2013年9月25日水曜日

福島第一原発) これまでの「大気への放出量」と、全「放射能量」

http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/400/78612.html

2011年04月14日 (木)

福島第一原発) これまでの「大気への放出量」と、全「放射能量」

記載がやや遅れてしまいましたが、「重要データ」なので記録します。

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①"大気中に"放出された放射性物質について
環境中に出た総量は分かりませんが、4月12日に原子力安全・保安院が公表したデータによると、大気中に放出されたヨウ素131とセシウム137の量は、ヨウ素換算値で次のとおり。
▼原子力安全・保安院の試算・・・37京ベクレル(3.7×1017Bq)。JNES=原子力安全基盤機構による「原子炉状態の解析結果」に基づいて試算した数値。
▼原子力安全委員会の試算・・・63京ベクレル(6.3×1017Bq)。ヨウ素131とセシウム137のモニタリング測定結果から逆算した数値。
この値は、チェルノブイリ事故で放出されたヨウ素131とセシウム137のヨウ素換算値→ 520京ベクレルと比べると、1割程度になります。

============  1京は、1兆の1万倍 ============

では、福島第一原子力発電所の1~6号機には、そもそも、どれだけの放射性物質があるのか、以下に記載します。

②"福島第一原発の全「放射能量」"(東京電力12日公表)
ここに示したのは、ヨウ素・セシウムだけでなく、希ガスやさまざまな核分裂生成物を含んだ数値です。しかも核種ごとのベクレル値を単純に足し合わせた数値とのことですので、ヨウ素131とセシウム137をヨウ素換算した前述の"大気中への放出量"と単純に比べることはできません。ちょっと難しいですね・・。  なお放射性物質の量は、自らの崩壊により1ヶ月間に少なくなっています。

********   3/11(事故発生時)   4/11(1ヵ月後)   
1号機    炉心     1.4×1020  Bq   炉心     1.6×1019  Bq
    プール  2.9×1018  Bq   プール  2.9×1018  Bq
    合計     1.4×1020 Bq   合計     1.9×1019 Bq
      (14,000京ベクレル)          (1,900京ベクレル)
2号機   炉心     2.5×1020  Bq   炉心     2.8×1019  Bq
    プール  5.7×1018  Bq   プール  5.7×1018  Bq
    合計     2.5×1020 Bq   合計     3.3×1019 Bq
      (25,000京ベクレル)          (3,300京ベクレル)
3号機   炉心     2.5×1020  Bq   炉心     2.8×1019  Bq
    プール  5.2×1018  Bq   プール  5.2×1018  Bq
    合計     2.5×1020 Bq   合計     3.3×1019 Bq
      (25,000京ベクレル)           (3,300京ベクレル)
4号機   炉心        0        Bq   炉心          0        Bq
    プール  2.1×1019  Bq   プール  2.1×1019  Bq
    合計     2.1×1019  Bq   合計     2.1×1019  Bq
        (2,100京ベクレル)        (2,100京ベクレル)
     
5号機   炉心     1.4×1019  Bq   炉心     1.1×1019  Bq
    プール  1.1×1019  Bq   プール  1.0×1019  Bq
    合計     2.5×1019  Bq   合計     2.1×1019  Bq
         (2,500京ベクレル)        (2,100京ベクレル)
6号機   炉心     9.6×1018  Bq   炉心     9.6×1018  Bq
    プール  9.3×1018  Bq   プール  9.3×1018  Bq
    合計     1.9×1019  Bq   合計     1.9×1019  Bq
           (1,900京ベクレル)          (1,900京ベクレル)
     
 ********   3/11(事故発生時)   4/11(1ヵ月後)  
合計   炉心     6.6×1020  Bq   炉心     9.2×1019  Bq
    プール  5.5×1019  Bq   プール  5.4×1019  Bq
    合計     7.2×1020 Bq   合計     1.5×1020 Bq
      (7垓2,000京ベクレル)     (1垓5,000京ベクレル)
垓(がい) 1020      京(けい)  1016


