2015年1月2日金曜日

東京電力福島原子力発電所事故: 用語説明・設備概要

http://shin9tobihizageri.seesaa.net/article/243515959.html


福島第一原子力発電所の1号機~5号機の緊急時の冷却系は以下。P12、P13、そしてP82から一部抜粋して説明。
(a)1号機
1 号機には、原子炉冷却機能を有する主な設備として、炉心スプレイ系(CS)2 系統、非常用復水器(IC)2 系統、高圧注水系(HPCI)1 系統、原子炉停止時冷却系(SHC)1 系統及び格納容器冷却系(CCS)2 系統が設置されている

(b)2 号機から5 号機
2 号機から5 号機までには、原子炉冷却機能を有する主な設備として、前記CS2 系統及びHPCI1 系統のほか、原子炉隔離時冷却系(RCIC)1 系統及び残留熱除去系(RHR)2 系統が設置されている(資料Ⅱ-8 参照)。


◇ ◇


CS(炉心スプレイ系)とは、
何らかの原因により冷却材喪失事故によって炉心が露出した場合に、燃料の過熱による燃料及び被覆管の破損を防ぐために、圧力抑制室(S/C)内の水を水源として、炉心上に取り付けられたノズルから燃料にスプレイすることによって、炉心を冷却する設備である。

IC(非常用復水器)とは、
主蒸気管が破断するなどして主復水器が利用できない場合に、圧力容器内の蒸気を非常用の復水器タンクにより水へ凝縮させ、その水を炉内に戻すことによって、ポンプを用いずに炉心を冷却する設備である。最終的な熱の逃し先は大気である。

HPCI(高圧注水系)とは、
配管破断等を原因として冷却材喪失事故が発生したような場合に、圧力容器から発生する蒸気の一部を用いるタービン駆動ポンプにより、復水貯蔵タンク又はS/C 内の水を水源として、圧力容器内へ注水することによって炉心を冷却する設備である。

SHC(原子炉停止時冷却系)とは、
原子炉停止後、炉心の崩壊熱並びに圧力容器及び冷却材中の保有熱を除去して、原子炉を冷却する設備である。

CCS(格納容器冷却系)とは、
冷却喪失事故が発生した際に、S/C 内の水を水源として、格納容器内にスプレイすることによって、格納容器を冷却する設備である。

RCIC(原子炉隔離時冷却系)とは、
原子炉停止後に何らかの原因で給水系が停止した場合等に、圧力容器から発生する蒸気の一部を用いるタービン駆動ポンプにより、復水貯蔵タンク又はS/C 内の水を水源として、蒸気として失われた冷却材を原子炉に補給し、炉心を冷却する設備である。

RHR(残留熱除去系)とは、
原子炉停止時の残留熱の除去を目的とするもので、弁の切替操作により使用モードを変え、SHC、低圧注水系(LPCI)及びCCSとして利用できるようになっている。

補足説明7
主蒸気逃がし安全弁とは、原子炉圧力が異常上昇した場合、原子炉圧力容器保護のため、自動又は中央制御室における遠隔手動で蒸気を圧力抑制室に逃がす弁(逃した蒸気は、圧力抑制室内の冷却水で冷やされ凝縮する。)で、非常用炉心冷却系(ECCS)の自動減圧装置としての機能も持っている。

補足説明8
2号機については、原子炉圧力容器内の蒸気を圧力抑制室内に吹き出す仕組みになっているSR 弁が8本あり、これらのSR弁によって多少の前後はあるものの、原子炉圧力7.5MPa gage 前後で逃し弁機能が、7.7MPa gage 前後で安全弁機能が、それぞれ作動する仕組みになっている。

捕捉説明9
RHR は、原子炉停止後、ポンプや復水器タンクを利用して冷却材の冷却や非常時に冷却水を注入して炉水を維持する系統であり、非常用炉心冷却系(ECCS)の一つである。その運転方法(モード)には、①原子炉停止時冷却モード、②低圧注水モード(ECCS)、③格納容器スプレイモード、④蒸気凝縮モード、⑤S/C 冷却モード、⑥非常時熱負荷モードの六つがある。
東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会
『中間報告』より一部抜粋




「資料Ⅱ-8」から、図解された「福島第一原子力発電所1号炉の設備構成の概要」と「福島第一原子力発電所2~5号炉の設備構成の概要」を紹介する。



1号機概要図.png
2~5号機概要図.png


尚、「資料Ⅱ-8:福島第一原子力発電所1号炉の設備構成の概要」と「資料Ⅱ-8:福島第一原子力発電所2~5号炉の設備構成の概要」からは、
1号機の発電系統ポンプの内訳
復水ポンプ3台
給水ポンプ3台

2号機の発電系統ポンプの内訳
タービン駆動給水ポンプ2台、
高圧復水ポンプ3台、
低圧復水ポンプ3台、
詳細不明の電動ポンプらしきもの2台
を確認することができる。因みに、素人であるが故にトンチンカンでだったりするが、発電系統を使って格納容器への注水はできなかったのか? という疑問を個人的に抱いていたりしている。

信用できない『中間報告』に基づいても、淡水はあったようだ

あそこまで事故を拡大させた原因を探る上で必要となる最小限の、淡水と消火用ディーゼルポンプについての情報は以下。P35~37から一部抜粋。

消火用淡水は以下の記述から確認することができる。
消火系は、水源であるろ過水タンク、水を各号機に供給するための配管、ポンプ、消火栓、送水口等により構成されている。ポンプは、電動消火ポンプ(M/DFP)とディ-ゼル駆動消火ポンプ(D/DFP)の2 種類があり、全電源喪失下においてもD/DFP は稼働することが可能である。

消火系のうち、屋外に設置されていた配管、消火栓、採水口の多くが様々な損傷を受けた(資料Ⅱ-26 参照)。かかる損傷の原因は、地震動、津波、津波による漂流物の衝突、水素ガスによると思われるR/B 内の爆発等が考えられるも、各損傷の具体的な原因は現時点で不明である27。

