2013年5月22日水曜日

セシウム吸着剤の開発

http://www.dailymotion.com/video/x100tfs_%E6%B1%9A%E6%9F%93%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E5%BB%83%E6%A3%84%E7%89%A9%E3%82%92%E6%B8%9B%E3%82%89%E3%81%9B-%E6%96%B0%E3%81%9F%E3%81%AA%E6%94%BE%E5%B0%84%E6%80%A7%E7%89%A9%E8%B3%AA%E5%90%B8%E7%9D%80%E5%89%A4%E3%82%92%E9%96%8B%E7%99%BA_news?search_algo=2#.UZwkC76CiUk



汚染された廃棄物を減らせ!新たな放射性物質吸着... 投稿者 tvpickup

汚染された廃棄物を減らせ!新たな放射性物質吸着剤を開発
“第2の祖国”日本を救いたい!~エジプト人科学者の決断

福島第一原発事故から、2年以上が経った今も、現地では、放射能との闘いが続いている。
除染作業が進められているが、作業後に出た廃棄物の仮置き場がもう限界なのだ。
そんな行き場のない廃棄物を減らす可能性を秘めた、放射性物質の吸着剤が、新たに
開発された。生みの親は、エジプト人科学者、シェリフ・エル・サフティ、44歳。
シェリフが日本で長年研究してきた、ナノ原料工学の技術を駆使して、
放射性セシウムだけをつかまえるという吸着剤「HOM」を作ったのだ。
開発のヒントになったのは、母国エジプトの砂漠の“砂”―。

シェリフはもともと、ヒ素に汚染された水からヒ素を取り除く吸着剤を研究していたが、
2011年3月の原発事故後、家族に説得され、やむなくエジプトに帰国した。
しかし、日本のことを考えない日はなかった・・。そこに届いた日本の恩師からのメール。
「日本は放射能の問題に直面している。今こそ、君の技術が役立つと信じている」

『「命のための科学」・・ 私の研究は、命を守るためにある』
放射能で苦しむ日本を、科学の力で救いたい―。シェリフは、日本に戻ることを決意した。
そして、ヒ素吸着剤の技術を応用して、ついにHOMを開発、今年、その実証実験が
行なわれた。シェリフの吸着剤は、どれだけ放射線量を下げることができるのか―?
遠く離れたエジプトと日本を結ぶ、シェリフの「命のための科学」に迫る。
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画期的なセシウム吸着剤を開発

http://www.nims.go.jp/genso/topics/0ej00700000036uz.html

元素戦略材料センター資源循環設計グループのシェリフ・エル・ザフティ主幹研究員は、除染濃度領域でこれまでの吸着剤の二けた上の性能を持つセシウム吸着剤を開発した。
 
画期的な応用の可能性を持つセシウムの吸着体を開発
 
 早稲田大学の客員教授であり、物質・材料研究機構の元素戦略材料センター資源循環グループのシェリフ・エルザフティ主幹研究員は、画期的な応用の可能性のある新たなセシウム吸着材(Cs-HOM)を開発し、それを、2013111日に化学会館で行われる未踏科学技術協会の特別講演会・第一回環境技術シリーズで公表した。
 
このセシウム吸着体(Cs-HOM)は、筑波大学との共同実験での放射性セシウムの吸着試験で、従来セシウムの吸着に多用されるゼオライトの二桁上の吸着特性を持つことが確認された。この性質を生かすことができれば、吸着後の放射性処理物の量を大幅に低減することができる。
 
また、吸着体は往々にしてセシウム以外の混在成分も吸着し、そのために余分の吸着体が必要となる場合があるが、このCs-HOMは吸着に対して優れた選択性を持ち、同程度のNa,Ca,Mg,Clイオンならばそれらの中からCsを選択的に吸着できる。この特性を利用すれば、CsよりはるかにNaCaの多い海水や飛灰溶解物からも少ない容積でセシウムを取り出せるようになる可能性がある。
 
さらに、この技術は従来から開発してきたHOM(高秩序メゾボーラス材料)によるヒ素や重金属センサー/吸着体の技術を発展させたものであるため、濃度に応じて(1ppbから)色が変化するセンシング機能を持っており、このセンシング特性を生かした応用も期待できる。
 
このCs-HOMはシリカ(SiO2)やアルミナ(Al2O3)という土壌中どこにでもある物質をもとに合成されており、毒性となる可能性の物質を含まないために、飲料水などの除染にも使える可能性がある。
 
