2013年12月8日日曜日

Gold nugget 砂金

https://ir.u-gakugei.ac.jp/bitstream/2309/70833/1/18804330_59_07.pdf

砂金の成長についての一考察( fulltext )

Author(s) 本間, 久英
Citation 東京学芸大学紀要. 自然科学系, 59: 49-53
Issue Date 2007-09-00
URL http://hdl.handle.net/2309/70833
Publisher 東京学芸大学紀要出版委員会
Rights

東京学芸大学紀要 自然科学系 59 pp.49~53,2007

砂金の成長についての一考察
本 間 久 英*
自然科学系宇宙地球分野
(2007年 5 月25日受理)
HONMA, H.: A Consideration on Growth of Placer Gold. Bull. Tokyo Gakugei Univ. Natur. Sci., 59: 49-53 (2007) ISSN 1880-4330
Abstract
Our understanding of the physico-chemical details on the accumulation or formation of gold in alluvial placer is still poor, especially
with respect to the formation of nuggets as Boyle (1979) has mentioned. In this paper, the change, growth or formation of placer
gold, namely the keystone that “gold grows in placer”, and the formation of nuggets are discussed and considered on the basis of the
experimental results on the dissolution and precipitation of gold and/or silver in previous papers of the author and coworkers.
(in Japanese)
Key words: placer gold, morphology, dissolution and precipitation of Au
Department of Astronomy and Earth Science, System of Natural Science, Tokyo Gakugei University, 4-1-1 Nukui-kita-machi, Koganeishi,
Tokyo 184-8501, Japan

Ⅰ.はじめに
Boyle(1979)の著書に,「There is an adage that “gold
grows in placer”」と書かれている。また,武井(1982)
の著書の中にも,砂金掘り仲間の間で「砂金は土の中で
おがる」という言葉があることを記している。「おがる」
とは成長するという意味である。これらの言葉の一般的
な意味は,大雨や洪水の後に新たに砂金が現れたりする
ことを表現したものと言われている。しかし,彼らも述
べているように,扁平な形をした砂金や鱗片状の砂金は
普通に見られるが,砂金の珍しい形として,金の結晶,
針金状のもの,葉片状のもの,羽毛状のもの,毛髪状の
もの,樹枝状のもの,網状のもの,繊維状のもの,こけ
状のもの,スポンジ状のものなどが知られている。これ
らの珍しい形態を示す砂金の一部のものはまさにその場
でおがる(成長する)ものがあるのではないだろうか。

すなわち,金はある溶液に溶け,おそらく錯イオンとし
て運ばれ,ある場所で還元・沈殿し,結晶成長している
ことは十分に考えうる。しかし,Boyle(1979)も言ってい
るように,砂金の生成・集積等に関してはまだ不明の点
が残されていることも事実である。
そこで,今回は,筆者と共同研究者が行った金の溶
解・沈殿の実験データから,砂金の生成や成長,沈殿な
ど,所謂砂金が「おがる」ことなどについて考察して行
きたいと思う。
なお,ここではアメリカのブラック・ヒルや南アフリ
カのウィットウォータースランドのような所謂埋没砂金,
すなわち,古い時代の砂金については議論しない。
II.砂金の定義及び本邦のゴールドラッシュ等について
砂金は一般的にはエレクトラムと言う金―銀の合金で

