コンビナトリアルサイエンスの展開 高橋孝志、鯉沼秀臣、植田充美 編集 google電子書籍
コンビナトリアルサイエンスの展開 普及版
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1990年代の初頭以来、コンビナトリアルケミストリー(Combinatorial Chemistry)の研究が国内外で急速に行われ始め、高効率に生物活性を測定するHTS(HighThroughput Screening)の技術とともに、特に製薬企業でブームとなった。初め、本技術はオリゴペプチドやオリゴヌクレオチド誘導体の合成に限られていたが、1992年以降、ベンゾジアゼピン誘導体のライブラリー合成が報告されて以来、一般のヘテロ環への適用が可能になり、最近では、創薬における高効率的合成法の一手段としてばかりでなく、機能性有機・無機材料の開発や分子生物学や遺伝子工学などのバイオサイエンスの分野にもこのコンビナトリアルケミストリーの概念を導入しようとする動きがみられる。
コンビナトリアルケミストリーについては、各人によっていろいろな定義が試みられているが、一般的には「組み合わせを利用して多種・多様な化合物を短期間で合成することにより、即座にリード化合物を見つけ出し(リード創出:leadgeneration)、その見出された化合物を効率よく最適化する(リード最適化:leadoptimization)ためのテクノロジー」と説明できる。従来のリード化合物の探索では、液相合成法を用いて化合物を1個ずつ合成し、活性評価を行い、その結果をフィードバックして新たに標的化合物を設計・合成するといった操作を繰り返してきた。したがって、年間に合成できる化合物は一人あたり10~100個にとどまる。これらを効率よく行うには、コンピュータによるデータベースの活用や分子設計の支援で、標的化合物として何を選べばよいか、合成すべき化合物を絞り込み、フラスコを並列にならべ、合成する数を増やすなどの試みが行われている。
従来の液相を用いる有機合成では「ほしいもの」だけを高収率・高選択的・高光学純度で合成することが望まれ、めざましい発達を遂げてきたが、これら液相合成技術を固相合成を含めたコンビナトリアル合成に応用するには、いくつかの問題を克服しなければならない。例えば、種々の基質に対して汎用性のある固相有機反応の開発もさることながら、液相や固相合成法の利点を十分に考え、どこまでを液相合成で準備し、どこから固相合成でダイバースをかけるかといったコンビナトリアル合成戦略を考えることも重要である。
ここには多くの化合物を単に作るという“テクノロジー”だけでなく、どのように作るかという“サイエンス”も必要となる。もちろん、多くの化合物を作るだけでは不十分で、それに伴い、各研究分野が今よりさらに進歩することが必要である。例えば、合成した多数の化合物を短時間にかつ純粋に分離する後処理・精製技術の向上が不可欠となる。また、精製した多数の化合物を短時間に分析や評価するシステムの開発も重要な課題である。これらを実現するためには、より近代化された実験室の整備も必要であり、そのひとつにラボオートメイション化が挙げられる。これら全てを可能にするにはコンビナトリアルケミストリーを指向した高分子化学・合成化学・材料化学・化学工学・生化学・遺伝子工学・タンパク工学・細胞工学などの新学問分野の総合的な協力が必須である。このように“コンビナトリアルケミストリー”は関連分野の総合力を必要とし、今や“コンビナトリアルサイエンス”へと進化しつつある。
本書は3部門から成っており、第I編「コンビナトリアルケミストリー」では、固相有機合成を中心とした創薬、触媒開発や有機材料開発と、その分野での評価法や自動合成装置などを紹介する。第II編「コンビナトリアル技術による材料開発」では、主として無機材料開発分野におけるコンビナトリアル技術と評価法や、コンビナトリアル計算化学的アプローチについて紹介する。第III編「コンビナトリアル・バイオエンジニアリング」では、バイオ関連の研究分野におけるコンビナトリアル的概念を取り入れた研究例について紹介する。