そのさい、Cs-HOMは通常の水環境で使用でき、酸やアルカリなどの調整も不要であり、廃酸、廃アルカリの処理も不要である。
 
また、合成時に磁性を持つ物質を配合することで吸着体に磁性を持たせることができることも確認されており、磁気分離などと組み合わせた効率的な除染システムが構築される可能性がある。
 
Cs-HOMは微細粉末ではなく、10nm程度の微細な孔をもったかたまり(パウダーに対してモノリスと呼ぶ)で生成するため、微細孔の状態を保ったままで任意の粒度に調整できる可能性が高く、砂や活性炭を用いた既存の浄化システムがそのまま生かせる可能性がある。
 
このように多くの可能性をもったCs-HOMであるが、研究室では予想できない現場での問題も多々存在していると思われ、さまざまな技術やアイデアと結び付けて、一日も早く放射性セシウムの除去に貢献する技術としていきたいと開発者のシェリフ・エルザフティ主幹研究員は考えており、技術の内容を公表しその利用方法を広く議論したいと考えている。
 
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お問い合わせ先


技術問い合わせ先 Sherif El-Safty物質・材料研究機構主幹研究員 TEL 029-859-2135  (日本語 鬼澤秘書 TEL 029-851-3354内線2135) E-mail: Sherif.ELSAFTY@nims.go.jp (英語のみ) E-mail: ONIZAWA.Ryoko@nims.go.jp (日本語対応可能) 原田幸明 物質・材料研究機構 特命研究員 TEL 029-859-2668 E-mail: HALADA.Kohmei@nims.go.jp
 


 
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プルシアンブルーを利用して多様な形態のセシウム吸着材を開発

-汚染水や土壌などさまざまな環境に適用可能-

ポイント

  • 安価な顔料であるプルシアンブルーを利用し、優れたセシウム吸着能力を持つ吸着材を開発
  • 用途に応じて、布状、液状、ビーズ状など多様な形態のセシウム吸着材が使用可能に
  • 放射性物質漏洩事故などにおける環境中の放射性セシウムの除去に期待

概要

 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 野間口 有】(以下「産総研」という)ナノシステム研究部門【研究部門長 八瀬 清志】グリーンテクノロジー研究グループ 川本 徹 研究グループ長、田中 寿 主任研究員、北島 明子 産総研特別研究員は、大日精化工業株式会社【取締役社長 高橋 弘二】(以下「大日精化」という)、関東化学株式会社【代表取締役社長 野澤 学】(以下「関東化学」という)と共同で、安価な顔料であるプルシアンブルーを利用し、さまざまな用途に使用できる各種セシウム吸着材を開発した。
平成23年3月11日の東北地方太平洋沖地震に伴い発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故により、さまざまな場所で放射性セシウムが検出されている。この放射性セシウムの回収には、選択的にセシウムを吸着し、かつ多様な形態で使用できる吸着材が必要である。今回、産総研で独自に開発したプルシアンブルーのナノ粒子と市販品のプルシアンブルーを適切に使い分けることで、布状、液状、ビーズ状など、用途に合わせて使うことのできる各種セシウム吸着材を開発した。これらのセシウム吸着材によって、汚染水や土壌など環境中の放射性セシウムの除去に貢献できることが期待される。
なお、この成果の一部は、平成23年8月24日に、独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構の「福島県飯舘村現地水田ほ場における農地土壌等における放射性物質除去技術開発のための一連の試験」で使用される予定である。
プルシアンブルーを利用した各種セシウム吸着材の写真
図 プルシアンブルーを利用した各種セシウム吸着材