あるが,ここでは天然産のものについての記載には全て
砂金または金と表現する。
砂金は学術的に次の様に定義されている。すなわち,
含金鉱床の露頭が風化・浸食を受けて,金粒が多少とも
現地を離脱し,砂礫土層部に集積したものである。一般
的には,金粒が砂や礫とともに堆積したものであり,普
通は丸みを帯びた扁平状の小粒または鱗片状などを呈
するが,時として,数kgから数十kgの大きな塊(金塊)
として産することもある。
一方,砂金の濃集部,すなわち,砂金漂砂鉱床は,そ
の産状,特に砂金の生成時期によって大きく二つのタイ
プに分けられている。すなわち,第四紀(一部第三紀末
を含む場合がある)に形成された浅在砂金(鉱床)であ
り,他は先カンブリア時代から第三紀にかけて形成され
た埋没砂金(鉱床)である。例えば,前者には本邦の多
くの砂金鉱床がそれにあたる。その他,アメリカ・アラ
スカ州のクロンダイクやノーム海岸の例が挙げられる。
後者の例としては,アメリカ・シェラネバダの一部は第
三紀砂金(鉱床)であり,クラマト山のものは中生代砂
金(鉱床)であり,ブラック・ヒルのものは古生代砂金
(鉱床)であり,南アフリカのウィットウォータースラン
ドの含金礫岩層は原生代砂金(鉱床)である。
なお,世界の砂金漂砂鉱床に関する研究史,産状,生
成過程などについては,Boyle(1979)の著書に端的にま
とめられているのでそれを参照されたい。
本邦において,江戸時代以前,すなわち,佐渡金山発
見(17世紀前半)以前は,金と言えば砂金から採取して
いたと言っても過言ではない。そして,砂金や金は恩賞
として,通貨としてのみならず,装飾品や大仏を含む仏
像などに利用された。更に,マルコポーロの東方見聞録
に黄金の国ジパングと言わしめた一つには,奥州藤原清
衡による中尊寺金色堂建立などの話もあったのだろう。
その後は,足利義満による鹿苑寺金閣や豊臣秀吉による
大阪城の金の茶室などといろいろなものに多量の金が利
用されてきた。そのような金をまかなったのが,前述の
様に所謂砂金である。特に平安時代から鎌倉時代にかけ
て,北上山地などで広く採取された砂金は古来から柴金
と称され,浅在砂金(鉱床)の中の現地砂金(鉱床)と
言われるものである。おそらく当時,北上山地はまさに
本邦における第一期のゴールドラッシュと呼ぶにふさわ
しい状況であっただろう。その金などを利用した結果,
奥州藤原三代(清衡,基衡,秀衡)の繁栄を見たといっ
てもよいであろう。

江戸時代に入り,その初頭に野菜についた泥に混じっ
ていた砂金をたどって行き,つまるところ佐渡金山が発
見されるが,一方において,「蝦夷に関する耶蘇士の報
告」(武井より引用)によれば,蝦夷(北海道)で,元
和元年(1615年)から盛んに砂金の採取が行われた。そ
して寛永年間(1624-1643年)には最盛期を迎えたと言
う。ちなみに,武井によれば,元和5年(1619年)には
5万人,同6年(1620年)には8万人もの人々が砂金採
取に従事したと言う。最盛期の寛永年間にはその数を上
回った人数であったろうと推察される。なお,元和年間
当時の松前での和人の数が1万人と言うから,いかに砂
金採取に多くの人々が群がったかが伺える。まさに,第
二期のゴールドラッシュという時代であった。さらに,
元文4年(1739年)の「北海随筆」(武井より引用)に
は羽幌砂金について,「春秋の大洪水にあたり翌日は砂
浜は黄金色に変われり」と記されており,場所によって
は,砂金が「おがり」,それなりの量が採取されていた
ものと思われる。その数十年後,平賀源内は,武蔵国の
荒川で砂金を採取し,その起源を突き詰めて秩父鉱山に
たどり着いた。しかし,彼はこのときの鉱山開発には失
敗をしている。

そして,明治時代から大正時代にかけて,北海道,特
に北見国枝幸地方で第三期と言ってもよいゴールドラッ
シュ現象が起こった。それは,明治33年(1900年)9月,
枝幸のウソタンナイ川上流で握りこぶし大の金塊が採取
されたことが端緒となった。その他には同じ北海道の石
狩川や鵜川流域などでも砂金が採取された。大正年間に
書かれた谷孫六の「ガンバリズム」には,「金儲けをす
るには,北海道天塩国トイカンベツ川の上流に行けば,
砂金,砂白金がゴロゴロしている」(武井より引用)と記
されている。また,石狩川,鵜川流域の砂金には,珍し
い形態の羽毛状のものや樹枝状のものが産出することで
も知られている。