コンビナトリアルテクノロジーを取り入れた研究は、現在いろいろな分野で広がりつつある。ここで取り上げた以外にも多くの成果があるはずであるが、この分野はまだ誕生したばかりであり、国内にはまだ研究例も少なく、全ての分野を網羅できなかったことはご承知していただきたい。本書を通じて多くの学生、研究者、技術者がコンビナトリアルテクノロジーを自分の研究や生産現場に取り込み、それぞれの研究や生産の発展につながればと念願している。
最後に、本書の執筆を快く引き受けてくださった諸先生方に厚く御礼申し上げます。また、原稿の延滞を辛抱強く待ち、本書の実現にご尽力いただいた株式会社シーエムシー出版編集部にお礼申し上げます。
「はじめに」より
2002年2月 高橋孝志
<普及版の刊行にあたって>
本書は2002年に『コンビナトリアルサイエンスの新展開』として刊行されました。普及版の刊行にあたり、内容は当時のままであり加筆・訂正などの手は加えておりませんので、ご了承ください。
2007年4月 シーエムシー出版 編集部
著者一覧
高橋孝志 東京工業大学大学院 理工学研究科 応用化学専攻 教授
土井隆行 東京工業大学大学院 理工学研究科 応用化学専攻 助教授
吉田潤一 京都大学大学院 工学研究科 合成・生物化学専攻 教授
菅 誠治 (現)京都大学大学院 工学研究科 合成・生物化学専攻 助教授
山田昌樹 田辺製薬(株) 創薬研究所 医薬化学ユニット グループリーダー
(現)田辺製薬(株) 研究企画部 主幹部員
岡島伸之 (現)日本たばこ産業(株) 医薬総合研究所 グループリーダー
魚住泰広 分子科学研究所 錯体触媒研究部門 教授
菅原 徹 (株)ケムジェネシス 開発本部 ディレクター
町田一浩 東京工業大学大学院 理工学研究科 応用化学専攻 研究員
深瀬浩一 大阪大学大学院 理学研究科 教授
深瀬嘉之 大阪大学大学院 理学研究科
江草健司 大阪大学大学院 理学研究科
泉 実 大阪大学大学院 理学研究科
小林 修 (現)東京大学大学院 薬学系研究科 教授
秋山 良 東京大学大学院 薬学系研究科
遠藤 剛 (現)近畿大学 分子工学研究所 教授
冨田育義 東京工業大学大学院 総合理工学研究科 物質電子化学専攻 助教授
吉川 暹 (現)京都大学 エネルギー理工学研究所 教授
松原一郎 (独)産業技術総合研究所 先進製造プロセス研究部門 グループ長
鯉沼秀臣 東京工業大学 フロンティア創造共同研究センター 教授
(現)東京大学 新領域創成科学研究科 客員教授
渡辺 遵 (現)(独)物質・材料研究機構
羽田 肇 (現)(独)物質・材料研究機構 センサ材料センター センター長
小松 学 (株)日立サイエンスシステムズ テクノリサーチセンター 武蔵野ラボラトリ
井上 悟 (現)(独)物質・材料研究機構 ナノセラミックスセンター 機能性ガラスグループ ディレクター
村松由季子 科学技術振興事業団 戦略的基礎研究推進事業 研究員
山本隆一 東京工業大学 資源化学研究所 教授
山田裕介 (現)(独)産業技術総合研究所 ユビキタスエネルギー研究部門 主任研究員
上田 厚 (現)(独)産業技術総合研究所 ユビキタスエネルギー研究部門 主任研究員
小林哲彦 (独)産業技術総合研究所 生活環境系特別研究体
(現)(独)産業技術総合研究所 ユビキタスエネルギー研究部門 研究部門長
知京豊裕 (現)(独)物質・材料研究機構 半導体材料センター センター長
川崎雅司 (現)東北大学 金属材料研究所 教授
鈴木 研 東北大学大学院 工学研究科 材料化学専攻
高見誠一 東北大学大学院 工学研究科 材料化学専攻 助手
(独)物質・材料研究機構 半導体材料センター 主幹研究員
久保百司 東北大学大学院 工学研究科 材料化学専攻 助教授
宮本 明 東北大学大学院 工学研究科 材料化学専攻 教授
(現)東北大学 未来科学技術共同研究センター 教授
長谷川哲也 東京工業大学 応用セラミックス研究所 助教授
瀬川勇三郎 (独)理化学研究所 フォトダイナミクス研究センター チームリーダー
鈴木栄二 (財)地球環境産業技術研究機構 環境触媒研究室 主席研究員
(現)信州大学 繊維学部 精密素材工学科 教授