開発の社会的背景

 2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震に伴い発生した東京電力福島第一原子力発電所の放射性物質漏洩事故により、環境中に多くの放射性物質が放出され、大きな社会問題となっている。放出された放射性物質は主としてヨウ素131、セシウム134、セシウム137である。ただし、ヨウ素131は半減期が8日と短いため、長期的に問題となるのは半減期が約2年のセシウム134と、半減期が約30年のセシウム137の二種類であると考えられる。これらを人為的に無害化することは困難であり、対策としては、放射性セシウムを生活環境中から除去し、管理された区域に封じ込めるなどの方法が必要となる。この際に、放射性セシウムを選択的に取り込める吸着材が重要となる。
また、放射性セシウムは環境中の多様な場所に飛散しているため、その対象によって除染の方法が異なる。例えば、放射性セシウムを含んだ汚染水の浄化では、放射性セシウムを吸着する吸着材を充填したカラムに通水し、放射性セシウムを水から除去することなどが考えられる。放射性セシウム濃度が高い場合は、放射線に弱い有機高分子材料などを含有しない吸着材が望ましいが、放射性セシウム濃度が低い場合は、吸着後に体積を減らすことのできる吸着材が望ましい。一方、農作物が放射性セシウムを吸収することを防止するためには、セシウム吸着材を農地に散布し、放射性セシウムを吸着させる手法が考えられる。この場合は、土壌とセシウム吸着材の接触面積を増やすため、より微細な粒子を水に分散させて散布することが望ましい。このように、放射性セシウムの対策に必要とされる吸着材の形態は多様である。
セシウム吸着材としてはゼオライトなどの天然鉱物と並び、プルシアンブルーという顔料が知られている。プルシアンブルーは、高いセシウム吸着能力と共に、安価であること、金属置換により吸着能力をさらに改善できることなどの特徴を持つ。

研究の経緯

 産総研は、2005年頃からプルシアンブルーを利用した機能性材料・素子開発を進めてきた。その中で、原子力発電所で排出される放射性廃液から放射性セシウムを回収するシステム開発も行ってきた。特にプルシアンブルーやプルシアンブルー類似体のナノ粒子化と、それを利用した素子開発を進めてきた。
2011年3月以降、放射性セシウムの対策として、大日精化、関東化学と共にプルシアンブルーを利用した各種セシウム吸着材の開発に着手した。さらに、平成23年度科学技術戦略推進費「放射性物質による環境影響への対策基盤の確立」の中でセシウム除染の一手法として、農地などの除染に関する技術の開発に参加し、この事業の中で、ゼオライトなどのセシウム吸着材と比較して、プルシアンブルーが、加工性、即時調達性に優れている点を生かしてさまざまな吸着材の開発を担当している。本研究開発の一部は、この事業において実施されたものである。

研究の内容

 今回、二種類のプルシアンブルー材料を適切に使い分けることでさまざまな形態のセシウム吸着材を開発した。材料の一つは産総研で開発を進めてきたプルシアンブルーのナノ粒子である。通常のプルシアンブルー材料は水に溶けないが、このナノ粒子は水に分散するため、分散液として利用できるほか、布の着色など、多様な用途に利用できる。さらに、粒径が約10ナノメートル(nm)と小さく、大きな比表面積を持つため高い吸着効率も期待できる。また、関東化学により、量産化の検討も進んでいる。もう一つは、大日精化製の「紺青」である。これも基本的な結晶構造はプルシアンブルーと同様であり、セシウム吸着機能を持つ。紺青は、年間約2500トンが生産されているため、即時の大量使用が可能である。また、芝生用着色剤として既に土壌散布に利用されている。図1、表1に今回開発した各種セシウム吸着材とその特徴・用途の概要を示す。
プルシアンブルーを利用して作製した各種セシウム吸着材の写真
図1 プルシアンブルーを利用して作製した各種セシウム吸着材