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http://ameblo.jp/nekoneko1114/entry-11012278864.html?frm_src=thumb_module

福島第一原発及び広島原爆から放出された放射性物質に関する試算値(8/26)

2011-09-09 07:36:40

6月に試算したものを内閣交代のドサクサに紛れてこっそり公表していましたが、プルトニウム238・239・240、ストロンチウム89・90が大気中へ大量放出されていますね。

6月までのブログでは、 
チェルノブィリが520万テラベクレル放出で広島原爆400個分、福島第一原発の全放射能量は3/11現在7億2000万テラベクレルで広島原爆55384個分、4/11現在は1億5000万テラベクレルで広島原爆11538個分。
ハロゲン類の全放射能量8100万テラベクレルのうち、大気中へ放出された85万テラベクレルは広島原爆65個分、全体の1%程度。

6/30現在の高濃度汚染水12万1170トンは83万テラベクレルで広島原爆63個分貯まっているが、既に4720テラベクレル広島原爆0.4個分を放出。これを濃縮して2千立方メートル20万テラベクレルの高濃度汚泥として保管。
と説明してきました。
これは、チェルノブィリの520テラベクレル=広島原爆400個分という換算を使用していたものですが、公表されている85万テラベクレル広島原爆65個分はヨウ素換算されたハロゲン類だけで、その他の核種が含まれていません。
各地で行われている空間や土壌の放射性物質の調査は、主としてヨウ素とセシウムに限られていますが、プルトニウムやストロンチウムなどの核種についても計測して公表すべきですね。