東京電力によれば、1 号機から3 号機までのT/B 内の消火栓及びその周辺の配管については、外観上有意な損傷は認められなかったとのことである(資料Ⅱ-27 参照)。


◇ ◇


補足説明27
水素ガスによると思われるR/B内の爆発以前である3月11日夕方頃、ろ過水タンクから1号機から4号機までの各T/B に向かう消火系配管及び5号機及び6号機の各T/B に向かう消火系配管には複数の破断箇所があり、複数の消火栓から水が噴き出していたことから、同日19 時頃にろ過水タンクの元弁を一つ残して閉める処置を施した事実が認められる(後記Ⅳ3(2)a脚注参照)
東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会
『中間報告』より一部抜粋


ディーゼルポンプについては以下の記述より確認することができる。

ⅱ ディーゼル駆動消火ポンプ(D/DFP)の損傷・機能の状況

①1号機については、津波により被水したものの、消火系ラインを用いた原子炉への注水実施に備え、3月11日17時30分頃に起動可能であることが確認され、同日20時50分頃に起動したことから、少なくともこれらの時点では、本来の機能を損なうような損傷を受けていなかったと推認される。その後、同月12日1時48分頃に停止していることが確認され、その後再起動することができなかったことから、遅くともこの時点で本来の機能を喪失していたと考えられる。

②2号機については、D/DFPの状況が直接確認されておらず、その損傷・機能の状況は現時点で不明である。

③3号機については、津波により被水したものの、3月12 日12時6分頃に起動してS/Cスプレイが実施され、その後、少なくとも同月13日22時15分頃に燃料切れのため停止するまでの間、作動していたことから、本来の機能を損なうような損傷を受けていなかったと推認される。
東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会
『中間報告』より一部抜粋


『中間報告』 疑問点
13 1号機110524.jpg
≪画像は1号機≫


14 2号機110917.jpg
≪画像は高圧注水系が起動できなかったと報告された2号機≫


15 3号機110917.jpg
≪画像は3号機≫


16 4号機110917.jpg
≪画像は4号機≫


初めに断っておくが、勝手ながら、「そもそも原発を導入したのが悪い」という認識は、「オイルショック等により原発導入はやむを得なかった」という認識、「反原発派は排出量取引にCO2削減効果がないことを示せなかった」という認識、「電気を使って生産される自動車も含む、反原発派からも確認可能な優雅な電力消費生活」という現実、「節電要請に対する批判が凄まじかった」という現実、「医薬品を求めている」という現実、「携帯電話もインターネットも当たり前」という現実・・・等々により相殺されるが故に、福島第一原子力発電所の事故原因から排除し、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)が使われずに被曝量を増大させた問題や、ヨウ素剤が準備されていなかった可能性も含めてヨウ素剤が配布されなかった問題については誰かに任せることとする。

