http://www.ted-corp.co.jp/co2.html
(財)エネルギー総合工学研究所、東京工業大学、東京大学、そして当社の研究グループは、超臨界CO2でタービンを回す発電システムを開発致し、小規模装置において発電出力を取り出すことに成功致しました。
CO2は、摂氏31度、73気圧で超臨界状態となります。超臨界CO2は一定の状態を保つため、媒体に使えばコンパクトなシステムで効率的に発電することができます。
超臨界CO2ガスタービンは、超臨界状態のCO2を80~200気圧程度、35~600℃程度の範囲で、圧縮、加熱、膨張、冷却を行う閉サイクルガスタービンです。
外部加熱方式のため、残渣油、副生ガス、バイオマスなどの燃料のほか工場排熱や太陽熱のように燃料以外の熱源も利用することができる上、従来の蒸気タービンに比べ、1,000kW~10万kW程度の中小型機において本システムは1~2割ほど高い効率と大幅な小型化が実現できます。
試験装置が完成した2010年秋以降、運転試験を繰り返し、外部からの熱入力のみによって200Wの電気出力を継続的に取り出すことに成功し、本システムが原理的に成立することを実証しました。
この発電システムの原理は1969年に論文発表され、システム検討や設計研究が行われてきました。
近年になって、米国、日本、韓国、フランスで試験装置を使った研究が活発化しており、2010年には米国と日本において圧縮機の運転結果が発表されていますが、圧縮機とタービンを組み合わせてた発電試験はこれまで報告されていません。
しかし商用ベースに乗せるには200Wは小さく、今後は、ガスタービンメーカー等とも協力しながら大容量機の試作と運転試験を行い2010年代後半の実用化を目指します。
超臨界CO2とは
CO2は31℃、7.4MPaに臨界点を有します。これにより高温・高圧の領域では、気体と液体の境界がなくなり、気体と液体の中間的な性質を持つ流体(超臨界流体)として振舞います。
超臨界CO2ガスタービンの動作と特徴
CO2を120~200気圧に加圧したのち250~600℃程度に加熱して、この高温高圧のCO2が膨張する時にタービンを回すことによって発電を行います。 タービンを出たCO2は80気圧程度になりますが、外部には放出されず、35℃程度に冷却されたのちに圧縮機に送られて再度、加圧と加熱が行われ、タービンを回します。 このシステムのサイクル上の特徴は、圧縮機を臨界点近くの条件で運転することにより、圧縮に必要な動力を大幅に低減でき、従来型ガスタービンに比べて発電効率を大きく向上できる点です。
超臨界CO2ガスタービンの特徴は間接加熱方式の発電システムであるため、石炭、石油、天然ガスといった化石燃料はもちろん、残渣油や廃棄物のような低質な燃料のほか、排熱や太陽熱のように燃料以外の熱源も利用することができます。同じ間接加熱方式である蒸気タービン発電に比べ、1,000kW~10万kW程度の中小型システムにおいて本システムの方が1~2割ほど高い発電効率が期待できます。また、システムがコンパクトになるので設備費も安くなる見込みです。
超臨界CO2ガスタービンの構成
発電継続時の計測データ
超臨界CO2ガスタービンの用途
まず第一に工場の自家発電を想定しています。わが国には、残渣油、副生ガス、廃棄物、排熱等を熱源とする中小の蒸気タービン発電が工場の自家発電等として3,000万kWほど存在しています。工場の自家発電は、電力料金の値下げにより徐々に減少してきましたが、東日本大震災に伴う電力不足により、その存在が見直されています。ただし、発電コストやCO2削減の観点から、今後は低質燃料や排熱を高効率に利用できる技術が求められ、このニーズに合致する本システムは大きな貢献が期待できます。
再生可能エネルギーとして注目され導入が増えているバイオマス発電や太陽熱発電にも、従来技術である蒸気タービンに代わって導入が期待されます。これらの用途では、数千~数万kWの発電出力が一般的であり、本システムの優位性が最も発揮しやすい分野です。
再生可能エネルギーとして注目され導入が増えているバイオマス発電や太陽熱発電にも、従来技術である蒸気タービンに代わって導入が期待されます。これらの用途では、数千~数万kWの発電出力が一般的であり、本システムの優位性が最も発揮しやすい分野です。
出願特許
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