【プレスリリース】
平成23年8月26日
東京電力株式会社福島第一原子力発電所及び広島に投下された原子爆弾から放出された放射性物質に関する試算値について
原子力安全・保安院では、このたび、東京電力株式会社福島第一原子力発電
所及び広島に投下された原子爆弾から放出された放射性物質について、試算を行いましたので、お知らせいたします。
1.原子力安全・保安院では、東京電力株式会社福島第一原子力発電所及び
広島に投下された原子爆弾から放出された放射性物質について、川内博史衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会委員長から提出を求められたため、それぞれ核種ごとの放射能量を試算しました。
2.なお、これらの人体、環境に影響を与える仕組みや態様の異なるものを放射性物質の放出量で単純に比較することは、合理的ではないと考えています。
(本発表資料のお問い合わせ先)
原子力安全・保安院原子力防災課長松岡建志
担当者: 中島、中崎
電話:03-3501-1511(内線4911~7)
03-3501-1637(直通)
http://www.meti.go.jp/press/2011/08/20110826010/20110826010-1.pdf
(別表1)
解析で対象とした期間での大気中への放射性物質の放出量の試算値(Bq)
核種1 号機2 号機3 号機放出量合計
Xe-133 3.4×1018 3.5×1018 4.4×1018 1.1×1019
Cs-134 7.1×1014 1.6×1016 8.2×1014 1.8×1016
Cs-137 5.9×1014 1.4×1016 7.1×1014 1.5×1016
Sr-89 8.2×1013 6.8×1014 1.2×1015 2.0×1015
Sr-90 6.1×1012 4.8×1013 8.5×1013 1.4×1014
Ba-140 1.3×1014 1.1×1015 1.9×1015 3.2×1015
Te-127m 2.5×1014 7.7×1014 6.9×1013 1.1×1015
Te-129m 7.2×1014 2.4×1015 2.1×1014 3.3×1015
Te-131m 9.5×1013 5.4×1010 1.8×1012 9.7×1013
Te-132 7.4×1014 4.2×1011 1.4×1013 7.6×1014
Ru-103 2.5×1009 1.8×1009 3.2×1009 7.5×1009
Ru-106 7.4×1008 5.1×1008 8.9×1008 2.1×1009
Zr-95 4.6×1011 1.6×1013 2.2×1011 1.7×1013
Ce-141 4.6×1011 1.7×1013 2.2×1011 1.8×1013
Ce-144 3.1×1011 1.1×1013 1.4×1011 1.1×1013
Np-239 3.7×1012 7.1×1013 1.4×1012 7.6×1013
Pu-238 5.8×1008 1.8×1010 2.5×1008 1.9×1010
Pu-239 8.6×1007 3.1×1009 4.0×1007 3.2×1009
Pu-240 8.8×1007 3.0×1009 4.0×1007 3.2×1009
Pu-241 3.5×1010 1.2×1012 1.6×1010 1.2×1012
Y-91 3.1×1011 2.7×1012 4.4×1011 3.4×1012
Pr-143 3.6×1011 3.2×1012 5.2×1011 4.1×1012
Nd-147 1.5×1011 1.3×1012 2.2×1011 1.6×1012
Cm-242 1.1×1010 7.7×1010 1.4×1010 1.0×1011
I-131 1.2×1016 1.4×1017 7.0×1015 1.6×1017
I-132 4.5×1014 9.6×1011 1.8×1013 4.7×1014
I-133 6.5×1014 1.4×1012 2.6×1013 6.8×1014
I-135 6.1×1014 1.3×1012 2.4×1013 6.3×1014
Sb-127 1.7×1015 4.2×1015 4.5×1014 6.4×1015
Sb-129 1.6×1014 8.9×1010 3.0×1012 1.6×1014
Mo-99 8.1×1007 1.0×1004 6.7×1006 8.8×1007
※出典:原子力安全に関するIAEA 閣僚会議に対する日本国政府の報告書-東京電力福島原子力発電所の事故について-(平成23年6月)原子力災害対策本部
(別表2)
広島原爆での大気中への放射性物質の放出量の試算値(Bq)
核種放出量
H-3 1.1×1016
C-14 1.3×1013
Mn-54 2.4×1014
Fe-55 9.2×1013
Sr-89 1.1×1016
Sr-90 5.8×1013
Y-91 1.1×1016
Zr-95 1.4×1016
Ru-103 2.3×1016
Ru-106 1.1×1015
Sb-125 6.9×1013
I-131 6.3×1016
Ba-140 7.1×1016
Ce-141 2.5×1016
Ce-144 2.9×1015
Cs-137 8.9×1013
※出典:「原子力放射線の影響に関する国連科学委員会2000年報告付属書C」より試算