中山 明 (現)(株)イオン工学研究所 成膜技術部 部長
植田充美 (現)京都大学大学院 農学研究科 応用生命科学専攻 応用生化学講座 生体高分子化学分野 教授
近藤昭彦 (現)神戸大学 工学部 教授
曾根崎修司 東陶機器(株) 小倉研究所
片倉啓雄 (現)大阪大学大学院 工学研究科 生命先端工学専攻 助教授
庄 国強 大阪大学大学院 工学研究科 応用生物工学専攻 博士課程
菅 健一 大阪大学 名誉教授
津本浩平 東北大学大学院 工学研究科 生物工学専攻 講師
(現)東京大学大学院 新領域創成科学研究科 助教授
熊谷 泉 (現)東北大学大学院 工学研究科 バイオ工学専攻 教授
藤井郁雄 (現)大阪府立大学大学院 理学系研究科 生物科学専攻 教授
中野秀雄 (現)名古屋大学大学院 生命農学研究科 教授
田中渥夫 京都大学大学院 工学研究科 合成・生物化学専攻 応用生物化学分野 教授
藤田靖也 神戸大学大学院 自然科学研究科 分子集合科学専攻
松本健史 神戸大学大学院 自然科学研究科 分子集合科学専攻
森田資隆 北陸先端科学技術大学院大学 材料科学研究科 助手
(現)近畿大学 産業理工学部 生物環境化学科 講師
金原 健 北陸先端科学技術大学院大学 材料科学研究科 博士研究員
村上裕二 北陸先端科学技術大学院大学 材料科学研究科 助手
横山憲二 北陸先端科学技術大学院大学 材料科学研究科 助教授
(現)(独)産業技術総合研究所 バイオニクス研究センター 副センター長
民谷栄一 北陸先端科学技術大学院大学 材料科学研究科 教授
執筆者の所属は、注記以外は2002年当時のものです。
目次
【第I編 コンビナトリアルケミストリー】
第1章 固相合成法の開発と機能性分子ライブラリの構築:糖-エンジインハイブリッド化合物のライブラリー構築法の開発(高橋孝志、土井隆行)
1. はじめに
2. 研究の目的
3. DNA認識部位となる糖鎖ライブラリーの効率的合成法の開発
4. チオアルキル化によるハイブリッド化合物の合成
5. シリルリンカーを用いた固相合成法の開発とハイブリッド化合物のライブラリー構築
第2章 カオチンプール法およびカオチンフロー法を用いたコンビナトリアル合成(吉田潤一、菅誠治)
1. はじめに
2. カオチンプール法
3. アシルイミニウムカオチンプールを用いた炭素-炭素結合形成反応
4. カオチンプール法を用いたコンビナトリアル合成
5. カオチンフロー法
6. カオチンフロー法を用いたシリアルコンビナトリアル合成
7. まとめ
第3章 企業におけるコンビナトリアルケミストリー(山田昌樹)
1. はじめに
2. Key Factor for Succes 1:意識の共有化
2.1 ライブラリとは
2.2 コンビケムライブラリ
3. Key Factor for Succes 2:組織
3.1 米国型モデル
3.2 Axys社モデル
3.3 日本型モデル
4. Key Factor for Succes 3:機器と設備
5. Key Factor for Succes 4:管理と保管のための情報システム
6. 企業におけるコンビケム
第4章 コンビナトリアル創薬におけるリードのパラレル最適化―合成、スクリーニングとインフォマティックス―(岡島伸之)
1. はじめに
2. HTSにおけるデータマイニングとインフォマティックス
3. リード探索におけるケミカルライブラリー
4. リードエボリューションにおけるコンビケムの寄与
5. リード探索段階でのADME/PKプロファイリング
6. In silicoによるeADMEパラメーター評価
7. リードのパラレル最適化とインフォマティックス
第5章 ハイスループット合成を目指したパラジウム触媒固相合成(魚住泰広)
1. はじめに
2. 固相合成のための均一系パラジウム触媒反応
3. 液相合成のための固定化パラジウム触媒
4. おわりに
第6章 自動合成装置および精製装置の歴史と展開(菅原徹、町田一浩)
1. はじめに
2. コンビナトリアルケミストリーの歴史と展開
3. 合成装置の分類
3.1 リードジェネレーション用合成装置
3.1.1 ライブラリー合成用装置