素人である上に震災後約2ヶ月程テレビ視聴とネット接続が困難だったこともあり、トンチンカンである可能性が大だが、「東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会 中間報告 (以降、『中間報告』とする)」とそれを報じたマスコミに対する私の素朴な疑問は以下。
  1. それが信用できない理由は小さく見積もっても四つあるが、小さく見積もっても四つある『中間報告』が信用できない理由の一つ目は、「津波と自民党長期政権のツケ、百歩譲って菅直人のヘリ視察」の責任になると得をする東京電力関係者や民主党政府の言い分を、事故調査・検証委員会が鵜呑みにしている可能性が高いこと。
  2. 小さく見積もっても四つある『中間報告』が信用できない理由の二つ目は、3号機の高圧注水系の使用が当直者の証言通り使われた際のシュミレーションによる検証、それすらなされた形跡がないこと。原子力安全基盤機構は何の為に存在するのか?
  3. 小さく見積もっても四つある『中間報告』が信用できない理由の三つ目は、「高圧注水系が起動した3号機の方が、高圧注水系が起動しなかった2号機よりも先に、水素爆発をした上に損傷の程度が大きい」という矛盾についての合理的説明がなされていないこと。「MOX燃料導入(3号機)とMOX燃料未導入(2号機)の差」に還元し切れるのか?
  4. 小さく見積もっても四つある『中間報告』が信用できない理由の四つ目は、「4号機の大爆発・損傷は、2010年11月30日~2011年9月24日間を予定していた第24回定期検査中につき存在しないはずの燃料が、4号機の原子炉内に存在していた可能性を十二分に疑わせる」ことについて、調査した形跡がないこと。
  5. 信用できない『中間報告』に基づいても、判断ミスは大きくは二つあり、その一つ目である、「交流電源が喪失しても稼動可能な冷却装置による減圧とそれによって不足する格納容器内の水の供給による冷却をし、その間に例えば消防車等のディーゼルポンプと淡水を用意し、低圧でも注水可能になったスキに大量淡水注水を行なえば、被害を相当小さく抑えられた可能性が高い」ことを、マスコミが報じていないこと。
  6. 信用できない『中間報告』に基づいても大きくは二つある判断ミスの二つ目の、ほぼ「廃炉になってもやむを得ない、という決断が遅れた」ということと等価の「東電は電源車の手配よりも、バッテリー、ディーゼルポンプ車、淡水、防護服、安定ヨウ素剤の手配を優先させるべきであった」ということも、マスコミは報じていないこと。『中間報告』でも指摘されていないことだが。「バッテリーがあれば・・・」という光景が描かれているのにも拘らず。
  7. マスコミが報じるのは、何故か「自己の責任において海水注入を継続しようと判断し、注水作業の担当責任者を呼んで、テレビ会議システムのマイクで集音されたり、周囲に聞こえたりしないような小声で、『これから海水注入中断を指示するが、絶対に注水をやめるな』などと指示した後、緊急時対策室全体に響き渡る声で、海水注入中断の指示をした」というエピソードが中心であること。
  8. しかしながら、そのエピソードは、「発電所対策本部にいた者の大半も、海水注入を中断したものと誤信した」との報告内容により、「後付けかも」との疑念を抱かせるものになっていること。
  9. マスコミが、大スポンサーであった東電の復活を願い、「東電はようやってるよ。菅のヘリ視察が悪いんだよ。海水注入中断事件もあったし」という世論が形成されるようにしたがっているとしか思えないような報道をしていること。
  10. 海外の排出枠の購入(キャップアンドトレード)によるCO2削減方法を排除しない25%削減宣言・鳩山イニシアチブにより、原子力依存度を高める口実が与えられたことについての、言及がないこと。例えばプルサーマル営業(MOX燃料の原子力発電所・燃料プールへの搬入ではなく、MOX燃料が装荷された原子炉による発電)の開始と高速増殖炉もんじゅの再運転は、民主党政権下で行なわれた。福島第一原子力発電所1号機の高経年化技術評価(40年目)にもとづく原子炉施設保安規定の変更認可申請は2010年3月に行なわれ、福島第一原子力発電所1号機の高経年化技術評価(40年目)にもとづく長期保守管理方針に係わる原子炉施設保安規定の変更認可は2011年2月に行なわれた。
  11. 「地域独占の下での総括原価方式により打たれる必要のない広告宣伝が打たれていた」ことについての言及がないこと。「安全管理のためにカネを使うより、安全管理を疎かにしていることが暴露されないためにカネを使った方が面倒臭くなくてよい」というメンタリティーに支配されていたことを意味する。
  12. 東電内部から挙がった「非常用ディーゼル発電機等の水密化や防潮堤の設置」を求める声が撥ね退けられてしまったのは、コストが原因ではないこと。地域独占の下の総括原価方式により、安全対策にコストをかけても儲けは減らない。地域独占の下での総括原価方式により打つ必要のない広告宣伝を打ち続けたことにより、「安全管理のためにカネを使うより、安全管理を疎かにしていることが暴露されないためにカネを使った方が面倒臭くなくてよい」というメンタリティーの暴走を許した、ということだ。
  13. 田原総一朗氏は「サンデープロジェクトという番組をやった。これスポンサーの1つに東京電力が入っているんですよ。僕が、東京電力がスポンサーに入る時に東電に約束した。原発やるぞ、と。やる回は東電おりろと。それで何度もやりました」と言っているが、マスコミに問われているのは、原発問題を取り上げたか? ではなく、原発問題をどう取り上げたか? であること。
  14. パニックを起こすのはやむを得ないことだが、少しでもパニックを起こし難くするための策を会社が講じていなかったこと。例えば、1号機の津波被水後のフェイルセーフ機能が作動した可能性に思い至れなかったこと。例えば、航空機シュミレーターのように、非常用復水器シュミレーターがあった訳でもなければ、実地訓練もなかったこと。
  15. アクシデントマネジメント(AM)における「内的事象」と「外的事象」は、「想定外」を言い訳にするための誤魔化しである可能性が高いこと。津波や地震や台風やテロが原因であろうがなかろうが、テロリストの侵入については自衛隊に任せるとしても、原子炉の危機対応については電力会社が担わなければならない。例えばテロが原因で「制御棒を動かせない」というアクシデントに見舞われて対応可能なように、例えばほう酸水注入系(SLC)というものがあったりする。
  16. 日本では非常用ディーゼル発電機以外の外部交流電源を、「全交流電源喪失事象(SBO)」における「全交流電源」としている専門家がいた可能性が高いこと。別の言い方をすれば、「非常用ディーゼル発電機の保安ができていればいいだけだから、全交流電源喪失については30分以上想定しなくてもいい」という説明を与党政治家が受けていた可能性が高いこと。
  17. 「役に立たなかった手順書」は、「GEの不手際」というよりは、「東電の力不足」と言えることをマスコミが報道しないこと。
  18. 東日本大震災における地震の規模が、慣例となっている気象庁マグニチュードではなく、モーメント・マグニチュードで表されたことについての言及がないこと。

重要箇所を一部抜粋

暇もなく、『朝まで生テレビ』に間に合わせたいこともあり、重要箇所と感じられることをほんの一部だが抜粋する。


02 1~4号機.jpg
≪画像は上からマリコもとい上から1~4号機≫


「1号機の非常用復水器手動停止疑惑」について。
P112~P115

しかし、D/DFPの吐出圧力と原子炉圧力の関係上、SR弁開操作による原子炉減圧なしD/DFP を用いて原子炉注水を実施することは物理的に不可能であり、当直は、そのことを十分認識していた。そして、当時、1/2号中央制御室では、電源喪失により、SR弁を遠隔操作できなかったのであるから、当直は、発電所対策本部に対し、ICの作動状態に関する問題点を明確に指摘し、代替注水手段を講じる上でSR 弁の開操作に必要なバッテリーを調達するとともに、制御盤裏の端子へのバッテリー接続をするように支援要請をしなければならなかった。しかし、この頃、発電所対策本部は、ICが正常に作動しているとの誤った認識から、前記のような支援が必要であるとは認識しておらず、また、同日夕方から同日夜にかけての頃、SR 弁による減圧操作のために必要な合計120V分のバッテリーが発電所構内で収集された形跡も全く認められない。

3月11日18時25分頃に戻り配管隔離弁(MO-3A)を閉操作したことに関する発電所対策本部への報告について、当時の当直長は、「発電所対策本部発電班に対し、固定電話で、『IC を起動させたところ、蒸気の発生量が少量であったため、復水器タンクの水量が十分でない可能性があり、ICは機能していないのではないかと思う。』旨、ICの作動状態に関する問題点を報告した。」旨供述する。しかし、この当直長は、戻り配管隔離弁(MO-3A)を閉めてICを停止したと明確に報告したことの記憶まではない。