一方,金沢や金砂郷など金のついた地名があるという
ことは,その付近で砂金が採取されたり,金を加工する
ような場所であったことを表しているものと思われる。

III.金,合成エレクトラムの溶解実験
鹿園ほか(1990)は,150℃で金を塩酸と反応させた
結果を報告している。彼らによれば,3 N塩酸(反応
期間60日,以下同様)で83ppm,6 N塩酸(100日)で
24,382ppmの金が溶解したことを述べている。単一の酸
において,これだけの金が溶解した例はいまだかって
報告がない。また,臭酸―水( 1:1 ),沃化水素酸―
あるが,ここでは天然産のものについての記載には全て
砂金または金と表現する。

砂金は学術的に次の様に定義されている。すなわち,
含金鉱床の露頭が風化・浸食を受けて,金粒が多少とも
現地を離脱し,砂礫土層部に集積したものである。一般
的には,金粒が砂や礫とともに堆積したものであり,普
通は丸みを帯びた扁平状の小粒または鱗片状などを呈
するが,時として,数kgから数十kgの大きな塊(金塊)
として産することもある。

一方,砂金の濃集部,すなわち,砂金漂砂鉱床は,そ
の産状,特に砂金の生成時期によって大きく二つのタイ
プに分けられている。すなわち,第四紀(一部第三紀末
を含む場合がある)に形成された浅在砂金(鉱床)であ
り,他は先カンブリア時代から第三紀にかけて形成され
た埋没砂金(鉱床)である。例えば,前者には本邦の多
くの砂金鉱床がそれにあたる。その他,アメリカ・アラ
スカ州のクロンダイクやノーム海岸の例が挙げられる。
後者の例としては,アメリカ・シェラネバダの一部は第
三紀砂金(鉱床)であり,クラマト山のものは中生代砂
金(鉱床)であり,ブラック・ヒルのものは古生代砂金
(鉱床)であり,南アフリカのウィットウォータースラン
ドの含金礫岩層は原生代砂金(鉱床)である。

なお,世界の砂金漂砂鉱床に関する研究史,産状,生
成過程などについては,Boyle(1979)の著書に端的にま
とめられているのでそれを参照されたい。

本邦において,江戸時代以前,すなわち,佐渡金山発
見(17世紀前半)以前は,金と言えば砂金から採取して
いたと言っても過言ではない。そして,砂金や金は恩賞
として,通貨としてのみならず,装飾品や大仏を含む仏
像などに利用された。更に,マルコポーロの東方見聞録
に黄金の国ジパングと言わしめた一つには,奥州藤原清
衡による中尊寺金色堂建立などの話もあったのだろう。
その後は,足利義満による鹿苑寺金閣や豊臣秀吉による
大阪城の金の茶室などといろいろなものに多量の金が利
用されてきた。そのような金をまかなったのが,前述の
様に所謂砂金である。特に平安時代から鎌倉時代にかけ
て,北上山地などで広く採取された砂金は古来から柴金
と称され,浅在砂金(鉱床)の中の現地砂金(鉱床)と
言われるものである。おそらく当時,北上山地はまさに
本邦における第一期のゴールドラッシュと呼ぶにふさわ
しい状況であっただろう。その金などを利用した結果,
奥州藤原三代(清衡,基衡,秀衡)の繁栄を見たといっ
てもよいであろう。