3.1.2 ライブラリー合成支援装置
3.1.3 装置の問題点
3.2 リードオプティマイゼーション用合成装置
3.3 プロセス開発用装置
3.3.1 プロセススクリーニング用合成装置
3.3.2 プロセスオプティマズ合成装置
3.3.3 プロセスバリデーション合成装置
3.4 その他の合成装置
4. 精製装置
5. おわりに
6. 連絡先
6.1 合成装置
6.2 精製装置
第7章 固相法ならびに固相-液相ハイブリッド法を活用した糖鎖合成(深瀬浩一、深瀬嘉之、江草健司、泉実)
1. はじめに
2. 糖鎖の固相合成
2.1 多孔質ポリスチレンを担体に用いる糖鎖の固相合成:4-アジド-3-クロロベンジル基の利用
2.2 4-アジド-3-クロロベンジル基と固相担持トリフェニルホスフィンの相互作用を利用したChemicalFishing
2.3 アシルアミノベンジルリンカーを用いた糖鎖固相合成:反応性の高い部位の選択
3. 固相合成と液相合成のハイブリッド法
第8章 ライブラリー構築のための有機合成(小林修、秋山良)
1. はじめに
2. 固相上での炭素-炭素結合生成反応
2.1 高分子固定化アミンの合成と反応開発
2.1.1 BOBA樹脂の合成法
2.1.2 Mannich型反応の開発
2.1.3 還元的アミノ化
2.2 固相上での1、3-双極子還化付加反応の開発
2.3 高分子固定化ヒドラゾンを用いるピラゾロンライブラリーの構築
2.4 高分子固定化グリオキシル酸エステル類を用いるライブラリーの合成
2.4.1 高分子固定化グリオキシル酸エステルの合成
2.4.2 高分子固定化a-イミノ酢酸エステルの合成
3. 高分子触媒を用いる有機合成反応の開発
3.1 高分子触媒を用いるライブラリーの構築
3.2 マイクロカプセル化法による高分子固定化触媒の開発
4. おわりに
第9章 コンビナトリアルケミストリーの新展開のための精密高分子材料を基盤とする新しい固相反応場の開発(遠藤剛、冨田育義)
1. はじめに
2. コンビナトリアルケミストリーのための固相反応場
3. 今後の固相反応場の展開の可能性
3.1 既存の固相反応場からのリビング重合法の開拓とこれに基づく反応場の修飾
3.2 多彩な置換基群が導入可能なリビング重合に基づく精密反応性高分子の構築と固体表面の修飾による固相反応場の構築
4. おわりに
第10章 コンビナトリアル・マテリアル・ディスカバリー(吉川暹、松原一郎)
1. 医薬品のコンビケムから材料のコンビケムへの新展開
2. 材料開発におけるコンビナトリアルアプローチ
3. 二次元ライブラリーのためのハイスループットスクリーニング
3.1 ハイスループットスクリーニングの要件
3.2 二次元表面プラズモン共鳴法の開発
4. 機能材料におけるハイスループットスクリーニング
4.1 無機材料の迅速合成とハイスループット評価
4.2 ライブラリー調整
4.2.1 電気的特性評価
4.2.2 触媒性能評価
4.2.3 磁性評価
5. おわりに
【第II編 コンビナトリアル技術による材料開発】
第1章 コンビナトリアル技術によるマテリアルハイウェイの構築(鯉沼秀臣)
1. はじめに
2. コンビナトリアルケミストリーとマテリアル開発
3. コンビナトリアル“ナノ”テクノロジーとCRESTプロジェクト
4. コンビナトリアル技術の汎用性とCometプロジェクト
5. 今後の展望
第2章 セラミックスのコンビナトリアル湿式・乾式合成(渡辺遵)
1. はじめに
2. コンビナトリアル湿式・乾式合成システム
2.1 システムの概要
2.2 処理能力と将来展開
3. 物質・機能探索への応用
4. おわりに
第3章 イオン注入法を利用したコンビナトリアルケミストリー材料研究(羽田肇、小松学)
1. コンビナトリアルケミストリーに対するイオン注入法の可能性
2. イオン注入による非平衡欠陥の生成
3. イオン注入を利用した微量添加物の固溶限の決定
4. おわりに
第4章 新ガラス創製への期待(井上悟)
1. はじめに
2. ガラス研究手法のコンビナトリアル化の現状
2.1 原料調合過程のコンビナトリアル化
