【普通の歴史】4-1 大東亜戦争・・・アメリカはなぜ太平洋にでてきたか?
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この普通の歴史の第三章、つまり「一等国の時代」に比べると、大東亜戦争(太平洋戦争、第二次世界大戦)はかなり簡単だ。
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日本が上の地図に示したように、千島列島から南洋諸島までを領土にして一応、独立を果たしてから、隣国だった中国とのいざこざはあるにしても、遠いアメリカにはまったく野心もなにもなかった。
ここまでをまたまとめてみると、日露戦争までは「受け身の戦争」であり、歴史をどう見るかということに意見の相違は少ない。第一次世界大戦と満州国建国は日本が一等国になったことの普通の行為でこれも問題は無い。
先回に整理したように北支と上海からが問題だが、この時も日本は受け身の戦いだったが、敵を見誤ったということだった。ところが、そんな時に、奇妙な事に日本とアメリカが開戦する事になったのはなぜか?
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その鍵を解く最も重要なことが「アメリカの西進活動」だろう。この図にあるように1776年に建国したアメリカはワシントンなどを中心とした東部13州で、これもインディアンから奪い取ったものだった。
その後、よほどアメリカ人は切羽詰まっていたのだろう. 13州で満足していれば良いのに、「西へ・西へ」と進出し、600万人と言われる住民(インディアン)を虐殺してカリフォルニアに達する.
もしかするとこの段階でアメリカ人の心の中は「人を殺しても良い.他人の領土をとっても良い」という錯覚に陥っていたのかも知れない.またこの考えはかつて4000年前にカスピ海の北から他人の土地を侵略しながら膨張してきたアーリア人(アメリカ人もその一つ)の基本的な考えかも知れない.
19世紀後半には、アラスカ、ハワイ、フィリピン、グアム、サイパンをとって太平洋を抑えたアメリカは、日本と中国に進出を始める.中国は弱かったから鉄道を中心とした投資を始め、1930年代には対中国投資はアメリカが日本を上回るまでになった.
当然、利害は一致しない。アメリカは中国を取ろうとしていたし、それには日本が邪魔だが、日本は手強い. ルーズベルト大統領は就任するとまずアメリカの太平洋艦隊を増強して日本との戦争に備える.
一方、日本も「いつかはアメリカと戦争かな」と思っていた. 日本はアメリカ本土どころか、ハワイに進出するつもりなど無かったけれど、アメリカは自分が太平洋を抑えたので、日本も同じように考えるだろうと錯覚したのである.
アメリカが西へ西へと進出するのは衝動のようなもので理屈ではないと思う。というのは、アメリカ大陸はかなり大きいので、アメリカの土地だけでやっていくことはできる。民族が他に進出するのは「そこに住んでいると貧しいから」に他ならない。ところがアメリカ人は土地が広大で資源も豊富、食料も豊かなのに他人の土地を欲しがる。困った民族だ。
太平洋戦争が起こった第一の原因は、日本の軍国主義(もともと軍国主義ではないが)ではなく、アメリカが太平洋を渡って日本まで来たからだ。反日日本人は「アメリカは白人だから太平洋を渡る権利があるが、日本人は黄色人種だから、そんな大それた事をしてはいけない」という考えだが、それはあまりにも卑屈だ。
そして第二の原因は今のTPPに相当する経済制裁だった。
(平成25年9 月6日)
武田邦彦
【普通の歴史】4-2 大東亜戦争・・・経済制裁の意味
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アジアを支配していたアーリア人(ヨーロッパ、アメリカ、ロシア)は、何とかして日本が力をつけるのを阻止しようとしていた。それは次の図を見ればハッキリ判る。
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インド、パキスタン、ビルマ、マレーシア、シンガポールはイギリス、インドシナはフランス、インドネシアはオランダ、そしてフィリピンなどにアメリカがいて、中国はイギリス、フランス、ロシアなどが支配力を持っていた。
その中で唯一、日本だけが黄色人種で、本来なら占領しているはずなのに、かえって自分たちを圧迫しているということだから、アーリア人がイライラするのも判る。
そこで何とか日本をやっつけようとして、蒋介石には「援蒋ルート」というのを作って、南の植民地から「反日なら応援する」ということで物資を出す。ドイツは直接、軍事顧問を蒋介石に送って日本と戦わせる。ロシアはコミンテルンを使って謀略をくり返す。
そしてアメリカは直接、日本と戦う糸口を探していた。それでも、フーバー大統領の時には「経済封鎖をすると戦争になる」ということで日本への経済封鎖を実施しなかったが、次の大統領のルーズベルトは最初から日本と戦争をするつもりだったので、太平洋艦隊を増強し、日本に経済制裁を加える。
戦争が始まる2年前、アメリカは「日米通商航海条約」を破棄、次々と鉄や油の経済制裁を日本に課し始める。そして戦争が始まる年の8月(戦争は12月から)、ついに石油の対日全面禁輸をする。
日本は石油はすべて輸入だから、このまま7ヶ月経つと、日常生活だけではなく、戦艦も戦闘機も使えなくなる。そうなれば植民地になったも同じだ。追い詰められた日本は戦争に打って出る。
アメリカがなぜ日本に対してケンカを売ったのか? 日米通商航海条約を破棄して、貿易を止めるということは「おい、向かってこい!」といっているのと同じだ。でも、アメリカには日本と戦争をしなければならない理由はあっただろうか?
