安倍のイカサマミックス
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http://president.jp/articles/-/11805
経常赤字国転落? 貿易立国の「原点」揺らぐ
NEWS FILE
2014年1月30日(木)
PRESIDENT 2014年2月17日号
財務省が14日発表した11月の国際収支(速報)によると、経常収支は5928億円の赤字だった。統計を比較できる1985年以降で、12年1月の4556億円を上回り、過去最大の赤字額に達した。主因は、経常収支を構成する輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が11月としては過去最大の赤字額(1兆2543億円)に陥ったためだ。原子力発電所の稼働停止が続き、燃料の液化天然ガス(LNG)や原油の輸入数量が増えたうえ、円安の進行からドル建て取引がさらに燃料費輸入額を嵩上げした。
しかし、単月ベースでの巨額な貿易赤字が続く主因を、燃料輸入増大だけに押しつけている次元は、もはや終わりつつある。円安が進んでいるにもかかわらず、日本企業の輸出で稼ぐ力が衰え、円安により一時的に輸出が落ち、その後に急回復する、いわゆる「Jカーブ効果」が顕在化していないのが現実だからだ。
安倍晋三政権による経済政策「アベノミクス」の第一の矢として、日銀が昨年4月に放った「異次元緩和」から7カ月が経過。いまだJカーブ効果が生じないのは、ある意味でアベノミクスの誤算でもある。日本企業の海外生産が拡大し、円安が進行しても輸出増につながらず、円安の恩恵は自動車などに限られ、貿易赤字から抜け出せずにいる。甘利明経済再生担当相は「貿易立国の原点が少し揺らいでいる」と日本の産業構造の変化への認識を示すものの、危機感は緩い。
安倍政権が描く日本経済復権のシナリオは、輸出型企業が牽引する姿だった。しかし、現状を見る限り、数年後に経常赤字国転落へのカウントダウンに入りかねない。「岩盤規制」の緩和・改革をはじめとして、アベノミクスの第三の矢である成長戦略に手詰まり感も。4月の消費増税が目前に迫るなかで、アベノミクスの真価も問われかねない。
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2013年貿易収支は過去最大11兆円台の赤字、初の3年連続赤字
2014年 01月 27日
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYEA0Q00520140127
[東京 27日 ロイター] -財務省が27日に発表した2013年の貿易収支は11兆4745億円の赤字となり、3年連続で赤字を記録した。輸出は3年ぶりに増加したが、円安を背景に原粗油などのエネルギー輸入が増え、1979年の統計開始以来、過去最大の貿易赤字となった。
暦年ベースでの貿易収支は、2011年に31年ぶりに赤字に転落(2兆5647億円)した後、赤字額は2012年に6兆9411億円まで拡大。13年には初めて10兆円台の大台を突破した。3年連続で赤字となるのは統計開始以来初めて。これまで連続で赤字を記録したのは、第二次オイルショック時の1979年と1980年だった。
大幅な貿易赤字の要因について財務省では「輸出は3年ぶりに増加したが、外貨建て比率が輸出より輸入の方が高く、原粗油・LNG価格の上昇で(貿易赤字が)増加した」と説明。先行きについては「世界経済動向や原油価格動向などさまざまな要因があり、見通せない」(財務省筋)としている。
輸出は前年比9.5%増の69兆7877億円。3年ぶりに増加した。ただ、数量ベースでは前年比1.5%減と3年連続で減少した。米国向け自動車や中国向け有機化合物が増加に寄与した。 輸入は前年比15.0%増の81兆2622億円で、過去最大に膨らんだ。原子力発電所の稼働停止により、原粗油や液化天然ガス(LNG)など、燃料の輸入が増大した。
為替レート(税関長公示レート平均)は1ドル96.91円で、対前年比21.8%の円安だった。
輸入原油単価は前年比17.0%上昇の6万7264円/キロリットルで、ドルベースでは同4.0%下落し110.4ドル/バレルだった。
<12月は過去3番目の貿易赤字>
12月の貿易収支(原数値)は1兆3021億円の赤字となった。輸入の大幅増加を背景に、3カ月連続で1兆円台の大幅な赤字となった。赤字は18カ月連続。1979年の統計開始以来、3番目の赤字額を記録した。 続く...
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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYEA0Q00520140127?pageNumber=2&virtualBrandChannel=0
貿易赤字(季節調整値)は前月比11.2%減で、赤字幅は縮小した。
<12月は輸出が10カ月連続で増加、数量も微増>
輸出は前年比15.3%増の6兆1105億円。10カ月連続で増加した。数量ベースでも同2.6%増と微増ながら、3カ月連続で増加した。自動車(18.3%増)、鉄鋼(19.4%増)、有機化合物(30.1%増)などが増加した。
地域別では、中国向け輸出は同34.4%増と9カ月連続で増加した。伸び率は2010年4月(同41.3%増)以来の高い伸びを記録。自動車(162.8%増)、自動車の部分品(95.9%増)などが増加した。
米国向け輸出は前年比13.0%増で12カ月連続で増加。欧州連合(EU)向け輸出は前年比23.0%増で7カ月連続で増加した。
為替レート(税関長公示レート平均)は1ドル102.10円で、対前年比24.0%の円安だった。
<12月の輸入は14カ月連続増、12月として過去最大>
輸入は同24.7%増の7兆4126億円。14カ月連続で増加した。12月としては過去最大だった。増加品目は、原粗油(23.1%増)、液化天然ガス(33.1%増)、半導体等電子部品(39.2%増)などだった。 続く...
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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYEA0Q00520140127?pageNumber=3&virtualBrandChannel=0
輸入原油単価は前年比22.8%上昇の7万1910円/キロリットルで、ドルベースでは同0.9%下落し112.0ドル/バレルだった。
ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では、予測中央値は1兆2225億円の赤字。輸出は前年比17.8%増、輸入は同26.1%増だった。
(吉川裕子 編集:山川薫)
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国際収支統計
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%8F%8E%E6%94%AF%E7%B5%B1%E8%A8%88
以下抜粋
国際収支統計(こくさいしゅうしとうけい、英: balance of payments)は、一定期間における国(またはそれに準ずる地域)の対外経済取引(財・サービス・所得の取引、対外資産・負債の増減に関する取引、移転取引)を記録した統計である。大まかに経常収支、資本収支、外貨準備増減の3つに分けられ、またその中でさらに細分化される。日本では、財務省および日本銀行(国際局国際収支課)によって作成公表されている。
国際収支統計は、日本を含む世界のほとんどの国・地域においてIMF国際収支マニュアルに基づいて作成されているため、各国の経済取引関係・対外債権/債務の状況等を比較することができる。
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