2.2 ガラス化過程のコンビナトリアル化
3. 新ガラスの探索が期待される分野
3.1 鉛成分を含まない低融点ガラス
3.2 非線形光学材料
4. おわりに
第5章 新機能ポリマーの開発(村松由季子、山本隆一)
1. はじめに
2. コンビナトリアル仕様薄膜作成チャンバーの作製
2.1 真空蒸着チャンバーの改造
2.2 PLDチャンバーの作製
3. ポリマー薄膜生成の最適化
3.1 真空蒸着法
3.2 パルスレーザー堆積(PLD)法
4. 機能性の探索
4.1 青色発光材料の探索
4.2 pn接合の作製
4.3 ポリマーを用いた有機ELデバイスの最適化
5. 今後の展望
第6章 固体触媒の開発(山田裕介、上田厚、小林哲彦)
1. はじめに
2. 固体触媒開発手法の自動化・迅速化
3. 触媒ライブラリーの調製
3.1 コンビナトリアル触媒調製
3.2 触媒ライブラリーの二次元配置
3.3 パラレル反応器のための触媒調製
4. 触媒性能の迅速評価法
4.1 二次元ライブラリーの同時評価
4.2 生成物の迅速分析
5. データ解析ならびに触媒設計
5.1 性能最適化手法
5.2 データ解析技術―ニューラルネットワーク
6. 問題点と今後の課題
第7章 界面研究と電子デバイスの開発(知京豊裕)
1. はじめに
2. コンビナトリアル手法と材料研究
3. コンビナトリアル材料評価手法
4. 計算科学による新規材料の設計と予測
5. 新規材料と界面研究
6. まとめ
第8章 酸化物のコンビナトリアルエピタキシーと新機能(川崎雅司)
1. 高温超伝導のデリバティブ
2. レーザーMBEによる二次元エピタキシーのコンビナトリアル化
3. コンビナトリアル超格子の一括分析
4. おわりに
第9章 コンビナトリアル計算化学(鈴木研、高見誠一、久保百司、宮本明)
1. はじめに
2. コンビナトリアル計算化学による脱硝触媒の分子設計
3. コンビナトリアル計算化学による貴金属電極触媒の分子設計
4. コンビナトリアル計算化学によるリチウムイオン二次電池用正極活物質の分子設計
5. コンビナトリアル計算化学実現のための高速化計算手法の開発
6. おわりに
第10章 ハイスループット磁性材料評価(長谷川哲也)
1. はじめに
2. 走査磁気プローブと磁区観察
3. Mn酸化物の磁気構造
3.1 LaCaMnOの磁気相図
3.2 NdSrMnOの磁気相図
3.3 新磁性半導体の探索
4. おわりに
第11章 光物性の高速評価(瀬川勇三郎)
1. はじめに
2. 各試料の光学特性評価法
2.1 マトリックス型試料に対して
2.2 組成分布(Composition spred)型試料に対して
2.2.1 顕微分光法
2.2.2 走査型近接場光学顕微鏡(SNOM)
3. ZnO系量子井戸の光学特性
3.1 ZnOとは
3.2 誘導放出から見積もった励起子束縛エネルギー
3.3 励起子格子相互作用係数の井戸厚依存性
4. おわりに
第12章 薄膜型触媒のコンビナトリアル開発(鈴木栄二、中山明)
1. はじめに
2. 薄膜光触媒のコンビナトリアル的開発技術例
2.1 コンビナトリアル薄膜光触媒調製
2.2 コンビナトリアル触媒組成解析
2.3 コンビナトリアル触媒性能評価
2.4 まとめ
3. コンビナトリアル薄膜触媒開発技術の現状と可性
3.1 コンビナトリアル薄膜触媒調製技術
3.2 コンビナトリアル組成・構造解析技術
3.3 コンビナトリアル薄膜触媒性能評価技術
4. おわりに
【第III編 コンビナトリアル・バイオエンジニアリング】
第1章 コンビナトリアル・バイオエンジニアリング(植田充美)
第2章 ファージディスプレイ法による新機能性分子創製の基礎(近藤昭彦、曾根崎修司)
1. はじめに
2. ファージディスプレイ系の種類
3. ファージディスプレイ系の原理
4. ファージディスプレイライブラリーの構築
4.1 Schaffordの選択
4.2 変異導入法
5. 目的ファージの選択手法
5.1 バイオパンニングの手法
5.2 バイオパンニングにおける重要操作因子
5.3 SPRバイオセンサーを活用した解離速度選択法
5.4 酵素活性を持つ分子の選択手法