非常時に冷却機能を果たすICが、電源喪失した場合、フェイルセーフ機能が作動して配管上の四つの隔離弁が閉となる機構になっていることは、ICという重要な設備機器の構造・機能に関する基本的知識である。当委員会によるヒアリングの際、東京電力関係者の多くが、「ICがあるのは1 号機だけで、特殊である。」などとして、ICの特殊性を縷々述べるものの、当委員会が、「電源が失われて必要な操作ができなくなると、原子炉格納容器の隔離機能が働いて隔離弁が閉じるのか、又は開いたままなのか。」と尋ねると、皆一様に、「隔離弁は閉じると思う。」と述べた。
東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会
『中間報告』より一部抜粋



03 1~2号機110411.jpg
≪画像は2号機(手前)と1号機(奥)≫


「3号機の高圧注水系手動停止疑惑」について。

P183~190

3号機のHPCI 作動中に次の代替注水手段を講じることの重要性については、その当時から、発電所対策本部及び本店対策本部、更には当直においても認識し、又は認識し得たと考えられる。

電源復旧の目途も立たず、水量も少ないSLC 系注水に過度の期待を寄せることは危険であり、HPCI により十分減圧されている間に消防車によるFP 系注水を実施できるようにあらかじめ準備を整え、間断なく原子炉注水がなされる方策を採るべきであり、かつ、それは可能であった。
東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会
『中間報告』より一部抜粋


「海水注入中断の英断エピソードがちょっと変だよ疑惑」について。

P169~170

しかし、吉田所長は、1 号機原子炉への海水注入を中断することの危険性を懸念し、この上は自己の責任において海水注入を継続しようと判断し、注水作業の担当責任者を呼んで、テレビ会議システムのマイクで集音されたり、周囲に聞こえたりしないような小声で、「これから海水注入中断を指示するが、絶対に注水をやめるな。」などと指示した。その後、吉田所長は、緊急時対策室全体に響き渡る声で、海水注入中断の指示をした。

その結果、1 号機原子炉への海水注入はそのまま継続されたものの、その事実を認識している者は、吉田所長及び注水作業の責任者ら僅かであり、本店対策本部やオフサイトセンターの者はもちろんのこと、発電所対策本部にいた者の大半も、海水注入を中断したものと誤信した。

さらに、ERCも、3 月12 日19 時27 分頃、本店対策本部から、「一旦海水注入を開始したものの、菅総理の指示待ちで停止している。」旨報告を受け、これを官邸地下の緊急参集チームに参加していた保安院リエゾンに伝え、緊急参集チームにおいて情報共有が図られた。しかし、この情報は、官邸5 階にいた菅総理らには伝達されなかった。

その後、武黒フェローは、海水注入に関し菅総理の了解が得られたとして、本店対策本部に電話連絡を入れ、テレビ会議システムを通じて、発電所対策本部にも同情報が伝えられた。そこで、吉田所長は、本店対策本部や発電所対策本部の大半の人間が海水注入を継続していることを知らなかったので、改めて、同日20 時20 分頃、緊急時対策室において、海水注入再開の指示を出し、ERC や本店対策本部など必要部署に対し、その旨報告した。

また、1 号機について、本格的に海水注入が開始されたのは同日20 時20 分頃であり、それまでの海水注入は試験注水であるとの整理がなされた。
京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会
『中間報告』より一部抜粋



04 2号~3号機110411.jpg
≪画像は2号機(手前)と3号機(奥)≫


「可能性のある大津波を『すべて幻。エゴの投影』と世界から消滅させた疑惑」について。
P396~397

平成20年6月10日頃、武藤副本部長、吉田部長らに対する福島第一原発及び福島第二原発における津波評価に関する説明が行われ、担当者より、前記想定波高の数値、防潮堤を作った場合における波高低減の効果等につき説明がなされた。その際に、武藤副本部長より、①津波ハザードの検討内容に関する詳細な説明、②福島第一原発における4m 盤への津波の遡上高さを低減するための対策の検討、③沖に防潮堤を設置するのに必要な許認可の調査、④機器の対策に関する検討をそれぞれ行うよう指示が出された。

平成20年7月31日頃、前記①から④までに関し、武藤副本部長、吉田部長らに対する2 回目の説明が行われ、担当者より、防潮堤の設置により津波の遡上水位を1 から2m 程度まで低減できるものの、数百億円規模の費用と約4 年の時間が必要になると見込まれることや、津波解析の手法等について説明がなされた。

武藤副本部長及び吉田部長は、前記想定波高につき、試算の前提とされた推本の長期評価が震源の場所や地震の大きさを示さずに、「地震が三陸沖北部から房総沖の海溝寄りの領域内のどこでも発生する可能性がある。」としているだけのものである上、津波評価技術で設定されている三陸沖の波源モデルを福島第一原発に最も厳しくなる場所に仮に置いて試算した結果にすぎないものであり、ここで示されるような津波は実際には来ないと考えていた。
東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会
『中間報告』より一部抜粋

「専門家が全交流電源喪失事象(SBO)の『全交流電源』について、『非常用ディーゼル発電機を除いた交流外部電源』として与党政治家に説明していた疑惑」について。
P412

補足説明15
安全委員会は、平成23年9月15日の原子力安全基準・指針専門部会において、「短時」と限定が付された根拠については、昭和51年9月29日の第14 回原子炉安全技術専門部会安全設計小委員会において、30分以内と30分以上のSBO 発生確率のごく簡単な評価が行われている資料が存在することにより、「送電事故の頻度と非常用ディーゼル発電機の起動失敗確率に基づいて、わが国では長時間のSBOが発生する確率が十分に低いという判断がなされたもの」と推定している。

補足説明16
事故は2 号機。国際原子力・放射線事象評価尺度(INES)レベル5。

補足説明17
解説においても、昭和52 年の指針9 の解説を踏襲し、「長期間にわたる全交流動力電源喪失は、送電線の復旧又は非常用交流電源設備の修復が期待できるので考慮する必要はない。非常用交流電源設備の信頼度が、系統構成又は運用(常に稼働状態にしておくことなど)により、十分高い場合においては、設計上全交流動力電源喪失を想定しなくてもよい。」となっている。
東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会
『中間報告』より一部抜粋


