裂生成物を含む試料水の評価に用いることはで
きない。しかし、通常の状況のもとでは、飲料水供給における核分裂生成物の濃度は極めて低
い。
表 9-4 飲料水中の全αおよび全β放射能の分析法
9.6.2 カリウム-40 の測定
試料水のカリウム-40濃度の測定には、ガンマ(γ)線分析の感度が低いこと、および水溶液か
ら放射性核種を化学的に分離することが困難なことから、放射能測定法を用いることは実際的で
はない。カリウム-40とその安定同位体の比率は一定なので、カリウムの化学分析が推奨される。
カリウムの測定感度が1mg/Lであれば十分で、これを容易に達成し得る技術としては原子吸光光
度法と特定イオン分析がある。カリウム-40によるβ放射能は、全カリウム1g当たり27.6Bqの係数を
用いて計算することができる。
9.6.3 ラドンの測定
飲料水中のラドン-222による放射能濃度は、その取り扱いに際してラドンが水中から放出され
やすいため、測定が困難である。攪拌や別の容器への水の移し換えにより、溶解性のラドンが遊
離する。広く用いられているPylon法(Pylon, 1989, 2003)では、水脱気ユニットとLucasシンチレー
ション検出器を用いて、飲料水中のラドンを検出することができる。水を放置することによりラドン
による放射能が減少し、さらに、煮沸することによりラドンが完全に除去される。
9.6.4 試料採取
新規の飲料水源については、その設計および建設に先立って放射線学的水質特性を明らか
にし、放射性核種濃度の季節変化を評価して、飲料水供給としての適正を判定するために、試
料を採取(例えば、当初の12ヶ月間は3ヶ月ごとなど)するべきである。これには、ラドンおよびその
娘核種の分析を含めるべきである。
飲料水供給として正常な範囲にあることが測定によって示されたあとは、試料採取頻度を例え
ば毎年または5年ごとなどにしても良い。しかし、放射性核種の汚染源(例えば、鉱山または原子
炉など)が周辺に存在する場合には、試料採取をより頻繁に行うべきである。それほど重大でない
表流水や地下水を水源とする場合には、試料採取頻度を低くして良い。
地下水を水源とする水供給でのラドンおよびその娘核種のレベルは、通常は長期間にわたり
安定である。したがって、ラドンおよびその娘核種についての水の監視は、比較的低い頻度で良
い。水源が高濃度のラドンおよびその娘核種を含んでいそうかどうかを判定するために、当該地
域の地質情報を考慮するべきである。その他のリスク要因としては周辺における鉱山の存在が上
げられ、このような場合には、より高い頻度の監視を行うことが適当であろう。
水質の評価、試料採取の方法と計画、並びに、試料の保存と取り扱いについての手引きは、オ
ーストラリアおよびニュージーランド基準(Australian and New Zealand Standard)(AS, 1998)に記
されている。
9.6.5 結果の報告
各試料についての分析結果には、以下の情報が含まれるべきである。
- 試料識別コードまたは情報
- 報告結果の参照日時(例えば、試料採取日など)
- 用いた標準分析法の特定、または、標準法でない場合にはその簡単な説明
- 測定した放射性核種または放射能の種類および全放射能の特定
- 各放射性核種につき適切なブランクを用いて計算した、測定に基づく濃度または放射能の
値
- 計数上の不確実性および予測される全不確実性の推定値
- 放射性核種または分析パラメータごとの最小検出可能濃度
報告結果についての予測される全不確実性の推定値には、その分析法におけるすべてのパラ
メータによる寄与(すなわち、計数、並びに、その他のランダムおよび系統的な不確実性または誤
差)を含めるべきである。
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http://www.mhlw.go.jp/shinsai_jouhou/suidou.html
水道水中の放射性物質の検査について
水道水についての放射性物質の基準
福島第一・第二原子力発電所の事故に伴う水道の対応について [145KB]
乳児による水道水の摂取に係る対応について [168KB]
水道水中の放射性物質に係る指標の見直しについて [226KB]
全国水質検査取りまとめ情報
厚生労働省では、水道水中の放射性物質に関する検査の結果について、政府原子力災害現地対策本部における福島県内の検査結果、文部科学省、福島県近隣の10都県(宮城県、山形県、新潟県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、東京都、神奈川県、千葉県)の地方公共団体、水道事業者等における検査結果を取りまとめ、公表しております。
なお、新しい情報については報道発表資料をあわせてご確認ください。
水道水における放射性物質対策検討会における検討
水道水中の放射性物質対策について、水道水における放射性物質対策検討会を開催し、対策についての中間取りまとめを行っています。
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福島第一・第二原子力発電所の事故に伴う水道の対応について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000015koh-att/2r98520000015kr1.pdf
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