日本はアメリカ本国から遠く離れ、日本はアメリカ本土はもとより、アメリカの占領していたフィリピン、グアム、サイパン、ハワイ、そしてアラスカを攻撃する意図は全くなかった。アメリカは日本から被害を受けていないのだ。
それではなぜ、アメリカは日本にケンカを売ったのか? それも石油の全面禁輸ということは、日本が戦争を仕掛けてくるのは当然であった。でもそこにアメリカの意図があった。
つまり、アメリカは西に進むためにインディアンと同じように日本人を殺さなければならなかった。これは無条件の使命である。しかし日本はなにもしてこない。ならば石油を禁輸すれば日本はどうにもならずに、少なくともインドネシアには行くだろう(当時のインドネシアは産油国)。そうなると日本を攻撃する理由ができるという算段だ。
この計画(開戦計画)がルーズベルト政府独自のものか、アメリカのコミンテルンメンバーの策謀かは歴史家でも議論が分かれている。私にとってはどっちでもよく、アメリカが日本と戦争をしたかったということで充分だ。
日本の明治以来の戦争で、まず第一期
日清戦争、日露戦争は独立のための受け身の戦争
第一次世界大戦は行きがかりの戦争、
そして第二期、
満州国建設は依頼を受けた行動、
北支問題、上海事変、日中戦争は中国から仕掛けられた戦争
太平洋戦争はアメリカから仕掛けられた戦争
のほとんどが「受け身」の戦争であることがわかる。
誰だ! 軍国日本と言ったのは!!
仕掛けられたからと言って戦争を始めるのが良いかどうかは別にして、いずれにしても受け身の戦争であることは確かだ。相手から仕掛けられて「ああ、そうですか」と引き下がることもできるが、その場合のリスクが大きい。戦争と変わらないぐらいの被害を受けると当時の人が思ってもそれほど不思議ではないのは、この植民地地図が物語っている。
もう一度、最初の地図を見て欲しい。現代の反日日本人の意識は、東アジアの国がまるで当時、独立していたかのように錯覚している。だから「侵略」という言葉が出てくる。
(平成25年9月8日)
武田邦彦
【普通の歴史】4-3 大東亜戦争・・・日本軍が戦った相手
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アメリカが戦争を仕掛けてきたのだから、日本はアメリカだけを相手に戦えば良かったかも知れない。でも、日本はもともと、アメリカを攻める予定はなかった。
ここも反日日本人が日本人を騙しているところだが、日本とアメリカの戦争といっても、日本はアメリカの「禁輸」をヤメさせようとしただけで、アメリカを占領しようとしたのではない。日本の目的は平和であり、アメリカの目的は戦争だったと言った方が事態はハッキリと理解できるだろう。
つまり、日本はアメリカ本国を狙うのではなく、ハワイの太平洋艦隊を攻撃して弱らせ、アジアの植民地を解放して、そこから石油を得る作戦だった。
日本に対して石油の禁輸をしたのは、白人であり、日本が欲しかった石油はインドネシアを中心とした石油で、「その国の人(アジア人)」が日本に禁輸したのではない。当時はまだアラブは石油をそれほど産出していないが、後にアラブの石油も白人の利権となる。
ともあれ、太平洋ではアメリカと戦い(太平洋戦争)、アジアでは植民地でアメリカ、イギリス、フランス、オランダと戦ったのである(大東亜戦争)。
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まず、アメリカのハワイ基地を攻撃する一方、シンガポールのイギリス軍、フィリピンのアメリカ軍と戦って勝ち、東南アジア地域の主導権を握った。計画成功である。戦略もこれ以外にはなかったように思える。
日本はインドネシアでオランダを破った時に休戦をすれば良かったが、時あたかも第二次世界大戦が行われていて、ヨーロッパでも史上初めて「総力戦」になってしまった。
それまで戦争、とくに19世紀になってからの戦争は相手国を徹底的に破壊するのではなく、外交交渉の一つの手段であり、勝ち負けがハッキリしたら「相手の国に攻め入る」のではなく、交渉してトラブルを解決するということだった。
日露戦争でも勝敗が決まったら、交渉して停戦した。日本政府も日本軍もどこかで戦争はおわるのだろうと思っていたが、ヨーロッパが総力戦になったので、アジアも総力戦になってしまった。それは誤算だったといえる。
国力から言って、日本一カ国が、アメリカ、イギリス、中国、ロシアを相手に長く戦えるはずも無い。結局、力負けした。それが大東亜戦争だった。
でも、日本軍が戦ったのは、アメリカ軍、イギリス軍、フランス軍、オランダ軍、そして最後のロシア軍であって、アジアの人たちではない。中国だけは前回までの経緯で中国戦線というのはあったけれど、戦争の中心ではなかった。