6. SIP(Selective Infective Phage)法
7. ファージディスプレイシステムの応用展開
8. おわりに
第3章 ファージライブラリーから効率よくリガンドを単離するための実践的な戦略(片倉啓雄、庄国強、菅健一)
1. はじめに
2. 数式モデル
2.1 ファージは1分子以上回収できなければならない
2.2 結合率を表す式
2.3 ターゲットの脱着は無視できない
2.4 有効なターゲットの割合(β)は意外に小さい
2.5 モデル式の検証とターゲットの脱着が回収率に及ぼす影響
3. モデルから導かれる実践的な知見
3.1 ターゲットはストレプトアビジンビーズに固定する
3.2 有効抗原濃度と結合率の関係
3.3 洗浄時間と結合率の関係
4. 問題点の原因とその解決策
4.1 再現性が低い原因と解決策
4.2 非特異的ファージが多い原因と解決策
4.3 低い親和性を示すクローンしか得られない原因と解決策
4.4 具体的な洗浄条件
4.5 Off rateで選択した抗体は使いにくい
5. おわりに
第4章 ファージディスプレイを用いた新規能分子の選択:抗体を中心に(津本浩平、熊谷泉)
1. はじめに
2. 遺伝子レベルの多様性の創出
3. 遺伝型-表現型一体化(特に表層提示システム)の確率(ファージディスプレイの実際)
4. 遺伝子産物の持つ機能による安定な選択
5. 選択された遺伝子産物の高効率な調製系の構築
6. 抗体Fv断片抗原存在下で安定化する機構を用いた新機能分子の選択と応用
7. 自己抗原特異的ヒト可変領域の選択と調製
8. おわりに
第5章 触媒抗体:コンビナトリアル・バイオエンジニアリングで創るテーラーメイド生体触媒(藤井郁雄)
1. はじめに
2. 酵素と抗体
3. 抗体タンパク質の分子進化
4. 触媒抗体
4.1 遷移状態理論
4.2 触媒抗体の作製(免疫法)
5. 触媒抗体の機能改良(ファージ抗体法)
5.1 活性発現のための分子認識
5.2 ファージ抗体ライブラリーの作製とスクリーニング
5.3 in vivoライブラリー vs in vitroライブラリー
6. おわりに
第6章 無細胞系によるタンパク質創製システム(中野秀雄)
1. はじめに
2. 無細胞系によるタンパク質の大量合成
3. 無細胞系におけるタンパク質のフォールディング
4. 非天然アミノ酸の導入
5. 無細胞タンパク質合成系によるディスプレイ技術
6. 1分子PCR法によるコンビナトリアルライブラリー
7. おわりに
第7章 細胞表層工学とコンビナトリアルバイオエンジニアリング(植田充美、田中渥夫)
1. タンパク質の新しい発現系
2. 細胞表層工学
3. コンビナトリアル・バイオエンジニアリング
第8章 細胞表層ディスプレイ法による新機能細胞の創製(藤田靖也、松本健史、近藤昭彦、植田充美)
1. はじめに
2. 酵母細胞表層ディスプレイ
3. 生体触媒への応用
3.1 酵母によるバイオマスからのエタノール生産
3.2 アミラーゼの細胞表層ディスプレイ
3.3 セルラーゼの細胞表層ディスプレイ
3.4 高機能性菌体触媒を活用したグリーンバイオエンジニアリング
4. バイオセンシングへの応用
4.1 レポーター蛍光タンパク質の細胞表層ディスプレイ
4.2 抗体やレセプターの細胞表層ディスプレイ
5. 環境浄化およびその他の分野の応用
6. おわりに
第9章 チップ技術とコンビナトリアル機能分子設計(森田資隆、金原健、村上裕二、横山憲二、民谷栄一)
1. はじめに
2. チップ技術とは?
3. チップ技術を用いた1細胞PCR
4. 人工ペプチド分子認識材料の設計
5. 分子認識ペプチドを用いるダイオキシン計測への応用
6. チップ技術を用いたプロテオミクスへの試み
7. おわりに
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コンビナトリアルサイエンスの展開 高橋孝志、鯉沼秀臣、植田充美 編集 google電子書籍
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