横浜ネコのブログ


http://www.meti.go.jp/press/2011/08/20110826010/20110826010-2.pdf

【ニュース】2011/6/6毎日新聞
経済産業省原子力安全・保安院は6日、東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質の総量について、これまでの37万テラベクレル(ベクレルは放射線を出す能力の強さ、テラは1兆倍)から85万テラベクレルへと上方修正する解析結果をまとめた。
内閣府原子力安全委員会の推計の63万テラベクレルに対し、過小評価との指摘が出ていた。
安全委員会に報告したうえで、国際原子力機関(IAEA)閣僚会議に提出する日本政府の報告書にも盛り込む。
総放出量は4月12日、国際原子力事象評価尺度(INES)でチェルノブイリ原発事故(総放出量520万テラベクレル)と同じ最悪のレベル7に引き上げた際に、保安院と安全委員会がそれぞれ発表した。
安全委は原発周辺で計測された放射線量などから、事故直後から4月5日までの間の大気中への放出量の逆算を試みた。一方、保安院は炉内の状態から試算。
今回の見直しでは、2号機、3号機の爆発後の放出量を加えるなどした。
INESでは、数万テラベクレル相当の放射性物質の外部放出がある場合をレベル7と定めており、上方修正でもレベルは変わらない。
http://mainichi.jp/select/science/news/20110606k0000e040073000c.html
【NHK科学文化部ブログ】
2011年04月23日 (土)
環境中に出た「放射性物質の量」まとめ (判明分)
東京電力福島第一原子力発電所からは、一体どれだけの量の放射性物質が大気中や海水中に出たのか?これまでに明らかになった放出量に関するデータを、いったんまとめます。
なお、読者の方々からの要望をうけて、内容を一部差し替えます。不十分な点は今後の課題です。あわせて最初に少し説明書きを加えておきます。(4月25日)
Bq(ベクレル)について
ベクレルというのは、放射能(の強さ)の単位で、1秒間に何個の原子が放射線を出して別の原子に変わっていくか、その個数を示しています。従って、この値は「放射性物質の量」を知る目安になります。ただし、原子の種類によって、半減期や崩壊するときに出る放射線(種類やエネルギー)が異なります。
ヨウ素換算について
そこで、原子力安全・保安院などでは、INES(国際原子力事象評価尺度)の評価をする際には、さまざまな放射性物質について"放射線影響としてヨウ素131と等価になるよう"換算して『総量』を算出しています。たとえばセシウム137の場合、ヨウ素換算をすると40倍の値になります。
※注意 以下のデータには、「ヨウ素換算して算出した数値」と、「ヨウ素換算せずに核種ごとの数値を単純に足し合わせた数値」の両方があり、単純に比較はできませんので注意が必要です。
以下、保安院=原子力安全・保安院  安全委=原子力安全委員会
▼大気への放出量
(3/11~4/05) 3.7×1017 Bq(保安院試算)※ヨウ素換算値
(3/11~4/05) 6.3×1017 Bq(安全委試算)※ヨウ素換算値
※放出されたヨウ素131とセシウム137の合計です。
※チェルノブイリ事故での放出量は5.2×1018 Bqと推定されています。※ヨウ素換算値
▼海への放出量       
(ピットからの高濃度汚染水)4.7×1015  Bq(東京電力推計)※核種データを足算
(比較的低いレベルの汚染水)1.5×1011 Bq(東京電力推計)※核種データを足算
※高濃度汚染水は、2号機のピットと呼ばれる施設から、4月1日~6日にかけて凡そ520トンが流出したと推定されている。濃度は、ヨウ素131(5.4×106 Bq/cm3)、セシウム134(1.8×106Bq/cm3)、セシウム137(1.8×106 Bq/cm3)で計算した(2日16:30採取したスクリーン流入水の分析値)。
※比較的低いレベルの汚染水は、東京電力が4月4日から数日間をかけて「廃棄物集中処理施設」の9070トンと、5-6号機の地下水を集める「サブドレインピット」にあった1323トンを放出した。
▼原子炉にあった放射能量(1~4号機)
3月11日時点 6.6×1020 Bq(東京電力推計)※核種データを足算
4月11日時点 1.1×1020  Bq(東京電力推計)※核種データを足算
※放射性物質の量は、自らの崩壊により1ヶ月間に少なくなっています。
以上の値は、1011 Bqだったり1020 Bqだったりして、ケタがかなり違うので、兆(1012)の単位にそろえて並べてみます。
▼大気への放出
370,000兆ベクレル~630,000兆ベクレル ※ヨウ素換算値
▼海水への流出
(高濃度汚染水)4,700兆ベクレル ※核種データを足算
(比較的低いレベル)0.17兆ベクレル ※核種データを足算
▼チェルノブイリでの放出量
5,200,000兆ベクレル ※ヨウ素換算値
▼原子炉にあった放射能量
660,000,000兆ベクレル(3月11日)※核種データを足算
110,000,000兆ベクレル(4月11日)※核種データを足算

参考:http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/400/78612.html

終わり。

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チェルノブイリ原発事故と福島第一原子力発電所事故の相違点

http://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/pdfs/jikonosouiten.pdf

平成23年4月18日現在

チェルノブイリ原発事故
放出された放射能の総量
(ヨウ素131 換算値※1)
520 万テラベクレル(5.2×1018 Bq) : (5.2×10の18乗) 
(出典:IAEA Report of the Chernobyl Forum Expert Group‘Environment’)