05 3号~4号機110411.jpg
≪画像は2号機(手前)と3号機(中央)と4号機≫


「役に立たなかった手順書の裏側」について1。
P408

アクシデントマネジメント(AM)
SAに至るおそれのある事態が万一発生したとしても、現在の設計に含まれる安全余裕や本来の機能以外にも期待し得る機能若しくはその事態に備えて新規に設置した機器を有効に活用することによって、その事態がSAに拡大するのを防止するため、又はSA に拡大した場合にその影響を緩和するために採られる措置(手順書の整備並びに実施体制や教育・訓練等の整備を含む。)をアクシデントマネジメント(AM)という。
東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会
『中間報告』より一部抜粋


「役に立たなかった手順書の裏側」について2。

P431~445

福島第一原発に関する東京電力によるアクシデントマネジメントの整備状況前記(2)bで述べたとおり、安全委員会は、平成4 年5 月、事業者の自主的なAM の整備を強く奨励することを決定し、これを受けて、通商産業省(当時)は、同年7 月、事業者に対し、その自主的取組としてAMの整備を進めるよう指示した。そこで、東京電力は、平成6年3月までに福島第一原発及び福島第二原発におけるAMの検討を行い、平成14年5月までにその検討結果を踏まえた各種AM 策の整備を行い、その結果を保安院に報告した。これらのAM策では、前記(3)で述べたとおり、SA対策としてのAM の原因事象が内的事象に限定されたことから、自然災害等の外的事象は原因事象の対象外とされていた。

東京電力が、平成14 年までに整備した各種AM 策は、①設備上のAM 策の整備、②AM の実施体制の整備、③AM 用の手順書類の整備、④AM に関する教育等の整備の四つに大きく分かれている。

e 原子炉冷却機能を有する設備に関する事前の教育・訓練不足
前記(5)dで述べたとおり、東京電力では、AM の実施に関わる知識について必要な教育・訓練を行うとされていたが、今般の事故時における現場対処に照らすと、原子炉冷却機能を有するIC、RCIC等の操作に関する知識の習得、操作の習熟等に関する事前の教育・訓練が十分に行われていたとはいえず、前記Ⅳで述べたような現場対処の問題点を惹起させることとなった。
東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会
『中間報告』より一部抜粋

再録
06 1号機110411.jpg
≪画像は1号機≫


2011年12月15日、時事通信は、【1号機「老朽化の影響なし」=40年経過、福島第1原発―保安院】と題し、
東京電力福島第1原発事故で、経済産業省原子力安全・保安院は15日、運転開始から40年が経過した同原発1号機について、老朽化による設備の耐震性悪化は認められず、事故拡大の原因になった可能性はないとの見解を公表した。
一部抜粋

という記事を配信した。


東京電力のプレスリリースより一部抜粋。

福島第一原子力発電所1号機の高経年化技術評価(40年目)にもとづく原子炉施設保安規定の変更認可申請について

平成22年3月25日
東京電力株式会社
福島第一原子力発電所

当社福島第一原子力発電所1号機(沸騰水型、低格出力46万キロワット)につきましては、昭和46年3月に営業運転を開始し、平成22年3月26日に運転年数39年を迎えます。

当社は、同号機について、実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則ならびに平成20年10月22日に経済産業省原子力安全・保安院より受領した高経年化対策の実施についての指示文書にもとづき、営業運転開始から40年目の高経年化技術評価および道評価結果にもとづく長期保守管理方針の策定を行い、本日、経済産業省に長期保守管理方針に係わる保安規定の変更認可を申請いたしました。
一部抜粋


2011年4月19日、日刊ゲンダイは、 【設計寿命「40年」が60年に延長】と題し、

福島第1原発の1号機は今年の3月26日に設計寿命の40年を迎えた。しかし東電は昨年3月、1号機は最長60年まで現状維持で使えるという技術評価書を国に提出。経産省の原子力安全・保安院が今年2月7日に、今後10年間の運転継続を認可したばかりだった。

ちなみに、この技術評価の責任者は、NHKでおなじみになった御用学者、東大の関村直人教授だ。評価書の内容をよく読むと「高経年化対策上、着目すべき経年劣化現象が抽出さ れている」とか「耐震安全性を満足しない結果」などと書かれているが、結局は、「60年まで使っても大丈夫」と「お墨付き」を与えたのである。
一部抜粋

という記事を配信した。


2011年11月28日、毎日新聞は、【福島第1原発:08年に津波可能性 本店は対策指示せず】と題し、

2008年に東京電力社内で、福島第1原発に想定を大きく超える津波が来る可能性を示す評価結果が得られた際、原発設備を統括する本店の原子力設備管理部が、現実には「あり得ない」と判断して動かず、建屋や重要機器への浸水を防ぐ対策が講じられなかったことが27日、分かった。東電関係者が明らかにした。

原子力設備管理部は、06年に発覚したデータ改ざんの再発防止のため実施した07年4月の機構改革で「設備の中長期的な課題への計画的な対応や設備管理の統括をする」として新設された。部長は発足時から昨年6月まで吉田昌郎現福島第1原発所長が務めた。

東電は08年春、明治三陸地震が福島沖で起きたと仮定、想定水位5.7メートルを大幅に超え、最大で水位10.2メートル、浸水高15.7メートルの津波の可能性があるとの結果を得た。
一部抜粋
 
という記事を配信した。


07 2号機110411.jpg
≪画像は2号機≫
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≪画像は3号機≫


2011年4月4日、読売新聞は、【電源喪失で容器破損」東電報告書検討せず】と題し、
東京電力福島第一原子力発電所2、3号機で使われている型の原発は、電源が全て失われて原子炉を冷却できない状態が約3時間半続くと、原子炉圧力容器が破損するという研究報告を、原子力安全基盤機構が昨年10月にまとめていたことがわかった。