江戸時代に入り,その初頭に野菜についた泥に混じっ
ていた砂金をたどって行き,つまるところ佐渡金山が発
見されるが,一方において,「蝦夷に関する耶蘇士の報
告」(武井より引用)によれば,蝦夷(北海道)で,元
和元年(1615年)から盛んに砂金の採取が行われた。そ
して寛永年間(1624-1643年)には最盛期を迎えたと言
う。ちなみに,武井によれば,元和5年(1619年)には
5万人,同6年(1620年)には8万人もの人々が砂金採
取に従事したと言う。最盛期の寛永年間にはその数を上
回った人数であったろうと推察される。なお,元和年間
当時の松前での和人の数が1万人と言うから,いかに砂
金採取に多くの人々が群がったかが伺える。まさに,第
二期のゴールドラッシュという時代であった。さらに,
元文4年(1739年)の「北海随筆」(武井より引用)に
は羽幌砂金について,「春秋の大洪水にあたり翌日は砂
浜は黄金色に変われり」と記されており,場所によって
は,砂金が「おがり」,それなりの量が採取されていた
ものと思われる。その数十年後,平賀源内は,武蔵国の
荒川で砂金を採取し,その起源を突き詰めて秩父鉱山に
たどり着いた。しかし,彼はこのときの鉱山開発には失
敗をしている。

そして,明治時代から大正時代にかけて,北海道,特
に北見国枝幸地方で第三期と言ってもよいゴールドラッ
シュ現象が起こった。それは,明治33年(1900年)9月,
枝幸のウソタンナイ川上流で握りこぶし大の金塊が採取
されたことが端緒となった。その他には同じ北海道の石
狩川や鵜川流域などでも砂金が採取された。大正年間に
書かれた谷孫六の「ガンバリズム」には,「金儲けをす
るには,北海道天塩国トイカンベツ川の上流に行けば,
砂金,砂白金がゴロゴロしている」(武井より引用)と記
されている。また,石狩川,鵜川流域の砂金には,珍し
い形態の羽毛状のものや樹枝状のものが産出することで
も知られている。

一方,金沢や金砂郷など金のついた地名があるという
ことは,その付近で砂金が採取されたり,金を加工する
ような場所であったことを表しているものと思われる。

III.金,合成エレクトラムの溶解実験
鹿園ほか(1990)は,150℃で金を塩酸と反応させた
結果を報告している。彼らによれば,3 N塩酸(反応
期間60日,以下同様)で83ppm,6 N塩酸(100日)で
24,382ppmの金が溶解したことを述べている。単一の酸
において,これだけの金が溶解した例はいまだかって
報告がない。また,臭酸―水( 1:1 ),沃化水素酸―
水( 1:1 )の液と金を150℃,60日間反応させたところ,
各々,4,618ppmと12,210ppmもの溶解をしたことを報告
した。この結果を一般的に見れば,溶液中に存在する塩
素イオンよりも臭素イオン,沃素イオンの存在下かつ同水
( 1:1 )の液と金を150℃,60日間反応させたところ,
各々,4,618ppmと12,210ppmもの溶解をしたことを報告
した。この結果を一般的に見れば,溶液中に存在する塩
素イオンよりも臭素イオン,沃素イオンの存在下かつ同

一条件においては,この順により多くの金が溶解するで
あろうことを示している。更に,Shikazono et al(. 1992)
は150℃で6N塩酸に金が22,000ppm以上も溶解したこと
を報告している。この結果,塩素イオン系酸性溶液が従
来のデータに比べてかなり多量の金を溶かしうることを
証明した。中田ほか(1996)は,150℃で金を塩酸の濃
度を変えた系で反応させた結果を報告している。彼らに
よれば,0.1N塩酸(59日)で34ppm,1N塩酸(273日)
で1.667ppm,3N塩酸(70日)で1.538ppm,6N塩酸(60日)
で986ppm,9 N塩酸(79日)で34ppm,12N塩酸(296日)
で72ppmという結果を得ている。このデータからは,塩
素イオン濃度と金の溶解量とは比例せず,金の溶解は1
~ 3 Nと言う比較的低濃度領域の塩酸溶液によく溶解し
ていることが伺える。