良く、日本の東アジア侵略と反日日本人は言っているが、日本が戦ったのはマレー人でもフィリピン人でもインドネシア人でもなく、そこを占領していたアーリア人であることを反日日本人は言わない。侵略したのではなく、侵略していたアーリア人と戦って追い出したのだった。
だから、アジアの多くの人たちは日本のそこの所だけは高く評価している。それが後にアジアの開放につながる。
もう一度、言うが、戦争はアメリカが仕掛け日本は受け身だったことと、日本軍が戦ったのはアーリア人でアジア人ではないということだ。
(平成25年9月8日)
武田邦彦
普通の歴史】4-4 大東亜戦争・・・その結果、戦後の状態
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戦争は惨敗に終わった。最初は勝っていたけれど、資源もなく、二世が多く、軍の作戦も失敗が続き、徐々に竹槍になり、精神論が優先し、合理的ではなくなり、そして敗れた。
戦争に破れた原因は今まで、反日日本人を中心にして膨大な書籍があるし、私たちもあふれるほどの反日教育を受けてきたので、くり返す必要は無い。
なにしろムチャクチャに負けて、広島・長崎に原爆を落とされ、東京大空襲でも10万人が黒焦げになって死に、310万人の日本人が、ある人は南方の島で餓死し、マラリアになり、ある女性は満州でソ連軍の餌食になり、ある人は郷里でアメリカ軍の機銃掃射で死んだ。
残虐だったのは日本軍ではなく、アメリカ軍やロシア軍だったが、それも歴史の中に消え去った。敗軍というのはそう言うものである。
しかし、戦後、奇妙な事が起こった。第一に負けたはずの日本の繁栄、第二にアジアの国の独立、だった。これまでアーリア人(白人)の支配に400年も呻吟してきたアジア人にとってはとても素晴らしいことだった。
後に、日本の発展を追って、まずは旧日本領地だった韓国と台湾が、続いて東南アジア諸国、さらに中国とインドが発展を続けるようになった。日本の繁栄は日本に留まらず、その影響をアジア諸国に及ぼした。
日本は何で戦争に勝とうとしたのだろうか? アメリカはなぜ日本を潰そうとしたのだろうか? それはあるいは日本をこの地球から消そうとしたからだ(ルーズベルト回想)。でも、あれだけ日本を爆撃し、原爆も投下したのに、日本は戦勝国より繁栄し、やがてJapan as No.1と言われるようになる。
「既得権益」というのは恐ろしい。
日本が戦争に負けなかったら戦前の既得権益はそのまま残り、日本の発展を阻害しただろう。でも、財閥も軍部も、功績のあった政治家も一網打尽に日本社会を去った。
その代わり、松下幸之助、本田宗一郎に代表される新進気鋭の人たちが出現した。今でも、NHK、東大、霞ヶ関などの既得権益を一掃できれば、もしくは日本を愛する人たちがいれば、NHKも東大も、そして霞ヶ関も自ら職を辞し、権限を他に譲るだろう。そうすれば、敗戦無くして既得権益はさる。
もう一つは、良く解説されることだが、アジアの諸国が独立し、繁栄し、今日の素晴らしい世界を作ったことだ。これも日本の奮闘によるし、日本が敗戦した事による。
日本は最終的に敗戦したが、最初はアジア全体に進出した。そのショックは大きく、占領していたアーリア国家は傷つき、もともとの国の抵抗に抗する力はなかった。良いことをした。それが偶然であろうと、「大東亜」の理想に基づこうと、それは関係者だけの問題であり、歴史はまさに日本の大きな貢献で終わった。
アメリカが日本に仕掛けた戦争が終わると、あまりに激しい戦争だったので、事実が見事にあぶり出され、矛盾が露呈し、アジアの植民地もアメリカやイギリスの金融支配もその正体が見えるようになってきたのだ。
「戦争に負ける」ということがこれほど多くの発展をもたらすとは予想もされていなかったし、今でもそれほどハッキリと認識されていない。できれば「誰も死なないで戦争に負ける」というのが最も良いことなのかも知れない。
アメリカが仕掛けた戦争、アーリア人の占領軍と戦った日本軍、そして戦後のアジア諸国の独立と、日本を中心としたアジアの経済発展・・・戦争の犠牲となった方はとても大きな歴史の中でその使命を全うされたように感じられる。
それに対して反日日本人を中心として、「日本は戦争をすべきではなかった」と言い、「アジア諸国の独立などどうでも良いじゃないか」と言う。それでは、一体、アメリカが石油の禁輸をしてきたとき、どうすれば良かったのか? アジア諸国は植民地で呻吟するしかなかったのか? もう少し、反日日本人の論拠を調べてみたいと思う。
あまりにもあたりまえの事が正反対に言われているので戸惑う。
(平成25年9月8日)
武田邦彦
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