東電は報告書の内容を知りながら、電源喪失対策を検討していなかったことを認めている。

国は2006年に「原発耐震設計審査指針」を改定し、地震の想定規模を引き上げた。これを受け、国の委託で原発の安全研究に取り組む基盤機構が、09年度から様々な地震被害を想定した研究を始めた。

1970年前後に開発された、2、3号機の型の沸騰水型原発(出力80万キロ・ワット)については、地震で電源喪失した場合、原子炉内の温度や水位、圧力などがどう変化するかを計算した。その結果、3時間40分後には圧力容器内の圧力が上がって容器が破損し、炉心の核燃料棒も損傷。格納容器も高圧に耐えきれず、6時間50分後に破損して、燃料棒から溶け出した放射性物質が外部へ漏れるとした。
という記事を配信した。


2011年9月16日、毎日新聞は、【東日本大震災:福島第1原発2・3号機解析 作業適切なら炉心損傷確率11%】と題し、
東京電力福島第1原子力発電所が地震と津波で全電源を喪失した後、2、3号機の炉心への注水やベント(排気)作業が適切に進んでいれば、炉心損傷に至る確率はそれぞれ約10%しかなかったことが、松岡猛・宇都宮大客員教授(システム工学)の解析で分かった。近く電子情報通信学会の学術誌で発表する。

日本原子力学会が作成した「確率論的安全評価(PSA)」の実施基準に基づき、設備や機器類の故障率を考慮して解析した。実際の被災状況と同様に、1~3号機の全電源が高さ15メートルの津波で失われ、緊急炉心冷却装置を起動させる非常用バッテリーの一部が水没で使用不能になったと想定した。解析の結果、全電源喪失から7日後までに炉心損傷に至る確率が、1号機は70・8%、2、3号機はそれぞれ11・8%だった。

1号機で確率が高い理由の一つは、緊急炉心冷却装置の構造に違いがあるため。旧式の1号機では、「非常用復水器(IC)」で使える水の量に限りがあり、最長で8時間しかもたないなど、不利な点があった。

一方、2、3号機では「隔離時冷却系(RCIC)」と呼ばれる別の冷却装置を備えていたが、実際の事故では、RCICを起動して冷却する操作に遅れや中断があった。

政府の「事故調査・検証委員会」の調査では、格納容器を守るためのベントの手順書がなかったり、機材が誤配送されたりしたため作業に手間取ったほか、1号機の非常用復水器の運転中断を幹部が把握していなかったことなどが判明している。

松岡客員教授は「1号機の損傷はほぼ必然だったかもしれないが、2、3号機が同時期に炉心損傷に至る確率は本来1%ほどと低かった。事故の経過や今回の解析から、冷却の中断が大きな影響を与えたと考えざるを得ない。事故拡大はヒューマンエラーが要因だった可能性がある」と指摘する。
一部抜粋

という記事を配信した。

2011年12月9日、毎日新聞は、【福島第1原発:1号機 復水器再稼働なら炉心溶融に至らず】と題し、
東京電力福島第1原発事故で、1号機の原子炉を冷却する非常用復水器(IC)が津波襲来から1時間以内に再稼働した場合、炉心溶融に至らなかったことが8日、原子力安全基盤機構(JNES)の解析で分かった。

1号機は3月11日の津波で全電源を喪失、原子炉に水を注入する緊急炉心冷却装置が使用不能になった。2系統あるICは放射性物質を閉じこめるため、電源喪失に伴い弁がすべて閉まるよう設計されており、地震発生後は断続的に動いたが津波後に閉じた。2時間40分後の午後6時18分、蓄電池が復旧して弁が開き、7分だけ稼働したものの、運転員がICの冷却水不足を懸念し手動で停止。再稼働はさらに3時間後だった。

ICを再稼働させるには、運転員が現場に行き、弁を手動で開く必要があった。東電は毎日新聞の取材に対し「真っ暗で線量の高い現場に行ってすぐにICを復旧させるのは無理だった」としている。
一部抜粋

という記事を配信した。
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≪画像は4号機≫


おそらく槌田敦氏の指摘。
【刑事事件②.業務上過失致死傷の罪】 (刑法第211条)

刑法第211条によれば業務上必要な注意を怠り、人を死傷させた者は罰せられる。これと同種の事件に、JR福知山線転覆事故でのJR西日本社長の起訴がある。

以下、東電の事故時の責任者、第一原発所長吉田昌郎らによる犯罪を述べる。

(1)海水注入により塩を析出させ、原子炉とプールの冷却を困難にした罪、吉田昌郎
 原子炉と燃料プールに安易に海水を注入した罪。発熱している燃料の周辺で海水が蒸し、塩を析出させて燃料の冷却を困難にした。淡水は十分にあった。

(2)1号機で高圧注水系を使用せず、燃料崩頓に導いた罪、吉田昌郎
 スリーマイル島事故の教訓で、重大事故の場合ECCS(高圧注水系)を切ってはいけないことになった。しかし、1号機ではこの高圧注水機を使用せず、原子炉を破壊した。

(3)2号機でも高圧注水系を使用せず、海水注水という奇策にこだわった罪、吉田昌郎
 2号機では、消防ポンプでの海水注水という奇策にこだわって、高圧注水系を使用せず、原子炉を破壊した。放射能の大量放出につながる重大な過失であった。

(4)3号機、海水注入のため、高圧注水系、低圧注水系を使用しなかった罪、吉田昌郎
 3号横では、事故発生時、冷却水喪失の警報が出ているのに注意せず、調子の悪い隔離時冷却系に頼り、高圧注水系も低圧注水系も十分には使用せず、原子炉を破壊した。