一方,Honma et al(. 1991a)は,金銀比率を変えた合成
エレクトラムと6 N塩酸を150℃,120日間反応させた結
果を報告している。彼らによれば,金銀の原子比(以降,
金銀比と記す)が10:90の系では,溶液中に金が2.8ppm
(0.47%),銀が508ppm(17.16%),金銀比25:75の系で
は金0.3ppm(0.02%),銀110ppm(3.13%),金銀比50:
50の系では金171ppm(5.94%),銀89ppm(5.62%),金
銀比75:25の系では金532ppm(12.05%), 銀212ppm
(26.3%),金銀比90:10の系では金367ppm(8.65%),銀
452ppm(20.1%)の溶出が見られた。この実験結果か
ら,金の溶出は金銀比25:75以下ではほとんど見られな
いが,銀の溶出はある程度はある。それに比べ,金銀比
50:50以上の系では多量の金を溶出している。また,銀
は量的には少ないが比率的にはかなり溶出していること
がわかる。

また,大沢ほか(1993)や中田ほか(1994)は各々,
合成エレクトラムと水硫化ナトリウム溶液及び硫化ナト
リウム溶液との反応結果を報告している。彼らによれば,
金銀比に応じて金の溶出が見られるが,最大で13ppmで
あった。銀は全ての系で0ppmであった。すなわち,銀
は硫化物として合成エレクトラムの外縁に沈殿している
ためである。また,彼らは,金銀原子比10:90の合成エ
レクトラムが金,銀の溶解・溶出により小さくなった状
態のものを分析し,最大で金銀比約60:40のエレクトラ
ムにまで変化したことを報告している。
これらの結果から,塩素イオン種を含む酸性溶液は金
や銀を,硫黄イオン種を含む溶液はエレクトラムの銀を
溶解・溶出することに寄与していることが言える。

IV.金の沈殿実験
本間・藤井(1981)は,常温で塩化金酸溶液とシリカ
ゲルあるいは炭酸カルシウム粉末における塩化金イオン
の金還元・沈殿実験をしている。その結果,シリカゲル
系では酸性領域でのみ塩化金イオンの還元・沈殿(シリ
カゲル中には赤味や青味を帯びた微細な金のバンドが見
られ,シリカゲル上には肉眼的な金の結晶が生成した)
が認められた。炭酸カルシウム系では弱~微アルカリ領
域でわずかな金の還元・沈殿が認められた(青味を帯び
た微細な金のみの生成)ことを報告している。シリカゲ
ルによる塩化金イオンの還元・沈殿機構について,Fujii
et al(. 1977)は実験系内に生じたわずかな過酸化水素の
発生を暗示し,それによる還元機構を述べている。また,
本間ほか(1983)は,シリカゲル系では細かいシリカゲ
ルほど塩化金イオンの金還元能力があることを示してい
る。炭酸カルシウム系では本間・藤井(1981)と同様,
金還元能力の低いことを示している。また,活性炭を用
いた系においては,実験開始から1~3日で全ての塩化
金イオンの金を還元・沈殿してしまった。つまり,活性
炭にはかなりの還元能力があることを示した。
一方,大沢ほか(1998)は,水酸基,アルデヒド基及
びカルボキシル基などを含む物質と塩化金イオンの還元
との関係を調べた。その結果,酢酸(カルボキシル基)
―エタノール(水酸基)―蟻酸(カルボキシル基+アル
デヒド基)の順に塩化金イオンの金還元能力が高いこと
を示した。更に,分子量の大きいフミン酸では反応時間
の増加や反応温度の高温化に従って塩化金イオンの金還
元量が増えることを報告している。
V.考  察
Boyle(1979)に引用されているように,多くの文献に
よれば,それぞれの砂金の産地における金品位は,通常
それがもたらされたであろう元の鉱床中の金の金品位よ
りも高いことが述べられている。更に,金の露頭(元の
鉱床)から遠くなればなるほど,そして,砂金粒の大き
さが小さくなるほど金品位は高くなる傾向にあることも
知られている。それらの原因としては,元の金粒に含ま
れる銀成分が抜け出すような都合のいい条件下での酸化
作用の結果として考えられている。このことについて,
筆者等の実験データから,一つの可能性として次のよう
なことが考えられる。すなわち,さほど濃度の高くない
塩素イオンを含む溶液にしても,また,硫黄イオン種を
含む溶液にしても,すなわち,言い換えれば,第四紀の
火山性酸性熱水(温泉水)と見なしていいような溶液と
(砂)金粒との長期間の反応によって,前述の実験結果
のように金に比べ銀の溶出率が高いことなどから,より
金品位の高い砂金粒になること,更に,元の金粒に比べ,
溶出の結果,その大きさが小さくなると言う実験結果と
前述の天然での産状がよく一致する。また,これらの溶
液が砂金粒との反応期間が短ければ,砂金粒の周縁部
がより金品位に富む状態になることも実験結果から推察
できる。ただし,この場合のもう一つの考え方は,元の
砂金粒の外側に新たに金が沈殿して,周縁部の金品位が
高くなったこともあり得るだろう。このような場合には,
元の金粒より大きな砂金粒として産することもあるだろ
う。金の沈殿のみならず,Honma and Nakata(1986)によ
れば,常温でもエレクトラムの生成が報告されているの
で,そのようなものの沈殿も考えられる。