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 チェルノブイリ事故との比較
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E4%BA%8B%E6%95%85%E3%81%A8%E3%81%AE%E6%AF%94%E8%BC%83

チェルノブイリ事故との比較(チェルノブイリじことのひかく)では、チェルノブイリ原子力発電所事故によって放出された放射能放射性物質等について他の対照と比較する。

Comparison of Chernobyl and other radioactivity releases

http://en.wikipedia.org/wiki/Comparison_of_Chernobyl_and_other_radioactivity_releases

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Environmental Consequences
of the Chernobyl Accident
and their Remediation:
Twenty Years of Experience 
http://www-pub.iaea.org/mtcd/publications/pdf/pub1239_web.pdf

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520 万テラベクレル (5.2×1018 Bq) (チェルノブイリ原発事故)

 7.2×1020 Bq (福島第一原発事故)

比較すると福島はチェルノブイリの約138倍の放出量!

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http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu12_j/images/120524j0101.pdf

福島第一原子力発電所の事故に伴う大気への放出量推定について
(平成24 年5 月現在における評価)
平成24 年5月24 日
東京電力株式会社

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http://www.enecho.meti.go.jp/radi_qa/45.pdf

Q45:
福島第一原子力発電所事故では、原爆の168.5倍の放射性物質がまき散らされたとい
う報道を聞いてびっくりしてしまいました。この数値は、本当なのでしょうか。

A:
東京電力福島第一原子力発電所からの放出量については、原子力安全・保安院にお
いて、核種ごとに解析による試算を行っており、放射性セシウム137については、計約
1万5千テラベクレルと推定しています。
なお、この推定は、昨年6月に公表した「IAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告
書」にも記載しています。
一方、広島に投下された原子爆弾については、「原子放射線の影響に関する国連科
学委員会2000年報告附属書c」のデータから核種ごとに試算しました。放射性セシウ
ム137の試算結果は約89テラベクレルです。
東京電力福島第一原子力発電所の試算値約1万5千テラベクレルは、原子爆弾の試
算値約89テラベクレルで単純に割ると約168.5倍の値となります。
ただし、東京電力福島第一原子力発電所では、原子炉の運転により核燃料が制御さ
れた形で継続して核分裂し、その過程で生成した放射性物質の一部が、事故の結果、
環境中に放出され、周辺に拡散したものです。放出された放射性物質そのものが核分
裂を起こしているものではなく、多くの犠牲者を生み出す原因となった原子爆弾特有
の爆風、熱線、中性子線を生じさせるものではありません。
このような人体や環境に影響を与える仕組みや態様の異なる事象を、放射性物質の放
出量で単純に比較することは、合理的ではないと考えます。
<原爆の168.5倍の放射性物質とは>
平成23年8月26日、原子力安全・保安院は、東京電力福島第一原子力発電所事故に
より放出された放射性物質の試算値と広島原爆の場合の試算値を公表しました※1。
この資料によると、広島原爆と今回の事故によって放出された放射性物質では種類
と量が異なっており、放射性セシウムについては広島原爆の約168.5倍相当となってい
ます。
<広島原爆で放出された放射性物質の影響>
広島原爆における放射性物質の総量は、一瞬の間に爆心(爆心地の上空)で放出さ
れた量です。爆心地付近では爆風、熱線、中性子線、放射性物質が放出され、多くの
殺傷と破壊が起こりました※2。また、原爆による被害は、なにもさえぎるものがない
状態で爆発のエネルギーとともに放射線を受けたことによるものでした。
<今回の事故で放出された放射性物質の影響>
ここで用いている今回の事故における放射性物質の量は、事故後約4日間に大気中