表1 各種セシウム吸着材の特徴と用途
各種セシウム吸着材の特徴と用途の表

以下、それぞれの吸着材の特徴などを詳述する。
1. 無機ビーズ
紺青と酸化物などの無機材料を混練、加熱することにより、有機材料を含まないビーズを開発した。用途としては、浄水器、カラムなどに充填し、通水することによるセシウム吸着を想定している。樹脂などの有機高分子材料は一般的に耐放射線性が低いとされているのに対して、放射線に対する高い耐久性が期待される無機ビーズは、高濃度汚染水などへの適用が想定される。
2. 着色綿布
ナノ粒子分散液により木綿布を着色、乾燥することにより、セシウム吸着機能を持つ木綿布を作製した。プルシアンブルーナノ粒子は木綿の表面に付着しているため、機能するプルシアンブルーの比が大きく、高速にセシウムを吸着することが期待される。また、木綿は可燃物のため、放射性セシウムをプルシアンブルーに吸着後、焼却処理で木綿を除去し、プルシアンブルーのみを残すことで、放射性廃棄物を著しく減らすことが可能である。ゼオライトのような粒状吸着材と異なり、通水フィルターとして水路などへの設置も容易である。
3. 不織布
不織布製造の際に、材料に紺青を練り込むことにより、セシウム吸着機能を持つ不織布を作製した。不織布は内部空隙が大きく、通水、通風などのフィルター用途への利用が期待できる。着色綿布同様、粒状吸着材と異なり、水路などへの設置も容易である。
4. ナノ粒子分散液
プルシアンブルーナノ粒子分散液は、紺青に比べて粒径が小さいため、比表面積が大きく、吸着機能が高いことが期待される。また、上記着色綿布の着色剤など、吸着材製造の原料としても利用できる。さらに、凝集沈殿法における水溶性セシウム除去にも利用できる。
5. 紺青分散液
紺青を使用した芝用塗料をベースに、原料を調整することで、セシウム吸着用の紺青分散液を作製した。この分散液は、現在、福島県天栄村にて、農作物の放射性セシウム吸収阻害を目的として、畑、水田などに散布し、実証試験中である。また、凝集沈殿法による除染時に添加することで水溶性セシウムを沈殿させる用途にも利用できる。
一般に、セシウム水溶液からセシウムを吸着する能力の判断基準として、分配係数(Kd)がある。着色綿布や不織布のようにほかの材料との複合体に加工するとKdは低くなるが、今回開発したセシウム吸着材はどれも概ね10,000 mL/g以上のKdを示した。これは、加工を加えていないゼオライトの性能に匹敵するものである。特に、ナノ粒子分散液は、複合体への加工をしていないため、1,700,000 mL/gを超えるKdを示すケースもあった。
また、着色綿布については、カラムに充填し、非放射性セシウムイオンが溶解した疑似河川水を通水することにより、カラム形式での吸着能力を評価した。1.81 gの着色綿布を使用し、5.8 ppmのセシウムイオン濃度の疑似河川水(通常の河川の1000倍以上の濃度)を通水した場合の結果を図2に示す。この着色綿布は、通水量が1100 mLを超えるまでセシウムイオンを大幅に吸着し、通水前の約1000分の1の濃度にすることができた。1.81gの着色綿布が吸着したセシウムイオンは6.4 mgであり、セシウムイオンが全てセシウム137であった場合には、20ギガベクレルの放射性物質を河川水から除去できたことになる。
今回開発した吸着材の一部は、既に各種実証試験において使用中、あるいは使用予定である。紺青分散液は、福島県天栄村において、農作物の放射性セシウム吸収を阻害する目的で、水田および畑に散布済であり、農作物の収穫を待ち、その効果を評価する予定である。着色綿布と不織布は、平成23年8月24日に、独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構の「福島県飯舘村現地水田ほ場における農地土壌等における放射性物質除去技術開発のための一連の試験」で使用される予定である。
着色綿布を充填したカラムに、セシウム含有疑似河川水を通水させた際の、通水前のセシウム濃度に対する、通水後のセシウム濃度比率(透過率)の図
図2 着色綿布を充填したカラムに、セシウム含有疑似河川水を通水させた際の、
通水前のセシウム濃度に対する、通水後のセシウム濃度比率(透過率)