また,結晶,樹枝状や羽毛状などの珍しい形態を示
す砂金については,元の鉱床中にあったそのような形態
の金粒が,多少なりとも溶解され,運搬されたものと解
釈すれば,その運搬過程で,砂粒や礫などとの衝突や
摩擦などの影響が考えられる。すなわち,結晶や樹枝状
などの形態を示すものは,溶解したり,摩耗したり,つ
ぶされるため,元のきれいな形態を保っていることは考
えにくい。しかし,現実には,それら繊細な結晶形態を
示すものの中には,きれいな形態を示すものがある。こ
のことは,元の鉱床から運ばれてきたのではなく,上述
の溶液などによって金粒が溶かされ,金錯イオンとして
運ばれてきたものがその場で金が還元・沈殿したした
もの,すなわち,その場で「おがった」ものとして理解
した方がよいと思われる。実験結果から推察すると,そ
のような場には,丸みを帯びた砂や礫や滑らかな露頭で
はなく,プラスのチャージを持つ角ばった石英粒や岩片
などの砂利の存在が考えられる。そのような場所で緩
やかな流れの中でゆっくりと「おがった」ものと思われ
る。樹枝状結晶は,実験的にも急激な成長をしなくとも
十分に形成されることが認められている。また,Honma
et al(. 1991b)は熱水条件で3mm以上の金の結晶を得て
いる。それらの若干変形したものは,その後の移動によ
るものと理解される。その他の可能性としては,腐食層
を経てきた表層水中に腐食酸などの有機酸が含まれた溶
液と金錯イオンを含む溶液との混合によって金錯イオン
の金還元もあり得る。更には,炭化した化石などによる
金錯イオンの金還元もあり得るだろう。炭化した葉の化
石に金が附着していたりする金などはまさにその場で金
が「オガッタ」ものと理解される。大規模な例としては,
黒色頁岩中の金鉱床などが上げられる。一方,金錯イオ
ンの還元集積は上述の化学的な反応ばかりではない。生
物の関与した集積も考えられる。即ち,植物などに寄生
するバクテリアの一種 Pseudomonas putida などは金錯イ
オンを金として生体内に取り入れる事ができる(本間ほ
か,1997)。長期間を考えれば,バクテリアによる金の集
積も十分考えうる事である。
金塊(nugget)に関しては,実験からは,写真a に示
したように,含金溶液から還元・沈殿した金粒の一部に
樹枝状をしたものが見られる。それらが,移動時に互い
に接することによって,機械的な連結が起こることは実
験的に確かめられている。筆者等は写真b に示すような
幾つかの小さな金粒をシリカゲルの上で転がして互いに
ぶつけてやることによって連結し,最終的には写真c の
ような約5mmの大きさの金塊を作った。これは水分を
のぞくと約5mmの扁平なものになってしまう。しかも,
機械的な連結をした金の塊にはその空間に石英粒やシリ
カゲル粒が認められなかった。つまり,金塊は実験的に
は金のみが集まるような状況であった。しかし,天然の
ものではしばしば金以外の不純物,例えば,石英粒,岩
片,硫化鉱物などを混在する場合もある。これは,その
不純物は砂金の移動中に偶然機械的に取り込まれた場合
と,元々金と共生していて分離しなかった場合があるこ
とは考えておかねばならない。しかし,金塊の中には希
有な例ではあるが,数kgから数十kgのものが発見され
ている。鹿児島県の東山が野鉱山の様に,元々大きな金
塊として産したものが砂金として発見される場合もある
であろう。しかし,これは一般的でないと思われる。し


