2013/05/05 に公開
作曲 : 歌 : 鶴田 錦史 (Composition : Vocal : Tsuruta Kinshi)
琵琶 : 田中 鶴旺 (Biwa : Tanaka Kakuo)
琵琶 : 斎藤 鶴竜 (Biwa : Saito Kakuryu)
琵琶 : 岩佐 鶴丈 (Biwa : Iwasa Kakujo)
作詞 : 村上 元三 (Words : Murakami Genzo)
雲を巻いて荒れ狂う
大西風に浪立ちて
船は木の葉の如くなり
壇の浦にて滅びける
平家一門の怨霊が
奈落の底へ義経を
引っ立てんものと群れ集い
波に浮かびて
出でたるぞや
抑もこれは桓武天皇九代の後胤
平の知盛が怨霊なり
たとい悪霊恨みをなすとも
そも何事のあるべきぞと
弁慶数珠を押し揉んで
五大明王唱えつつ
押せや者ども漕ぎのけよと
陸路のかたへ寄せんとすれど
なお怨霊は立ち現れ前後を忘ずるばかりなり
やがて波風治まりて
義経主従ようように
吉野の峰に入りにける
判官静を召し給い
我この度思わずも
言い甲斐なき者の讒により
兄頼朝の怒を買い
住むに家なき身となりぬ
大峯山は古くより
女人禁制の山と聞く
そなたを伴い行かぬこと
かえすがえすも無念なり
ひそかに吉野を逃れでて
時節を待てと菊の酒
酌み交わしてぞ別れ行く
吉野山
峰の白雪踏み分けて
入りにし人の跡ぞ恋しき
霞に包む旅衣
追われ追われて加賀の国
山伏姿の十二人
富樫の守る安宅の関
弁慶いとも厳かに
勧進帳を読み上げて
通らんとせし折しもあれ
如何にそれなる強力
止まれとこそ
すわ我君を怪しむは一期の浮沈極まりぬ
これまでなりと弁慶は
あら腹立たしや
僅かばかりの笈を負い
後へ引き下がればこそ怪しむぞ
いで物見せてくれんずと
金剛杖を振りあげて
強力姿の判官を
はっしはっしと打ち据えたり
富樫見てとり
弁慶の
心の中を推し量り
我ら近頃誤って候
はやはや通り候えと
覚悟を極めて見遁しける
虎口を逃れし判官は
武蔵坊の手を取りて
御身の己むなき振るまいを
いかで恨みに思うらん
その言の葉の嬉しさに
流石に猛き弁慶も
ただひれ伏してむせび泣く
如月の空
まだ明けやらぬ心地して
陸奥指して落ちて行く
主従を偲ぶ松しぐれ
Recorded Oct. 18,19, 1993 at #1 Studio, King Record, Tokyo Japan.
琵琶 : 田中 鶴旺 (Biwa : Tanaka Kakuo)
琵琶 : 斎藤 鶴竜 (Biwa : Saito Kakuryu)
琵琶 : 岩佐 鶴丈 (Biwa : Iwasa Kakujo)
作詞 : 村上 元三 (Words : Murakami Genzo)
雲を巻いて荒れ狂う
大西風に浪立ちて
船は木の葉の如くなり
壇の浦にて滅びける
平家一門の怨霊が
奈落の底へ義経を
引っ立てんものと群れ集い
波に浮かびて
出でたるぞや
抑もこれは桓武天皇九代の後胤
平の知盛が怨霊なり
たとい悪霊恨みをなすとも
そも何事のあるべきぞと
弁慶数珠を押し揉んで
五大明王唱えつつ
押せや者ども漕ぎのけよと
陸路のかたへ寄せんとすれど
なお怨霊は立ち現れ前後を忘ずるばかりなり
やがて波風治まりて
義経主従ようように
吉野の峰に入りにける
判官静を召し給い
我この度思わずも
言い甲斐なき者の讒により
兄頼朝の怒を買い
住むに家なき身となりぬ
大峯山は古くより
女人禁制の山と聞く
そなたを伴い行かぬこと
かえすがえすも無念なり
ひそかに吉野を逃れでて
時節を待てと菊の酒
酌み交わしてぞ別れ行く
吉野山
峰の白雪踏み分けて
入りにし人の跡ぞ恋しき
霞に包む旅衣
追われ追われて加賀の国
山伏姿の十二人
富樫の守る安宅の関
弁慶いとも厳かに
勧進帳を読み上げて
通らんとせし折しもあれ
如何にそれなる強力
止まれとこそ
すわ我君を怪しむは一期の浮沈極まりぬ
これまでなりと弁慶は
あら腹立たしや
僅かばかりの笈を負い
後へ引き下がればこそ怪しむぞ
いで物見せてくれんずと
金剛杖を振りあげて
強力姿の判官を
はっしはっしと打ち据えたり
富樫見てとり
弁慶の
心の中を推し量り
我ら近頃誤って候
はやはや通り候えと
覚悟を極めて見遁しける
虎口を逃れし判官は
武蔵坊の手を取りて
御身の己むなき振るまいを
いかで恨みに思うらん
その言の葉の嬉しさに
流石に猛き弁慶も
ただひれ伏してむせび泣く
如月の空
まだ明けやらぬ心地して
陸奥指して落ちて行く
主従を偲ぶ松しぐれ
Recorded Oct. 18,19, 1993 at #1 Studio, King Record, Tokyo Japan.
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