http://www.japanfs.org/ja/news/archives/news_id031142.html
A1株 : Copyright 京都大学
京都大学村田教授らが世界で初めて、コンブ、ワカメ類などの褐色海藻類の主成分であるアルギン酸(乾燥藻体の30から60%を占める)からのエタノール生産技術を確立したことを2011年4月28日に発表した。
スフィンゴモナス属細菌A1株の細胞改造と培養工学的解析により、アルギン酸からのエタノール生産が可能になったもので、好気培養下、2から3日間で13g/Lのエタノールの生産が可能であるという。
化石燃料代替エネルギーの生産や地球温暖化問題の低減を目的に、デンプンやセルロースからのエタノール生産が国内外で検討されている。しかし、陸上のバイオマスを原料とした場合、その供給量、運搬、食料との競合性、更にはセルロース分解時の環境負荷などの諸問題があるため、海洋バイオマスからエタノールを生産する技術の確立を目指した。
本研究成果は、2011年度日本農芸化学会大会でトピックス賞を受賞した(東日本大震災のため学会中止・発表中止)。エネルギー・環境関係の専門誌(Energy&Environmental Science:インパクトファクター 8.5)に掲載された。
登録日時:2011/08/06 06:00:15 AM
海洋バイオマスからバイオエタノール生産
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2011/110428_1.htm
村田幸作 農学研究科教授の研究グループの成果が、科学誌「Energy & Environmental Science」に掲載されました。
【論文情報】
Hiroyuki Takeda, Fuminori Yoneyama, Shigeyuki Kawai, Wataru Hashimoto., and Kousaku Murata
Bioethanol production from marine biomass alginate by genetically engineered bacteria..
Energy & Environmental Science, (accepted for publication)(2011)
(インパクトファクター 8.5 発行所:Royal Society of Chemistry (UK))
海洋バイオマス利活用の学術的基盤を構築した。開発した技術は世界をリードするのみならず、我が国のエネルギー問題と地球温暖化問題の低減、海洋開発と新規雇用の促進など、社会に大きな影響を与える。
体腔(細胞表層に形成される開閉自在の孔)は、低分子物質から高分子物質まで呑み込む巨大な器官である。この器官の機能を応用することにより、ダイオキシン分解(Nature Biotechonl.,2008)、各種バイオマスからのエタノール・ブタノール・プロパノールのようなアルコール燃料、更には他の有用物質生産への展開が可能となる。
(特許)
特許:「海洋バイオマスからのエタノール生産」(国立大学法人京都大学・株式会社マルハニチロホールディングス)国内出願番号 特願2009-198972;国際出願番号 PCT/JP2010/064383
体腔形成細菌(スフィンゴモナス属細菌A1株)は、「口」を開けて巨大物質を呑み込む。バイオテクノロジー技術(遺伝子工学・代謝工学・分子生物学・構造生物学・網羅的解析学)を駆使して細胞改造したA1株を用いて、アルギン酸(海洋バイオマス)をエタノールに転換する技術(第三世代バイオエタノール生産法)を世界で初めて確立した。生産性は、13g/L/2~3日。なお、本研究は生研センタープロジェクトの一環として行われた。
0 件のコメント:
コメントを投稿