写真 a  還元沈殿した金(透過光)

写真 b  シリカゲル上に析出した還元金の小集合体

写真 c  b)の試料を転がすことによって造った金塊
(写真a, b, c は、本間ほか(1976)より引用)

からば,大きな金塊は単に,上述のような樹枝状部分に
よる連結によって大きくなったとは考えにくい。これは
同じ機械的といってもかなり大きな力が加わって,砂金
同士を強引に結びつけたような感じがする。
V.引用文券
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学32,139-147
鹿園直建,本間久英,中田正隆(1990):酸溶液における金の溶
解と鉱液化学.浦島幸世教授退官記念論文集,233-237
Shikazono, N., Honma, H. and Nakata, M. (1992): Dissolution of Gold
in Hydrochloric Acid Solution at 150˚C. Hiyoshi Reviews of Nat.
Sci., Keio Univ., No. 11, 1-4

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Gold nugget

http://en.wikipedia.org/wiki/Gold_nugget



A gold nugget is a naturally occurring piece of native gold. Watercourses often concentrate nuggets and finer gold in placers. Nuggets are recovered by placer mining, but they are also found in residual deposits where the gold-bearing veins or lodes are weathered. Nuggets are also found in the tailings piles of previous mining operations, especially those left by gold mining dredges.


Gold Nugget Patch - Easter Saturday 2013


公開日: 2013/04/03
Proud supporters of.... http://www.prospectingaustralia.com.a...
When the GOLD keeps flowing, the fever keeps growing. A great day on the nuggets.



2012 SEASON - THE GOLD PROSPECTOR MINER



公開日: 2013/02/26
Well the 2012 seasons prospecting is over but it has also lead to greater insight to the gold paths and next season will be even better......so let's reflect on last season and dream about the one to come.

Video includes all the sampling holes and plant wildlife and yes lot's of gold.


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How to find gold Using a blow tube



公開日: 2013/10/20
A quick and efficient method of checking Gold values in dry Creek beds.


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V2 177 ounce Gold Nugget Ballarat  



公開日: 2013/02/02
Voice and video, wide format, 177 ounce gold nugget found near Ballarat.

Posted by The Mining Exchange Gold Shop, Ballarat. (Cordell Kent)

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井川砂金採り



アップロード日: 2011/12/04

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荒川で砂金堀り


アップロード日: 2010/12/15
長瀞は採集禁止なので下流域でやりました。でも、ちゃんと採れます。

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砂鉄擦り取り、砂金叩き出し



公開日: 2012/08/16
砂金掘り大会練習映像 砂鉄擦り取り、砂金叩き出し部分
 
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自然金



アップロード日: 2010/12/08
古い鉱山跡付近見つけたもの

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