(5)2号機で、逃し安全弁を開けた最大の罪、吉田所長
 2号機では、14日21時半、原子炉圧力容器の逃し安全弁を開けたことが最大の過失である。この放射能の放出により福島県民は大量被曝することになった。

(6)1号機と3号機で格納容器をベントして放射能を放出した罪、吉田昌郎
 格納容器は放射能を閉じ込めることを目的にしている。その格納容器を注水により冷却して減圧する方法を取らず、これをいきなりベントとして放射能を環境に放出した。

(7)3月14日の中性子モニターで証拠隠滅した罪、吉田昌郎
 3月14日、6時半から2時間測定デー夕を発表せず、また9時から8時間データを改ざんした罪。3号機爆発の真因の解析を困難にした。

(8)4号機、事前許可の工程表に反して、原子炉に核燃料運び込みの疑惑、吉田昌郎
 4号機の爆発(3月15日)の場所は燃料が空っぽの筈の原子炉であった。これを解明するには、4号機の定期検査で何がなされたかの疑惑解明が必要である。
これは事故を超えて犯罪だ
ttp://www.env01.net/ss03/20111003t.pdf
一部抜粋


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≪画像は4号機燃料プール≫


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≪画像は4号機格納容器フタ≫


2011年12月16日、毎日新聞は、【福島3号機:現場独断で冷却停止…3月13日、高圧注水系】と題し、
東京電力福島第1原発事故で、3号機の原子炉を冷やすための最後の要となる「高圧注水系(HPCI)」が3月13日に現場の独断で止められ、再起動できなくなっていたことが、政府の事故調査・検証委員会の調べで分かった。3号機は翌日、水素爆発した。1号機でも冷却装置「非常用復水器(IC)」が止まったが、吉田昌郎前所長が稼働していると誤認して事故対応していたこともすでに判明している。指揮系統が機能していなかったことが重大事故につながった可能性がある。
一部抜粋

という記事を配信した。

2011年3月18日、読売新聞は、【政府筋「東電が米支援は不要と」…判断遅れ批判】と題し、
東京電力福島第一原子力発電所で起きた事故で、米政府が申し出た技術的な支援を日本政府が断った理由について、政府筋は18日、「当初は東電が『自分のところで出来る』と言っていた」と述べ、東電側が諸外国の協力は不要と判断していたことを明らかにした。

政府関係者によると、米政府は11日の東日本巨大地震発生直後、米軍のヘリを提供することなどを申し入れたという。政府は、各国からの支援申し出は被災地での具体的な支援内容を調整したうえで受け入れており、「(断ったのではなく)いったん留め置いた」と釈明する声も出ている。


枝野官房長官は18日午前の記者会見で「政府、首相官邸としてそうした事実は全く認識していない」と否定する一方、米政府からの原子炉冷却材提供の申し入れなどについて「詳細は把握していない。確認してみたい」と述べ、事実関係を調査する考えを示した。

一部抜粋

という記事を配信した。

2011年4月4日、毎日新聞は、【検証・大震災:原発事故2日間(4)「冷やせない」…東電、準備不足が呼んだ誤算】と題し、
原子炉の暴走を事前に食い止める「冷却作戦」が官邸、経済産業省原子力安全・保安院、東電のもとで進められた。

対処方針は冷却システムを再起動させるための電源車をバッテリーが切れる7~8時間以内に福島第1原発に集めることだった。電源喪失が午後3時42分。タイムリミットは午後11時前後から12日午前0時前後。時間との闘いだった。ひとまず東電が集めた6台が福島に向かったが、陸路の輸送は困難を極めた。

「福島まで緊急車両は通れるのか」。首相は大畠章宏国土交通相に電話で交通状況を確認。執務室にはホワイトボードが運び込まれ、電源車の現在地が刻々と書き込まれていった。しかし、思わぬ誤算が生じた。

電源を失った1~3号機のうち、最初に危機に陥ったのは2号機だった。当初、原子炉の余熱でタービンを回し、冷却に必要な水を炉内に引き込む「隔離時冷却系」が作動し、炉内の水位を保っていた。

だが、隔離時冷却系が午後8時半に突然止まり、炉心の冷却ができなくなった。このままだと核燃料が出す熱で炉内の水が蒸発し、燃料棒が水面から露出する恐れがあった。水面から出た燃料棒はさらに高温になり、いずれは破損し、核燃料が溶け出してしまう危険があった。


 ◇電源車着いたが「低圧ケーブルがない」

待望の電源車が福島第1原発から約5キロ離れた、国の対応拠点「福島オフサイトセンター」(福島県大熊町)に到着したのは午後9時過ぎ。東北電力から提供された電源車2台だったが、ここでトラブルが発生する。

電源車が高電圧だったため接続に必要な低圧ケーブルが用意されていなかったのだ。つなぎ口も津波で浸水していた。午後9時20分には福島オフサイトセンターの非常用電源が切れた。東電社員を含む職員ら15人は隣接する福島県原子力センターに移動したが、ファクス1台。パソコンはなかった。
一部抜粋

という記事を配信した。

再録 総括原価方式編

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≪画像は手前から1~4号機≫

日本の電気料金は総括原価方式(レートベース方式)に基づいて決定され、地域独占により日本の消費者は電力会社のいい値で買わされている。
・総括原価=適正事業報酬+適正原価

・総括原価÷販売予定電力料=電力単価(円/Kwh)

2011年9月27日に読売新聞が【九電会長の親族企業、5億円超の関連工事受注】と題して配信した記事、
九州電力の松尾新吾会長の親族が実質経営している福岡市中央区の建設会社が、大手ゼネコンの下請けに入るなどして、昨年までの5年間に少なくとも約5億7000万円の九電関連工事を受注していることが26日、わかった。

同社が福岡県に提出した工事経歴書などによると、1992年、会長の親族が設立し、現在取締役を務める。従業員は数人で、取引先の一社は「ゼネコンの指示でこの会社の下請けに入ったが、工事はすべて我々がやった」と証言。親族会社の関係者も「九電以外の工事では下請けに全て任せたことが何度かあった」と、工事を丸投げしたことを認めた。
一部抜粋

