問われているのは過去の戦争に対する日本の態度
Posted by GAKU on 2013/12/30
http://ratio.sakura.ne.jp/archives/2013/12/30140012/
大使は、「中国は一貫して日本の軍国主義者と日本人民を区別し、戦犯と一般兵士を区別して考えている」「戦争の責任は一握りの軍国主義者が負うべきだ」として、「我々は一般市民が自らの親族を弔うことに異議はない」と述べるとともに、同時に「日本の指導者の参拝は侵略戦争の性格と責任に対する認識にかかわるもので、中国は絶対に受け入れることはできない」と指摘している。
さらに、靖国神社が、現在も「侵略戦争を躍起になって美化し、歪曲し、現在の国際世論とは全く相いれない間違った歴史観を宣揚している」と述べて、「日本の指導者がこうした場所で『英霊』を参拝し、侵略戦争を発動した当時の元凶に対し、『平和』『不戦』を言っても、被害国の人民は受け入れられないし、国際社会も信じないだろう」と指摘する。
こうして問題は、日本が過去の戦争にたいしてどういう態度を取るのか、侵略戦争だったという反省にたってのぞむのか、それとも「自衛のための戦争」「アジア解放のための正義の戦争」と美化するのか、その点についての日本政府の立場と認識にあることが分かりやすく丁寧に指摘されている。
安倍首相の“靖国参拝”程永華・駐日中国大使の寄稿 毎日新聞(2013/12/30)
[毎日新聞 2013/12/30朝刊]
安倍晋三首相の靖国神社参拝について、中国の程永華駐日大使が毎日新聞に寄稿し、「不戦の誓い」をする場を間違えていると厳しく批判した。
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日本を代表する政府の指導者が第二次世界大戦のA級戦犯も合祀されている靖国神社を参拝することは、日本政府の過去の戦争に対する認識と姿勢、戦後の中日関係の回復と発展の政治基盤、広範な被害国人民の感情にかかわるものであり、日本の進む方向にかかわるものである。これ自体が政治、外交問題だ。
中国は一貫して日本の軍国主義者と日本人民を区別し、戦犯と一般兵士を区別して考えている。日本軍国主義が発動した戦争で中国人民は甚大な災難に遭い、日本人民もその害を深く受け、あの戦争の責任は一握りの軍国主義者が負うべきだと考えている。ポツダム宣言と極東軍事法廷の裁判を受け入れたことが日本の戦後の再生の前提であり、日本政府は約束を守り、侵略戦争の性格とA級戦犯の戦争責任問題に対する明確な責任ある姿勢をとるべきだ。我々は一般市民が自らの親族を弔うことに異議はないが、日本の指導者の参拝は侵略戦争の性格と責任に対する認識にかかわるもので、中国は絶対に受け入れることはできない。
日本に自らの死生儀、宗教観があるのはいいが、それを日本の指導者がA級戦犯を含むいわゆる「英霊」を参拝する理由にすることはできない。A級戦犯も死ねば、尊崇に値する「英霊」になるというのだろうか。生前の犯罪行為と戦争責任も帳消しになるのだろうか。人はみな最低限の善悪、是非の観念があり、これは宗教、文化とは関係がない。我々はドイツの政治家が自らの死生観、宗教観を理由に、ヒトラーをはじめとする戦争狂が死をもって罪をあがなったからと墓を建て、参拝したということを聞いたことがない。
安倍首相は参拝後の談話で、過去への反省の上に立って「不戦の誓い」を堅持していく決意を新たにしたと述べた。しかし、靖国神社での「不戦の誓い」というのは場所を聞違えており、世界の良識ある人に強い反感と疑念を抱かせた。靖国神社は戦前、日本軍国主義の対外侵略の精神的な支柱であり、現在もA級戦犯をまつっているだけでなく、侵略戦争を躍起になって美化し、歪曲し、現在の国際世論とは全く相いれない間違った歴史観を宣揚している。その中の「遊就館」は典型だ。日本の指導者がこうした場所で「英霊」を参拝し、侵略戦争を発動した当時の元凶に対し、「平和」「不戦」を言っても、被害国の人民は受け入れられないし、国際社会も信じないだろう。これは平和に対する冒涜と言わざるを得ない。
また、安倍首相は中国、韓国の人々の気持ちを傷つけるつもりはないと強調し、敬意を持って友好関係を築いていきたいと願い、中国の指導者に直接説明する機会を得ることを希望した。だが、侵略戦争を美化する靖国神社を参拝したことで、国際社会と中国の民衆が見たものは当時の加害者に対する「敬意」と「尊崇」であり、想起したものは日本軍国主義が発動した侵略戦争によって中国人民とアジアの隣国にもたらされた甚大な災難だ。歴史をかがみとしなければ未来を志向できず、中日関係も正しい発展の方向を堅持することはできない。
日本の指導者が靖国神社を参拝することは侵略戦争に対する日本政府の認識と中日関係の政治基盤、また日本とアジアの隣国、国際社会の関係の政治基盤にかかわるもので、日本の内政若しくは一個人の問題では決してない。我々は日本の為政者が問題の本質を認識したうえで、日本国内の平和勢力の声に一層耳を傾け、アジアの隣国と国際社会の正義の声を重視し、歴史の教訓を深くくみ取り、平和的発展を真に堅持し、隣国と真に平和共存することを希望する。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A8%8B%E6%B0%B8%E8%8F%AF
程永華
程 永華(てい えいか、中国語読み:チョン・ヨンホワ、1954年9月 - )は中華人民共和国の外交官、政治家。中華人民共和国外交部アジア局副局長、駐マレーシア特命全権大使、駐大韓民国特命全権大使を経て、2010年から駐日本特命全権大使。2012年創価大学名誉博士。
中国吉林省長春市出身。小学校3年で長春外国語学校日本語コースに入学。1973年、外交官研修のため中国外務省から派遣され、日中国交正常化後初の中国人留学生として来日。当初、中国人の国立大学への入学が認められなかったため和光大学で2年間学ぶ。しかし、和光大学の体制に問題があったため、1975年から池田大作創価学会会長が保証人となり、中国人留学生の正式な受け入れを初めて行った創価大学に正式に留学して学ぶ[1]。入学時に池田会長が中国の周恩来首相と会談したのを記念し、周桜をキャンパスに植え、現在も毎年観桜祭が行われている[2]。
1977年から駐日大使館勤務。1992年から中華人民共和国外交部アジア局副課長を務める。同課長を経て、1996年から駐日大使館参事官。同公使を経て、2000年本省に戻りアジア局副局長。2003年駐日公使、2006年駐マレーシア大使を経て、2008年駐韓国大使。
日本語に堪能で、1977年を皮切りに、2000年まで三度に渡り、駐日大使館勤務を経験した日本専門家。2009年12月、次期駐日大使に内定、翌2010年(平成22年)2月28日に着任し、同年3月23日に皇居宮殿で信任状捧呈式が行われた[3]。
2010年12月18日、長崎県の原子爆弾落下中心地碑に献花をした[4][5]。
最終更新 2013年8月16日
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