に放出された放射性物質の総量(水素爆発による原子炉建屋損傷部からの放出を含む。
)を試算したものです。この他に、滞留していた汚染水に含まれていた放射性物質が
海水中に流出しました※3。こうした場合の放射性物質による影響は、大気や土壌、海
洋の汚染として現れます。大気や土壌、海洋の汚染には、放射性物質の放出量だけで
なく、その拡散範囲や拡散経路が大きく関係しています。拡散範囲は放射性物質の性
状(気体、液体、固体など)に、拡散経路は気候、海流などに左右されます。
放射性物質は、放出後の時間の経過によって放射線量が減衰していきますが、放射
線量が元の半分に減衰するのに要する時間を半減期といいます。減衰に要する時間は、
放射性物質によって異なります※4。人体への影響を考える際には、減衰に要する時間
についても考慮する必要があります。今回の事故では、減衰に要する時間の長いセシ
ウム137(半減期約30年)やストロンチウム90(半減期約28年)等も含まれており、こ
うした放射性物質についてはその影響も長く続くため、今後も継続して監視していく
ことが大切です。
【補足】東京電力福島第一原子力発電所から放出された放射性物質と広島原爆との比

経済産業省から公表されている放射性物質のうち、東京電力福島第一原子力発電所
から放出された放射性物質と広島原爆とに共通する11の放射性物質について比較し
たものです。
放射性物質
今回の事故
(Bq)
広島原爆
(Bq)
半減期
セシウム137 1.5京89兆30.1671年
ストロンチウム89 2,000兆1.1京50.53日
ストロンチウム90 140兆58兆28.79年
バリウム140 3,200兆7.1京12.752日
ルテニウム103 75億2.3京39.26日
ルテニウム106 21億1,100兆373.59日
ジルコニウム95 17兆1.4京64.032日
セリウム141 18兆2.5京32.508日
セリウム144 11兆2,900兆284.91日
イットリウム91 3.4兆1.1京58.51時間
ヨウ素131 16京6.3京8.02070日
出典:東京電力株式会社福島第一原子力発電所及び広島に投下された原子爆弾から放
出された放射性物質に関する試算値について(平成23年8月26日、経済産業省)
半減期:「平成24年理科年表(丸善出版)」国立天文台(編)
※1 「東京電力株式会社福島第一原子力発電所及び広島に投下された原子爆弾から放
出された放射性物質に関する試算値について」(平成23年8月26日報道発表)経済産業省ホームページ(平成23年10月20日付にて一部訂正)
http://www.meti.go.jp/press/2011/08/20110826010/20110826010.html
※2(財)高度情報科学技術研究機構ホームページ「原子力百科事典(ATOMICA)」原
爆放射線による人体への影響(09-02-03-10)」
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-02-03-10
※3「原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書-東京電力
福島原子力発電所の事故について-」(平成23年6月原子力災害対策本部)Ⅵ.
1.(2)及び2.(1)をご参照ください。この中で大気中に放出されたヨウ
素131は1.6×1017ベクレル、セシウム137は1.5×1016ベクレル、海水中に放出され
た放射性物質の総量は4月1日から6日まで4.7×1015ベクレル、5月10日から11
日まで2.0×1013ベクレルと推定されています。
(報告書はhttp://www.kantei.go.jp/jp/topics/2011/iaea_houkokusho.htmlで参照可能)
※4 半減期:「平成24年理科年表(丸善出版)」国立天文台(編)
半減期には放射性物質そのものの強さを示す半減期のほか、生物学的半減期(
体内の留まっている期間で算定したもの)もあります。人体への被ばくの程度は
放射性物質の体内滞留時間に影響されるため、被ばくの程度を考える際には生物
学的半減期も考慮する必要があります。なお、生物学的半減期はおおよそ、ヨウ
素131では乳児で11日、5歳児で23日、成人で80日です。セシウム137では1歳ま
では9日、9歳までは38日、30歳までは70日、50歳までは90日です。
参考:消費者庁ホームページ「食品と放射能Q&A」問6
http://www.caa.go.jp/jisin/pdf/111021_food_qa.pdf

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