今後の予定

 開発した各種吸着材の実証試験を進めると共に、大規模面積に展開できる体制を整えるべく、関連企業などとの連携を進める予定である。

用語の説明


◆プルシアンブルー
1704年に初めて人工的に合成された青色顔料。紺青とも呼ばれる。一般的な組成式はAyFe[Fe(CN)6]x・zH2O(Aはセシウムイオンなどの陽イオン)である。金属錯体や配位高分子と呼ばれる物質群の一種で、ジャングルジムのような内部に空隙を持つ構造を持っており、その空隙にセシウムを取り込むと考えられている。海水のようにナトリウムイオンやカリウムイオンなど、類似のイオンが存在している環境でも、セシウムイオンを選択的に吸着する能力を持つ。[参照元へ戻る]
プルシアンブルーの構造図
◆放射性セシウム
核分裂を起こし、放射線を発するセシウム原子の総称。東京電力福島第一原子力発電所の放射性物質漏洩事故では、半減期の長いセシウム134(半減期約2年間)とセシウム137(半減期約30年間)が、長期間にわたり放射線を発している。[参照元へ戻る]
◆半減期
放射性核種は自然に放射線を放出して別の核種に変化するが、その際、元の放射性核種の量が半分になるまでにかかる時間のこと。半減期が長いほど、放射性物質として長期間残り、放射線を出し続けることになる。[参照元へ戻る]
◆除染
有害物質を環境などから取り除くこと。本件の場合、人間の活動する空間から放射性セシウムを除去することを指す。[参照元へ戻る]
◆ゼオライト
ナノメートルオーダーの細孔が規則的に並んだ多孔性アルミノケイ酸塩の総称を指す。天然でも産出されるが、さまざまの構造・性質を持つものが人工的に合成されている。主な組成はSi(ケイ素)、Al(アルミニウム)、O(酸素)もしくはP(リン)からなる。分離材、吸着材、触媒(担体)など、利用範囲が広範囲である。[参照元へ戻る]
◆分配係数(Kd)
ある物質が、接触する2つの相にどのような比で存在するかを表す係数。セシウム水溶液と吸着材の場合には、{(吸着前の水溶液濃度)-(吸着後の水溶液濃度)}/(吸着後の水溶液濃度)× 水溶液体積(mL)/吸着材重量(g) で計算することができる。Kdの値が大きいほど、少ない吸着材の量で多くの目的物質を効率よく吸着できる。[参照元へ戻る]
◆ベクレル(Bq)
放射能とは放射線を出す能力で、この放射能を表すSI単位系の基本単位がベクレル(Bq)である。1秒間に一つの原子核が崩壊して放射線を放つ放射能が1 Bqとなる。1ギガベクレル(GBq)であれば、1秒間に10億個の原子核が崩壊し放射線を放つことを表す。[参照元へ戻る]

関連情報一覧

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日立など、放射性セシウム/ストロンチウムを99%以上除去できる吸着剤を開発

http://news.mynavi.jp/news/2013/04/05/079/index.html?route=blog

[2013/04/05]

日立製作所と日立GEニュークリア・エナジーは4月4日、福島第一原子力発電所で発生する放射性物質を含む滞留水の処理への適用を目指して、水中に溶解した放射性セシウムと放射性ストロンチウムを同時に99%以上の除去率で除去できる吸着剤を開発したことを発表した。
福島第一原子力発電所で発生した発電所建屋内の高濃度滞留水は、セシウムなどの放射性物質と海水成分(ナトリウム、塩素、カルシウムなど)を含んでおり、現在も放射性セシウムの吸着処理、ならびに海水成分の逆浸透膜での淡水化処理による浄化作業が続けられている。淡水化処理では淡水と濃縮海水が生成され、濃縮海水に微量の放射性セシウムと高濃度の放射性ストロンチウムが含まれ、液体の状態でタンク内に保管されているが、もし漏水すれば放射性物質が飛散する可能性などがあるため、その除去技術の確立が求められていた。
セシウムとストロンチウムは元素周期律表で属する族が異なり、水中に溶解した際の電荷やイオンの大きさが違うため、セシウム、ストロンチウムを吸着剤で除去する場合、従来は、セシウム用、ストロンチウム用のそれぞれ異なる種類の吸着剤を使用する必要があった。今回、日立などはチタン酸塩化合物に特殊処理を施すことで、セシウムとストロンチウムの同時吸着を実現したという。
また、滞留水に含まれる海水成分のナトリウム、カルシウムは、それぞれセシウム、ストロンチウムと化学的性質が類似しており、同様に吸着剤に吸着されるため、従来の吸着剤は海水条件でセシウム、ストロンチウムの吸着性能が低下する傾向があったが、同吸着剤では、セシウム、ストロンチウムを選択的に吸着する性質があるため、海水条件でも高い吸着性能を維持することが可能。
さらに、滞留水の組成を模擬した水からセシウムとストロンチウムを除去する実験を行ったところ、吸着剤体積の3000倍の量の水からセシウムとストロンチウムを99%以上除去できることを確認。これにより、同吸着剤を適切に用いることで、従来よりも簡便に処理水から放射性セシウムと放射性ストロンチウムを除去することができ、厚生労働省の飲料水の新基準値(10Bq/L以下)を満足させることもできるようになるという。
なお日立では、同吸着剤を淡水化処理の上流側のプロセス、または濃縮海水の処理プロセスで使用することで、従来の半分の吸着剤で滞留水から放射性セシウムと放射性ストロンチウムを除去することができるようになると説明している。

滞留水の処理の流れ

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