にあるように、垂直方向のカルテルとでも呼べるような現象を現出させるのが、地域独占の下の総括原価方式である。「実質的キックバック」と言える「親族企業」は、「従業員は数人」で「丸投げ」もしている。

そして、『中間報告』には、
P431~445

福島第一原発に関する東京電力によるアクシデントマネジメントの整備状況前記(2)bで述べたとおり、安全委員会は、平成4 年5 月、事業者の自主的なAM の整備を強く奨励することを決定し、これを受けて、通商産業省(当時)は、同年7 月、事業者に対し、その自主的取組としてAMの整備を進めるよう指示した。そこで、東京電力は、平成6年3月までに福島第一原発及び福島第二原発におけるAMの検討を行い、平成14年5月までにその検討結果を踏まえた各種AM 策の整備を行い、その結果を保安院に報告した。これらのAM策では、前記(3)で述べたとおり、SA対策としてのAM の原因事象が内的事象に限定されたことから、自然災害等の外的事象は原因事象の対象外とされていた。

東京電力が、平成14 年までに整備した各種AM 策は、①設備上のAM 策の整備、②AM の実施体制の整備、③AM 用の手順書類の整備、④AM に関する教育等の整備の四つに大きく分かれている。

e 原子炉冷却機能を有する設備に関する事前の教育・訓練不足
前記(5)dで述べたとおり、東京電力では、AM の実施に関わる知識について必要な教育・訓練を行うとされていたが、今般の事故時における現場対処に照らすと、原子炉冷却機能を有するIC、RCIC等の操作に関する知識の習得、操作の習熟等に関する事前の教育・訓練が十分に行われていたとはいえず、前記Ⅳで述べたような現場対処の問題点を惹起させることとなった。
東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会
『中間報告』より一部抜粋

という記述が確認できるように、
  1. 競争相手がおらす、
  2. 設備の導入の際に競争原理が働き難く、
  3. 水や電気などの切実なものを供給し、
  4. 事故の確率が低く、
  5. それ故保険料金の見直し・値上げに脅えることもなく、
  6. 情報公開が徹底されてもいない
という条件の下では、レートベース方式は、効率性と安全性の向上をもたらすインセンティブを奪う。

日本の電力会社の場合は、「効率性と安全性の向上をもたらすインセンティブを奪う」という欠点を顕在化させてしまう条件の下での総括原価方式であるため、建設会社にキックバックを要求しても、売り上げを低下させずに料金に上乗せすることが可能であることから垂直方向のカルテルを発生させながら、効率性と安全性に疑問符が付く設備ですら増設されてしまうのである。

これは、日本の電力会社においては、効率性と安全性に疑問符が付く設備ですら増設されるだけでなく、排出量取引に削減効果がなくても、太陽電池からの買電が迷惑でも、そのしわ寄せを売り上げ減をもたらすことなく料金の値上げが可能になるが故に、空気に流されて鳩山イニシアチブの民主党を支持できてしまえもする、ということでもある。

下請け等に丸投げしても高い報酬が補償されるようになるため、入社当時のスキルのままでも首にならないどころか出世が可能になる、ということでもある。

東電や保安員が「日本破壊計画」の実行部隊とコネ入社組みによって構成されている訳ではないであろうにも拘わらず、チェルノブイリでも実績があるらしい、プールに保管されている燃料棒の冷却に鉛を使用する案が採用されなかったのは何故か?

それは、レートベース方式等により、下請け等に丸投げしても高い報酬が補償されるようになるため、入社当時のスキルのままでも首にならないどころか出世が可能になっているからであろう。

編集後記

時間不足もあり、効果があるかどうか? 甚だ疑問だが、2chの実況スレの住人のためのエントリー。『朝まで生テレビ』対策用。

しつこいが、派遣手数料透明化法があれば、保険や年金の面倒を見る訳でもないのにも拘らずピンハネ率の高い派遣会社は市場メカニズムにより排除され、原発作業員のピンハネ問題が少しも改善するのだが。それから医療サービスを受けると1万2千円ものタクシー代がかかってしまう問題はどうにかならんのか?

で、今度こそ最後。

皆さんどうもありがとうございました。

1月5日追加

画像を追加。

1月14日追加

原子力災害対策特別措置法
原子力災害対策特別措置法

第三条(原子力事業者の責務)
原子力事業者は、この法律又は関係法律の規定に基づき、原子力災害の発生の防止に関し万全の措置を講ずるとともに、原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)の拡大の防止及び原子力災害の復旧に関し、誠意をもって必要な措置を講ずる責務を有する。

第四条(国の責務)
国は、この法律又は関係法律の規定に基づき、原子力災害対策本部の設置、地方公共団体への必要な指示その他緊急事態応急対策の実施のために必要な措置並びに原子力災害予防対策及び原子力災害事後対策の実施のために必要な措置を講ずること等により、原子力災害についての災害対策基本法第三条第一項 の責務を遂行しなければならない。
2 指定行政機関の長(当該指定行政機関が委員会その他の合議制の機関である場合にあっては、当該指定行政機関。第十七条第六項第三号及び第二十条第三項を除き、以下同じ。)及び指定地方行政機関の長は、この法律の規定による地方公共団体の原子力災害予防対策、緊急事態応急対策及び原子力災害事後対策の実施が円滑に行われるように、その所掌事務について、当該地方公共団体に対し、勧告し、助言し、その他適切な措置をとらなければならない。
3 主務大臣は、この法律の規定による権限を適切に行使するほか、この法律の規定による原子力事業者の原子力災害予防対策、緊急事態応急対策及び原子力災害事後対策の実施が円滑に行われるように、当該原子力事業者に対し、指導し、助言し、その他適切な措置をとらなければならない。
原子力災害対策特別措置法より一部抜粋


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